組織が将来に備えて従業員のスキルを活用・育成する中、この地域にとって、女性がキャリアを通じて活躍できるよう支援し、職場におけるジェンダー多様性を推進すること以上に重要な投資はありません。経済協力開発機構(OECD)によると、中東・北アフリカ地域は全体として年間およそ5,750億ドルを失っていると推計されています。これは、女性の仕事やキャリアへのアクセスをめぐって存在する法的・社会的障壁によるものです。
進展は緩やかで、同地域で就業している女性は4分の1にも満たません。しかし、多様性は企業の持続可能性と全体的な成功にとって不可欠です。女性の就労を増やすことは、道義的な要請であるだけでなく、企業の収益に測定可能な影響をもたらします。政府の政策と規制も重要な役割を担っています。法的枠組みは最新の状態に保ち、目的に適したものである必要があり、労働法や家族法に加え、女性の金融へのアクセスを改善する取り組みも含めるべきです。
この地域の政府も可能な限りの取り組みを進めています。例えば、アラブ首長国連邦(UAE)はジェンダー多様性を推進してきており、過去20年で大きな進展を遂げています。より最近この取り組みを始めた、サウジアラビア王国(KSA)は、「国家ビジョン2030」の一環として、2030年までに労働力に占める女性の割合を30%にするという野心的な目標を掲げています。
政府の支援により、現在UAEの公共部門の労働者に占める女性の割合は66%に達しており、その うち30%が指導的立場にあります。しかし、これが民間セクターの企業にも必ずしも反映されておらず、労働力全体に占める女性の割合は40.6%にとどまっています。
次のPwCの「Women in Work Index」の一環として、MENA地域を対象とした調査(3,000人を対象に、UAE、KSA、エジプトで実施)では、政府が民間企業に介入し、ジェンダー多様性の目標を設定すべきかどうかを尋ねました。これに対し、66%が賛成しました。これは積極的差別是正措置についての話ではなく、無意識の偏見に対処し、職場の公平性を推進するための目標設定についての話です。
しかし、この地域は政府だけに頼ってこれを推進することはできません。すべての産業において女性の専門職に平等な機会を生み出すことは、私たち一人ひとりの責任です。賃金の平等は重要ですが、包括的な文化を築くことは、それ以上の意味を持ちます。PwCの「Women In Work Index - Insights from MENA」調査によると、この地域の人々は、機会や指導的地位へのアクセスの面での男女平等、そして従業員への支援を求めています。
組織は、意識的・無意識的な偏見について率直に議論し、認識を高めるとともに、トップからの適切なメッセージ発信を確保することで、これを実現できます。例えば、多様性を事業目標に結び付けたり、メンターシッププログラムを設けたりすることが挙げられます。
湾岸協力会議(GCC)加盟国が経済の多角化に取り組む中、女性従業員を増やすことは、企業が石油・ガス依存からの産業多角化を加速させる上で活用できる人材プールを広げることにつながります。
キャリア中断後の支援不足、根強い社会規範、ジェンダーに関する固定観念や偏見といった課題はあるものの、地域全体としてジェンダー平等への取り組みは前進しています。しかし、その歩みは十分に速いとは言えません。政府と企業は、今日こそ職場におけるジェンダー多様性を向上させるため、大胆な行動を取る必要があります。
これは容易なことではありません。単なる議論にとどまらず、行動への真の決意が必要であることは間違いありません。私たちは皆、この地域に適したものを見極め、効果的かつ大規模に実施する方法を、共に検討しなければなりません。しかし、必要とされる努力は、現状を維持し何もしないことによるコストと比べれば、取るに足りないものです。
