パキスタンのバス網が女性に力を与える。その仕組みとは

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  • パキスタンの都市ペシャワールのバス高速輸送システム(BRT)は、多くの女性が公共交通機関を不安に感じる要因に対処している。

  • 座席の4分の1を女性用に確保し、防犯カメラや警備員を配置して、駅を明るく照らしている。

  • 公共交通機関でのセクシュアルハラスメントが広く見られるため、多くの女性が一人での移動や有給の仕事探しをためらっている。

  • 世界銀行のデータによると、こうした状況もあり、パキスタンの女性労働参加率は世界でも最低水準の一つとなり、2019年には23%だった。

パキスタン人学生のマハ・ジャビーンさんは、故郷の新しい公共バスシステムのおかげで、親の家で家事をして過ごすこと、さらには結婚を強いられることさえ免れたと語る。

北西部の都市ペシャワールを走るバス高速輸送システム(BRT)のおかげで、23歳のジャビーンさんは修士課程を続けられ、植物学者になる夢を持ち続けることができたという。

「両親は私の教育をやめさせることにしていました……私がぼろぼろのマツダ・ワゴンで通学するのを嫌がったからです」とジャビーンさんは語った。市内で民間運営されているミニバスを指しての言葉で、大学へ向かう新しく光沢のあるBRTバスの車内で話した。

パキスタンのペシャワールで、新しい公共バスシステムを子どもと一緒に利用する女性たち。Image: トムソン・ロイター財団/ゾフィーン・T・エブラヒム

新しいバス停が自宅の玄関からほんの数分の場所にあり、大学の門まで送ってくれるため、両親も認めてくれたという。

2020年に運行を開始したBRTは、ブルカやベールが女性の一般的な服装である超保守的なこの都市で、女性に大変な人気を集めている。2016年の調査では、女性の90%が公共交通機関の利用に不安を感じると回答した。

にらむ、口笛を吹く、身体に触れるといったセクシュアルハラスメントは、バス内やバス停で広く見られる。パキスタンでは、多くの女性が一人での移動に不安を感じ、有給の仕事探しをためらっていると、世界銀行は指摘する。

パキスタンのペシャワールで、新しい公共バスシステムを利用する女性たち。Image: トムソン・ロイター財団/ゾフィーン・T・エブラヒム

しかしペシャワールでは、ディーゼル電気式のハイブリッドバスの座席の4分の1が女性用に確保されている。バスには防犯カメラと警備員が配され、駅も明るく照らされており、女性乗客がより安心できるようになっている。

政府所有のBRT運営会社トランスペシャワールの広報担当者、M・ウマイル・カーン氏によると、BRTの従業員2,000人のうち約15%も女性だという。

こうした変化が、女性のバス利用者が市内の全乗客に占める割合が、わずか2年前の2%から現在は約30%に増えた理由を説明していると同氏は語った。

自転車と人力車

パキスタンの女性は男性より公共交通機関への依存度が高い。男性は車や自転車、オートバイを所有している可能性が高く、良質な交通サービスがなければ女性は「移動手段を著しく制限される」と、ラホールを拠点とする経済研究センター(CERP)のプロジェクトマネージャー、ララ・ルク・カーン氏は語った。

パキスタンのペシャワールにある新しい公共バスシステムの警備管理室。Image: トムソン・ロイター財団/ゾフィーン・T・エブラヒム

そのため、女性は自宅の外で働いたり学んだりすること、仕事上の人脈を築くこと、交流や余暇活動に参加することが難しくなると、ラホール経営科学大学サイダ・ワヒード女性ジェンダー・イニシアチブのディレクター、ハディア・マジード氏は語った。

「安全で、信頼でき、手頃な価格の公共交通機関があれば、働く人はより幅広く仕事を探し、自分のスキルに合った仕事を見つけられます」とマジード氏は付け加えた。

パキスタンで自転車やオートバイに乗る女性は少なく、人力車の利用も危険だと考えられている。男性で混み合うバスや乗り合いバンを敬遠する女性は多く、ジャビーンさんのケースのように、家族が乗車を禁じることもある。

こうした問題は、パキスタンの女性の労働参加率が世界でも最低水準の一つである理由を説明する。世界銀行のデータによると、同率は2015年の約24%から低下し、2019年には23%となった。

しかし、運行頻度の高いバス、専用レーン、地下鉄のような駅、市内全域の接続性向上により、BRTは移動を安く、速く、より安全にした。

運賃の上限は約30パキスタン・ルピー(0.16ドル)で、特に低所得世帯の女性に人気だ。

トランスペシャワールの職員、ウメ・サルマさんは、以前は人力車と民間ミニバスで毎日通勤するのに往復280ルピーかかっていたと語った。運賃を大幅に節約できるだけでなく、毎日の通勤時間も短くなった。

「移動時間も毎日合計30分短縮できています」とサルマさんは語った。

「ラストマイル」の課題

しかし、改善の余地はまだあるとCERPのカーン氏は語った。

多くの乗客と同様、サルマさんも自宅とバス停の間を15分歩かなければならない。女性の移動を完全に安全にするには解決すべき「ラストマイル」の接続性の課題だと同氏は語った。

「質の高い公共交通機関への投資に加え、女性が自宅から目的地まで安全に移動できるようにする政策も必要です」と同氏は付け加えた。

街灯の不足、人通りの少ない場所での警察の巡回不足、歩行者用設備や公衆トイレの乏しさが、移動の最後の区間を危険にする可能性があると、女性の権利擁護活動家たちは指摘する。

BRTを新たに利用し始めたマディハ・シャキールさんにとって、バスだけでも生活を一変させる改善となった。

「一人で公共交通機関を使うことは決して許されませんでした。結婚後も、付き添いなしで外出するのが怖かったので、市場へ連れて行ってくれる夫を待っていました」と、バスに乗っていた専業主婦のシャキールさんは語った。

「どれほど解放された気持ちか、言葉では言い表せません」と同氏は話した。

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