ジェンダー平等への取り組みがかつてないほど急務である理由

Image: Junior Reis/Unsplash
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  • SDG 5の指標の少なくとも4分の1で、目標から大きくかけ離れている、または目標に届いていない国は7か国に1か国。

  • SDG 5の進捗を把握するために必要なデータのうち、現在利用できるのは半分近くにとどまる。

  • 新たな予測によると、2022年には3億8,300万人の女性と女児が極度の貧困状態に置かれる。

パンデミックの深刻な影響から各国が懸命に立ち直ろうとする中、「より良い復興」が最近の決まり文句のようになっている。しかし、私たちはそれを実現できただろうか。パンデミック前よりも良い状況にあるだろうか。こうした問いに正確に答えるには、確かな証拠とデータを積み重ねる必要がある。さらに重要なのは、女性と女児のウェルビーイングを念頭に置いて問いに答えるには、包括的なジェンダーデータが必要だということだ。

世界経済フォーラムが最近発表した世界ジェンダー・ギャップ指数 (GGGI)は、現在の進捗ペースでは完全な平等の達成に132年かかると予測している。これは、ジェンダー平等の実現に向けた緊急の取り組みが必要であることを政策立案者に強く訴えるものだ。しかし国連によると、法的保護の格差を解消し、差別的な法律を撤廃するには最長286年かかる可能性があり、職場の管理職に占める女性の割合を平等にするには最長140年かかる可能性がある。

憂慮すべき現状

UN WomenのSDG 5トラッカーは、年次ジェンダー・スナップショット報告書の一環として発表され、各国、地域、世界のデータに基づき、SDG 5のすべての目標と指標に注目して、これまでの進捗を伝えている。一部の指標でデータが不足していること自体が一つの事実であり、これらの分野の優先度が低いことを示している。「測定されるものは大切にされる」という格言のとおりだ。

SDG 5トラッカーは、未知の事柄の多さだけでなく、ジェンダーデータの大きな不足と、それが政策論議に及ぼす影響にも注意を促している。まだ分かっていないことを可視化し、必要な資金や資源をどこに振り向けるべきかを示すことは、すでに分かっていることを可視化するのと同じくらい必要だ。

次の画像は、実際のデータに基づく色彩を用いて、人の手で独自に制作されたものであり、ジェンダー平等の実現を加速させる緊急性を伝えている。

ぼかしや色の混ざり合いは、SDG 5に関する現在の進捗が不完全な姿しか捉えられていないことを表している。こうしたデジタル効果の背後には、現実の困難に直面し、多様な経験をしている何百万もの女性がいる。 図中の青い線は目標が「達成済み、またはほぼ達成」を示し、緑色は「目標に近い」分野を示している。同様に、暖色系の赤やオレンジは「目標に届いていない」分野を表し、最も濃い赤は「目標から大きくかけ離れている」分野を示す。

ヒートマップと同様に、寒色系の青や緑は平等に向けた希望ある変化を示す一方、暖色系は、世界目標が最終目標から遠く離れているという不穏な兆候を示している。

SDG 5に関する世界の進捗Image: UN Women

深刻なデータ不足

残念ながら、この図を占める黄色、オレンジ、赤の色は、定められたSDGsを2030年までに達成するという取り組みに、世界が遅れをとっていることを裏付けている。

SDG 5の指標の少なくとも4分の1で、目標から大きくかけ離れている、または目標に届いていない国は7か国に1か国。無償のケア労働や家事に費やす時間、性と生殖に関する健康についての意思決定、ジェンダー平等のための資金を追跡する仕組みの整備など、女性のエンパワーメントにとって最も重要な3つの分野では、世界は目標に届いていない、または大きくかけ離れている。

世界全体で目標に近い指標は、地方自治体における女性の割合の一つだけだ。ただし、この分野でさえ状況は国によって大きく異なる。差別的な法律の撤廃や有害な慣行の根絶など、ほかの分野では進展が見られるものの、2030年までにSDG 5を達成するにはなお不十分だ。

同じトラッカーの別の図は、深刻なデータ不足を明らかにしている。これまで見過ごされていたSDG 5の指標値を図に加えると、灰色の筆跡が画像を覆い尽くす。

SDG 5の進捗を把握するために必要なデータのうち、現在利用できるのはわずか48%であり、多くの女性や女児の現実が見えないままになっている。Image: UN Women

負担を軽減するための世界的な取り組み

このように分かりやすく親しみやすい形式で示されたSDG 5の現状は、前途に険しい道のりが待ち受けていることを浮き彫りにしている。今日もなお、多くの社会規範が、女性が自分の身体や社会における役割を自ら決める力を抑えつけており、パンデミックが問題をさらに悪化させている。

具体例を二つ挙げよう。

  • 何十年もの間、女性の労働参加率は男性よりはるかに低かった。それにもかかわらず、2020年には、学校の休校、女性が多く働く分野での突然の失業、主に女性が担うケア役割によって、女性の労働参加率はさらに低下した。パートナーと幼い子どもがいる25~54歳の女性約1億1,300万人が、2020年に労働市場から退出していた。

  • 女性と女児は、パンデミック以前から男性より貧困に陥りやすかった。新たな予測は、パンデミックの影響をある程度考慮したもので、UN Women、UNDP、国際未来予測のパーディー・センターによると、世界では2022年に3億8,300万人の女性と女児が極度の貧困状態に置かれる(男性と男児は3億6,800万人)。 栄養不良の増加、就学率や教育の質の低下、男女間の賃金格差の拡大、女性の雇用への不均衡な影響を含む「深刻な被害」シナリオでは、この人数は4億4,600万人に膨らむ可能性がある(男性と男児は4億2,700万人)。

私たちが直面する課題は非常に大きいが、COVID-19によって複雑化していても、乗り越えられないものではない。あらゆる国家復興計画に、ケア経済とその基盤への大規模な投資を盛り込むべきだ。そうすることで、無償のケア労働の負担が軽減され、女性が労働市場に参加できるようになるとともに、持続可能で環境に配慮した雇用も生まれる。例えば、社会保障への支出拡大、グリーン経済への投資、基盤整備や教育の改善を含む統合的な政策によって、2030年までに世界で約1億5,000万人の女性と女児を貧困から救い出せる可能性がある。

SDGsは、すべての人が共有する取り組みだ。国際社会全体が進捗を加速させなければ、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは達成できない。行動に向けた結束した大胆な取り組みが不可欠であり、女性への投資を始めるべき時は今だ。

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