教育は平等を実現する最大の手段と考えられている。しかし、近年の米国のように、教育を受ける機会がまったく平等でないとしたら、どうなるだろうか。最も所得の高い10%が国の富の75%を保有するなか、教育という平等化の手段を利用できない人も少なくない。公立学校はしばしば軽視され、十分な資金も得られていない。高等教育の費用は法外なほど高くなり、特に子どもが複数いる家庭では家計を圧迫している。
先週、ニュー・スクールの経済学者ダリック・ハミルトン氏は、TEDカンファレンスで、米国は国内で生まれたすべての子どもに出生時、最大6万ドルの信託基金を給付する「ベビートラスト」を始めるべきだと述べた。これは驚くほど異なる提案であり、実現に向けて十分な支持を得られれば、うまくいくかもしれない。
「ベビートラスト」とは何か?
ハミルトン氏はこれを、人生の始まりにおける一種の「逆向きの社会保障」と捉え、「すべての人に資本をもたらす経済的な出生権」だと説明する。この計画では、新生児には平均約2万5,000ドル、最も貧しい家庭の子どもにはさらに多く、最大6万ドルを給付する。すべての子どもが少なくとも500ドルを受け取る。こうして築かれる蓄えは、贈り物というより、現在の不均衡な制度を是正するものだろう。米国では不平等が深刻化しているが、解決策として見えているのは税制の小幅な修正や、CEO報酬への規制強化を求める声くらいだ。結局のところ、不平等は自然に消えてなくなるわけではない。ハミルトン氏の言葉を借りれば、「資本がなければ、不平等は固定化される」。
米国のすべての子どもを信託基金付きで育てるという考えは、もちろん、最大の富が家族を通じて受け継がれているこの国では急進的だ。一方、裕福な家庭に生まれた幸運な子どもは、快適で健康な暮らしを送れると期待できるが、それ以外の人々には逆のことが当てはまる。ハミルトン氏は聴衆に、「富は経済的な安定と幸福を示す最も重要な指標だ」と念を押した。
仕組みはどうなるのか

ハミルトン氏が指摘するように、これは単なる経済的な優位性にとどまらない。「不平等の原因を個人の欠点に求め、富がもたらす利点をほぼ無視する誤った論調を乗り越える時だ」。恵まれない人々が自らの境遇に値するかのような見方は、経済的困難から抜け出すうえで、さらなる、しかも根深い障壁となる。「不平等は主として構造的な問題であり、行動の問題ではない」と、ハミルトン氏はTEDの聴衆に語った。
子どもの信託基金は、成人するまで連邦政府が保管し、インフレに応じて価値を維持できるよう、年率2%の利息を付ける。満期になれば、本人が資金の管理を引き継ぎ、将来のために賢明に投資することが期待される。詳細はまだ詰められておらず、当然ながら多くの人々、おそらく現在の富の分配のもとでうまくいっている人々を中心に、この案をばかげていて、年間1億ドルと推定される費用も高すぎると評するだろう。それでも、多くの経済学者は現在の不平等の水準は[持続不可能]だと考えている。ハミルトン氏によれば、この計画の費用は「連邦政府が税額控除や補助金を通じて資産形成の促進にすでに支出している5,000億ドル超をはるかに下回る」。
