女性が指導的役割を担う多様性の高いチームは、長期的な業績が優れています。
それでも、指導的役割に就く女性は依然として約4分の1にとどまっています。
ジェンダー平等に向けたトップダウンのコミットメント、スキル研修、家族に配慮した方針などの取り組みによって、この指導的役割における格差を解消できます。
世界各地で指導的役割におけるジェンダー格差が続いていることは、広く知られており、深刻です。世界の労働力の半数を女性が占め、大学卒業者の過半数も女性ですが、指導的役割に就く女性は約4分の1にすぎません。
世界経済フォーラムのGlobal Gender Gap 2020によると、昨年、世界の女性が占めた議会の議席はわずか25.2%、閣僚職は21.2%でした。報告書の対象となった153か国のうち68か国では、過去50年間に女性が国家元首を務めたことがあります。
指導的役割に就く女性の不足
企業でも、上層部における女性の代表性の低さが明らかです。最近の調査によると、米国では企業の取締役会に女性が加わる動きが進み、女性が占める議席の割合は2015年の18.9%から2019年には25.9%に上昇しました。しかし、取締役会の上級指導的役職に就く女性の割合は低いままで、2015年の7.4%から2019年の7.5%へとわずかに増えただけで、ほぼ変化はありませんでした。
政府や企業のリーダーは、ジェンダー不平等の構造的な原因に対処し、より多くの女性が指導的役割を担えるよう、直ちに行動しなければなりません。

指導的役割に就く女性を増やすうえでの障壁
調査によると、女性は性別によって固定化されたキャリアパスやサポート職にとどまり、必ずしも昇進につながらないことがよくあります。
また、コンピューターサイエンス、クラウドコンピューティング、データ、人工知能などのSTEM分野を含む、成長が最も速い職種や、賃金の伸びが最も顕著な職種で、女性の割合は依然として低いままです。
一般に女性は、昇進につながる可能性のある重要な責任や任務を任される機会が少ないことがよくあります。調査によると、女性は給与が低く、推薦を受ける機会も少ない傾向があり、これも指導的役割に就く女性の昇進を妨げる要因となり得ます。
さらに、ジェンダーに関する偏見が、指導的役割に就く女性に障壁を生み出します。こうした障壁には、管理職は男性の役割だという認識、採用や昇進における女性への固定観念、男性中心の企業文化などがあります。
指導的役割に就く女性を増やすためにできる5つのこと:
1. 女性が成長の鍵となる職位に就けるよう、人材パイプラインの構築にトップダウンで取り組む。候補者の半数を女性にすること、給与幅を公開すること、公正な報酬を約束することなどが挙げられます。たとえば、Salesforceは給与の見直しを実施し、公正な報酬を受けていなかった従業員の給与を調整しました。その対象者の大半は女性でした。
2. 企業は、女性が指導的役割を担うために必要なスキル、経験、メンターシップを得る機会を平等に確保しなければなりません。たとえば、HiltonはFortune誌の「2019年、女性にとって最も働きやすい大企業」ランキングで1位となり、従業員が研修を受講できるプログラムなどを設けています。
3. 男女が共に育児の責任を担えるよう、父親の育児休業も含めた、育児休業に関する支援策を整える。たとえば、フィンランドは最近、父親の育児休業を7か月に延長する計画を発表しました。Amazon、Microsoft、IBMなどの大手テクノロジー企業も、有給の育児休業を確保する取り組みを表明しています。
4. 柔軟で、家族に配慮した働き方も、より多くの女性が指導的役割に就くことを後押しします。たとえば、テクノロジー企業のDellは、柔軟な勤務形態やリモートワークの選択肢を幅広く提供しています。従業員がさまざまな時間帯に、一部または全期間リモートで働けるようにすることも含まれ、従業員に占める女性の割合を高める取り組みの一環となっています。
5. 女性の活躍を妨げる無意識の偏見に対処し、誰もが受け入れられる職場文化をつくることに注力する。経営コンサルティング会社のBain & Co.は、昇進希望の自己申告など、男性に有利になりがちな制度を避ける取り組みを進めています。
権力を担う女性の利点
上層部でのジェンダー平等は、最終的な利益の増加につながる可能性があります。意思決定の際により幅広い情報を活用する多様性の高い企業は、長期的な業績が優れています。調査では、経営幹部に女性がいると純利益率が上昇することが示されています。
上層部でジェンダー平等が進めば、ロールモデル効果[19]が生まれ、より多くの少女や女性が指導的役割を目指すよう促すとともに、指導的役割に就く女性に関する社会の無意識の偏見を打ち消すことにもつながります。
上級職で女性が平等な割合を占めてこそ、誰もがより包摂的で持続可能な未来を築くために、共に取り組むことができます。
この記事は当初、Media Planetに掲載されました。
