COVID-19によって既存のジェンダー格差が拡大しました。
女性が就いている仕事の3件に1件は「必須」に指定されています。それにもかかわらず、女性は不釣り合いに高い失業率に直面するとともに、育児の負担も増えています。
経済活動が再開するなか、政策立案者は、女性労働力が中核を担う必須産業に存在する構造的な不平等に対処しなければなりません。
新型コロナウイルスのパンデミックは、世界の労働のあり方について多くのことを明らかにしました。そして、その中で女性が果たしている重要でありながら過小評価された役割も浮き彫りになりました。
パンデミック以前、必須労働者の多くは女性であり、その人々が、往々にして注目されることのない重要なサービスを提供していました。ニューヨーク・タイムズの分析によると、米国では女性が就いている仕事の3件に1件が必須と指定されています。さらに、非白人女性は他のどの層よりも必須職に就いている割合が高くなっています。彼女たちの仕事はしばしば低賃金で過小評価されており、世界経済を支えているにもかかわらず目に見えない労働力となっています。
パンデミックによる景気後退は、女性に特に深刻な打撃を与えました。「2020年春のロックダウンの後数か月の間に、女性が就いていた1,130万件の仕事が即座に消失しました。女性は小売、飲食、旅行、宿泊業の分野に多く従事しているためです」とワシントン・ポストの報道は説明しています。
「さらに、保育の不足と学校の休校により、仕事を失わなかった女性を含め、多くの女性が子どもの世話の大部分を担うことになりました」と、ワシントン・ポストは続けています。私自身も、多くの女性と同様に、一夜にして教師となりました。これは、フルタイムの仕事と家族の世話に加えて担った責任でした。
南アフリカでは、COVID-19によって、わずか4か月で10年分の雇用増加が失われたと推計されています。また、2020年の第1四半期と第2四半期に失われた300万件の仕事のうち、NIDS-CRAMのデータによると、200万件は女性が就いていた仕事でした。
パンデミックの経済的影響は、既存のジェンダー不平等を悪化させました。歴史的な背景を踏まえると、女性が景気後退により大きな影響を受けたことは、驚くに当たらないかもしれません。パンデミック以前から、雇用と所得における男女差は深刻であり、あらゆる分野で男女間の賃金格差が存在していました。スタンフォード大学の研究では、STEM分野におけるジェンダー格差は、単なる人材パイプラインの問題ではないことが分かりました。テクノロジー企業は、採用時に使用する言葉や採用担当者の振る舞いによって女性を遠ざけており、その結果、女性の卒業生は卒業後にSTEM関連の仕事に応募することすらしなくなっているのです。
南アフリカでは、貿易産業省の報告により、女性が小規模事業を立ち上げる際に特有の困難に直面していることが明らかになっています。具体的には、金融リテラシーの低さ、銀行内で女性の借り手に対して否定的な態度が取られること、適切な金融商品が不足していることなどが挙げられます。また、事業を立ち上げることができた女性は、男性が所有する事業と比べて一般的に低い所得しか得られていません。
ワクチン接種が進み、多くの経済活動が再開されるなか、政策立案者は経済の構造、特に、経済を動かし続け、女性労働力が中核を担う必須産業について、真剣に検討することが重要です。
育児の負担がすぐに女性から離れることは考えにくいため、特に必須サービスに従事する女性については、経済の原動力を維持するうえで彼女たちが果たしている価値と役割を認識し、育児費用の補助を拡充する必要があります。
ポストパンデミックの世界で仕事の在り方が再編されるなか、政策立案者、CEO、意思決定者は「ノーマル」への回帰を望むべきではありません。従来のノーマルはすべての労働者、特に女性や有色人種にとって機能していなかったからです。ジェンダー・パリティの達成には、今後135.6年かかると見込まれています。これは、パンデミック前の約100年から延びた数字です。しかし、政策立案者と意思決定者が、ジェンダー格差の解消に意図的に取り組み、この危機を利用して制度の欠陥を正すのであれば、この状況は変えることができます。

