世界経済の強化にデジタル格差の解消が必要な理由

A girl from an underprivileged background learns to use a computer at Mashal School on the outskirts of Islamabad January 24, 2013. Pakistani street children who once had to wash cars or scavenge now study at Mashal School, a non-profit organisation which helps over 400 children, according to the organisation. REUTERS/Zohra Bensemra (PAKISTAN - Tags: SOCIETY EDUCATION POVERTY SCIENCE TECHNOLOGY)
With advanced and emerging economies moving fast to capture new opportunities created by technology, the digital divide is widening at an accelerating pace.Image: REUTERS/Zohra Bensemra
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クラウドコンピューティングから人工知能に至るまで、テクノロジーは世界経済の仕組みを変革し始めている。しかし、こうした変化が先進国の多くの人々を豊かにする一方で、発展途上国は取り残される危険にさらされている。グローバルサウスの経済的見通しを改善し、不平等のさらなる拡大を避けるには、発展途上国の政策立案者は、こうした変化が自国経済や世界経済における自国の位置づけに及ぼす影響を真剣に受け止めなければならない。

長年、「デジタル格差」はインターネット接続の有無という狭い観点から定義されてきた。しかし今日では、豊かな国の企業がテクノロジーを利用してグローバル・バリューチェーンへの支配力を強め、発展途上国で生み出される付加価値のより大きな割合を獲得するという形で表れている。

デジタル経済が世界に広がる様子。Image: Digital Evolution Index 2017、フレッチャー・スクール

例えば、近年のイノベーションが、ここ数十年に多くの国の発展を支えてきた輸出主導型の工業化戦略を脅かしていることを考えてみよう。発展途上国は、豊富で低コストの労働力を活用し、世界の製造活動に占める割合を高めることができた。これにより雇用を創出し、投資を呼び込み、場合によっては、より広範な工業化のプロセスに弾みをつけた。しかし、製造拠点を発展途上国へ移してコスト削減の機会を得た企業には、常にトレードオフがあった。海外生産では、消費者需要の変化に迅速に対応する能力が限られる。

今、テクノロジーは別の選択肢をもたらす可能性がある。「積層造形」、ロボット、その他の非人間的な手段に投資すれば、企業は生産拠点を最終市場に近づけることができる。例えばアディダスは、こうした技術の一部を活用し、靴の「スピードファクトリー」をドイツと米国に設置している。

同様に、デジタル技術によってサービスの国境を越えた販売が容易になり、国内のサービス提供者を保護する措置の執行がますます難しくなるにつれ、発展途上国の国内向けサービスは、世界的な競争の激化に直面する。こうした変化はまだ始まったばかりだが、グローバルサウスの多くの国が依拠する開発戦略にとって、長期的な脅威となる。

先進国と新興国がテクノロジーによって生まれる新たな機会の獲得を急ぐなか、デジタル格差は加速度的に広がっている。例えば中国は、百度やテンセントのような国内デジタル大手を育成するために保護主義的な産業政策を用いたが、現在では、これらの企業が新技術の開発をさらに進め、世界展開を目指すのを支援している。

同様に、欧州連合(EU)は「デジタル単一市場」や、ベンチャーキャピタル、高性能コンピューティング、クラウドコンピューティングなどの分野における新たな政策を通じて、テクノロジーへの投資を支援している。実際、「欧州クラウド」の構想も提唱されている。

現在、グローバルサウスにはこれに匹敵する枠組みがほとんど存在しない。これは変えなければならない。では、どうすればよいのか。

開発戦略の専門家はしばしば、貧しい国々にはデジタル経済に資源を割く余裕がないと指摘する。それはある程度事実だが、テクノロジー主導の経済動向を考慮しなければ、問題をさらに悪化させるだけだ。

実際、こうした動向は各国の開発戦略の中心に据えるべきだ。さらに地域レベルでは、テクノロジー主導の経済変化を分析し、それがもたらす機会を活用しながら関連する課題に対処する政策を設計する必要がある。

例えばアフリカでは、地域貿易の連携を発展させ、産業協力を強化するための取り組みが続いている。そこには、アフリカ大陸自由貿易圏(CFTA)構想やアジェンダ2063のような枠組みも含まれる。こうした取り組みには、デジタル変革戦略を盛り込むべきだ。この点に関する議論では、EUなど他地域の教訓を参考にすべきである。

これは、地元企業の事業拡大と国際競争力の向上を支援する、より幅広い取り組みの一環として行うべきだ。アフリカの革新的なスタートアップ・エコシステムへの期待が、長期的な成功を妨げかねない国内市場の小規模さや分断といった課題を覆い隠してしまうことは、あまりにも多い。

デジタル技術はすでに、発展途上国の多くの地域で有効に活用されている。データを活用した農業技術は生産者の収量向上に役立ち、モバイル金融は貧困地域の金融包摂を広げている。しかし、こうしたイノベーションだけでは、発展途上国が世界経済で後れを取るのを防げない。グローバルノースに追いつくには、政策立案者に新たな手段が必要となる。

こうした手段に投資するには、発展途上国は国際機関の支援も必要とする。例えば、デジタル経済を規律するルールをめぐる世界貿易機関(WTO)の協議を拡充し、世界の競争条件を平等にするための戦略も含めるべきだ。

発展途上国によるデジタル経済への投資を制限する資源面の制約を克服するのは容易ではない。しかし、それを怠れば、より大きな代償を払うことになる。発展途上国の指導者たちは、自国を持続可能な成長に向けて位置づけようとするなかで、明日の経済を形づくるテクノロジーの役割を見失わず、世界と地域の両方を見据えなければならない。

本稿は、シェフィールド大学のクリストファー・フォスターおよびハイメ・エチャバリとともに行った、デジタル貿易とその開発への影響に関する研究に基づいている。

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