メディア、エンターテインメント、テクノロジー業界の有力男性による略奪的な行為や性的暴行が数カ月にわたり明るみに出るなか、従業員がセクハラを理由に会社を訴えられるようにするとのマイクロソフトの発表は、#MeToo運動に重要な勝利をもたらしたと、支援者らは述べた。
ソフトウェア大手のマイクロソフトは今週、従業員にハラスメントの訴えを非公開で解決するよう求める雇用契約を廃止すると発表し、企業がこうした紛争を非公開の仲裁に強制的に持ち込むことを禁じる法案を支持する、フォーチュン100社で初の企業だと表明した。
「セクハラに関する仲裁を義務づける要件の廃止を法制化するよう働きかけるのであれば、自社の従業員にセクハラの申し立てを仲裁に付すことを義務づける契約上の要件を設けるべきではないと、私たちは結論づけました」と、社長兼最高法務責任者のブラッド・スミス氏は声明で述べた。「このため、直ちに、当社の仲裁契約においてセクハラの申し立てに関する仲裁を義務づける契約上の要件を、該当する少数の従業員について免除します。」
ワシントンの経済政策研究所が発表した9月の調査によると、米国の労働者の半数以上が、セクハラや性別・人種差別を理由に雇用主を訴える権利を放棄する契約に署名している。
従業員の権利擁護団体は、こうした契約が加害者をかばい、問題を長引かせていると指摘する。マイクロソフトの決定は従業員のごく一部にしか影響しないものの、他社にも秘密保持の規則を撤廃するよう促すのではないかと期待する声もあった。
内部告発者を沈黙させる法的合意に反対する全米消費者擁護団体の事務局長、アイラ・レインゴールド氏は、「マイクロソフトは大きく先を行きました。これによって、ほかの企業にも同じことをするよう圧力がかかるでしょう」と述べた。
自身の声明でスミス氏は、マイクロソフトが今月初めに提出された超党派法案を支持したと述べた。同法案は、セクハラ案件での強制仲裁を禁じ、それを求める既存の雇用契約を無効にするものだ。支援者らによると、こうした取り決めでは告発が秘密にされ、企業側が案件の判断者に意見を述べることもできる。

法案を主導する保守派議員の一人、リンジー・O・グラハム上院議員(共和党、サウスカロライナ州)がマイクロソフトに法案支持を説得したと、スミス氏は記した。
グラハム氏の広報担当者によると、2人は12月6日に面会する予定だった。この日は、グラハム氏がカーステン・ギリブランド上院議員(民主党、ニューヨーク州)とともに連邦議会議事堂で法案を発表した日でもあった。会談ではサイバーセキュリティと移民について話す予定だったが、スミス氏によると、グラハム氏は「その話題に続けて、この新法案を検討してほしいと強く訴えた」という。
グラハム氏はスミス氏に尋ねた。マイクロソフトはこの件についてどのような立場なのか、と。
約2週間後、グラハム氏は回答を得た。
マイクロソフトにとって、社内方針の改定は文化を大きく変えるというより、象徴的な動きだった。同社によると、同様の契約に拘束されていたのは、世界全体で12万5,000人いる従業員のうち「数百人」と、ごく一部だった。
非公開の仲裁が注目を集めたのは昨年のことだ。元フォックス・ニュース司会者のグレッチェン・カールソン氏が、性的な誘いを拒んだ後に自らのキャリアを妨害しようとしたとして、長年の上司ロジャー・エイルズ氏を訴えた。
この訴訟をきっかけに、職場での性的な不正行為をめぐる全国的な議論が起こり、被害者を黙らせるために法的合意が使われていることにも注目が集まった。
全米消費者擁護団体の幹部であるレインゴールド氏は、この慣行をなくすにはビジネス界の支持が不可欠だと述べた。
「セクハラ被害者を守る法案を、今の議会が通過させるとはほとんど信じていません」と同氏は述べた。「変化を目にするための唯一の方法は、企業に責任を果たすよう求めることです。」
有力な企業ロビー団体である米国商工会議所は、この法案について立場を明らかにしていない。
同会議所の広報担当者は水曜日、メールで「この重要な法案を検討し、会員と議論しています」と述べた。「内容をよりよく理解するため、近いうちに議員と話す機会を得たいと考えています。セクハラ対策として適切な措置が取られるよう、会議所は誰とでも協力します。」
一方、ツイッターでは、マイクロソフトの動きにさまざまな業界の女性たちから大きな反響が寄せられた。
「これはすごい。@Microsoftがハラスメントなどの案件で強制仲裁を廃止」と、元ウーバーのエンジニア、スーザン・ファウラー氏は書いた。同氏は、ウーバーが職場で女性従業員を差別から守らなかったと批判している。「ハラスメントと差別を終わらせるために、テクノロジー企業ができる最も重要なことは、強制仲裁をなくすことです。」
職場での不正行為に反対する運動の象徴となったカールソン氏は、もっと多くの企業がマイクロソフトに続くべきだとツイートした。
「すべての組織が強制仲裁をやめるべきです」と同氏は書いた。「被害者を沈黙させることで、性犯罪者は何年も(あるいは何十年も)罪を逃れられるのです。」
ハリウッドの性差別について率直に語る女優のリース・ウィザースプーン氏も、秘密主義への対抗を称賛した。
「セクハラ案件での強制仲裁契約がなくなれば、より安全な職場環境につながります」と同氏は書いた。
テクノロジー業界への女性の採用に取り組む団体、Women 2.0の最高経営責任者ケイト・ブロドック氏は水曜日、マイクロソフトの発表は#MeToo運動の力を示していると述べた。10月以降、この運動を通じて、セクハラや性的暴行の体験談がソーシャルメディア上に何百万件も寄せられている。
「追い詰められ、片隅で沈黙させられること――それが、この一連の出来事で明らかになった最大の問題の一つです」とブロドック氏は述べた。
それでも、運動の取り組みはまだまだ終わっていないと同氏は付け加えた。
「マイクロソフトには本当に大きな拍手を送りたいです」と同氏は述べた。「ただ、業界全体にとって、これがさらなる勝利につながることを願っています。やるべきことはまだたくさんあります。」
