オーストラリア・オープンでロベルト・バウティスタ・アグートに敗れたアンディ・マリーが引退すれば、世界はテニスのスターだけでなく、スポーツ界で女性の声を代弁する存在も失うことになると、擁護者たちは言う。
元世界ランキング1位の英国人選手は、股関節のけがによる激しい痛みと闘うなか、全豪オープンがプロとして最後の大会になるかもしれないと語った。
「これが最後の試合だったとしても……終わり方としては最高だ」と、同じテニス界のスターたちからの賛辞を見守った感動的な試合後のインタビューで語った。
アンディ・マリーがフェミニストとしての姿勢を示した5つの事例を紹介する。
スポーツ界の男女同一賃金を求める
マリーは、女性選手に男性選手より少ない賞金が支払われることのある規則の改正を求めてきた。
「仕事への姿勢は、男性でも女性でも同じです」と、BBCマガジンに語った。
「トップクラスの女性選手と少しでも過ごしたことがある人なら、彼女たちも同じ犠牲を払い、ツアーのトップ選手である男性と同じくらい勝利への意欲と決意を持っていると分かるでしょう。」
女性をコーチに任命
マリーは2014年、テニスのトップレベルでは男性コーチが圧倒的多数を占める傾向に逆らい、アメリ・モレスモをコーチに任命した。この注目を集めた人事には、スポーツ界の一部から性差別的な発言や批判が寄せられたと報じられている。
批判に対し、「ほかの男子選手がどう思うかは、あまり気にしていません……それは私を悩ませるようなことではありません」と語った。
マリーは後に、モレスモが男性コーチと同じようには扱われていないことを自ら目の当たりにしたと語り、フェミニズムへの姿勢をさらに強めた。
女性の功績を正しく伝える
マリーは、女性選手の功績を見過ごす記者に異議を唱えてきた。
2016年のリオ五輪で、テニス選手として初めて金メダルを2つ獲得したと男性のBBC司会者に称賛された際、「ビーナスとセリーナ(ウィリアムズ)は、それぞれ4つ獲得しています」と返した。
それは一度きりではなかった。翌年、サム・クエリーが2009年以来初めて準決勝に進出した米国選手だと述べた記者にも、異議を唱えた。
「男子選手の話です」とマリーは返した。
スポーツ界の性差別的な態度を指摘
マリーはスポーツ界全般の性差別についても率直に発言してきた。例えば、女子サッカー選手のアダ・ヘーゲルベルクが12月、女性として初めて名誉あるバロンドールを受賞した後、ステージ上で挑発的な「トゥワーク」ダンスをするよう求められた時のことだ。
この出来事を受け、ソーシャルメディアに「スポーツ界に今も残るばかげた性差別の、また一つの例だ」と書いた。
マリーは女性スポーツの扱いが目立たないことも批判した。例えば、カタリナ・ジョンソン・トンプソンが世界室内陸上選手権の五種競技で金メダルを獲得したニュースが、BBCスポーツのニュースサイトの下のほうに埋もれていた時のことだ。
「ジョンソン・トンプソンの金メダルの記事が、今BBCスポーツのトップページでなぜ22番目の見出しなのか。まったくひどい話だ」と、ツイッターに書いた。
コート上で等しく注目されるよう訴える
マリーは、主要大会で女性の試合が目立たない場所に「追いやられる」こともあるなか、男子の試合と同等に扱うよう求めてきた。
ウィンブルドンが男子の試合の大半をセンターコートに配置し、注目度の低い小規模なコートに主要な女子の試合がいくつか残されたことで、批判が起きた後のことだった。
2017年の試合後の記者会見で、報道によるとマリーは記者団に「それが公平だと言う人はいないと思います」と語った。
「理想を言えば、センターコートでは男子2試合、女子2試合を行うべきだと思います。」
