子どもの頃の特定の行動が、男女賃金格差の拡大につながっている。
新たな研究によると、子どもの頃に気が強いと見なされた女性は、賃金が大幅に低い。
また、子どもの頃に依存的と見なされた男性は、同年代の男性より低い賃金に直面する。
新型コロナウイルス感染症により、世界のジェンダー格差解消までの期間はさらに1世代分延び、136年となった。
男女の賃金格差の解消は、誰もが考えていたより難しいかもしれない。新たな研究によると、子どもの頃に身についた特性によって、同等の仕事をしていても若い女性の一部が男性より低い賃金を受け取る可能性がある。
世界経済フォーラムの「2021年グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって賃金格差が拡大し、女性が平等を実現するまでの見込み期間が丸1世代分延びたと報告した。2020年の99.5年から、2021年には135.6年となった。
さらに、米国のシカゴ大学とノースウェスタン大学による研究は、口論好き、または反抗的と評される少女は、若い女性になったときに同一賃金を得るうえで特に不利な立場に置かれる可能性があると示唆している。一方、甘えん坊、または要求が多いと見なされた少年は、若年成人男性の同年代より低い賃金になる可能性が高い。
研究者らによると、子どもの頃に気が強いと見なされた若い女性は、同等の男性より年間2,431ドル少ない賃金を得る。この額は、米国における男女の平均所得格差の40%に相当する。
子どもの頃に依存的と見なされた若い男性の男女賃金格差は、気が強い女性の場合より小さいものの、依然として顕著だった。依存的でないと見なされた同等の男性より、所得が1,632ドル低かった。
子どもの頃の傾向
研究チームは、全米青少年縦断調査の子ども調査(NLSY)のデータを用いた。この調査は、1979年に米国で生まれた10,000人を追跡したものである。研究チームはその後、4歳から12歳の間に行動上の問題があった人々について、若年成人期(24~30歳)の所得を分析した。
NLSYでは、口論が多い、かんしゃくが強い、反抗的、頑固、不機嫌、または苛立ちやすい子どもを「気が強い」と表現する。依存的な子どもとは、多くの注意を求め、大人にまとわりつき、泣きすぎる子どもを指す。
男女賃金格差に関するこの研究では、子どもの頃に気が強かった女性と、依存的だった男性に「大きく有意な所得上のペナルティ」が認められた。しかし、その逆は当てはまらなかった。気が強い男性と依存的な女性は、賃金面で不利にならなかった。
研究チームによると、多動、反社会的行動、仲間との対立など、ほかの子どもの頃の行動上の問題も低所得と関連しているが、こうした行動の影響に男女間で有意な差はない。
研究者らは、「気が強い行動や依存的な行動に伴う男女賃金格差は、教育、結婚、うつ、自尊心、健康、成人後の性格特性では説明できない」と述べている。
子どもの頃からのジェンダー行動に対する期待が、問題の根底にある可能性がある。経済学者らは、「考えられる説明の一つは、こうした男女差が、職場におけるジェンダー規範やステレオタイプからの逸脱に起因するというものだ」と付け加えている。
男女賃金格差をめぐる未解明の問い
研究チームは、なぜ子どもの頃の行動の一部が成人後の男女間の所得差に影響し、別の行動は影響しないのかを解明するには、さらなる研究が必要だとしている。特定の望ましくない行動が所得に及ぼす影響が小さいのは、成人後の社会的な交流に影響しないためではないかと推測している。
著者らによると、答えを出す必要がある男女賃金格差をめぐるもう一つの問いは、賃金差が同僚や上司の否定的な見方だけによるものなのか、それとも子どもの頃に望ましくない行動を示した人々が、成人後に実際に生産性の低い労働者となるのかという点である。
「女性は男性と比べて気が強いことで不利な扱いを受けているだけでなく、気の強さがより控えめな女性と比べても、不利な扱いを受けています」と、シカゴ大学のロバート・ケストナー教授はCNBCに語った。「女性は不利にならないのに、男性は依存的であることで不利な扱いを受けています」と付け加えた。
