COVID-19が米国の女性労働者に与えた影響

women likes these ones pictured here are an important part of the workforce
2.3 million women left the US workforce in 2020.Image: Unsplash/ LinkedIn Sales Solutions
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  • 世界的な化粧品会社の人事担当役員であるファリダ・メルセデスは、同社に17年間勤務していましたが、COVID-19の期間中に息子の育児をするため、仕事を辞めざるを得ませんでした。

  • パンデミックの最初の1年間に米国で労働市場から離脱した人のうち、53%を女性が占めており、彼女だけが例外だったわけではありません。

  • COVID-19は、米国の黒人女性やラテン系女性が直面する不均衡な困難も浮き彫りにしました。

  • テキサス大学の政治学者であるビクトリア・デフランチェスコ・ソトは、パンデミックにより女性が直面している課題についてインタビューを受けました。

  • このインタビューでは、女性にとって有益であり、ジェンダー平等を促進する支援の仕組みや施策について説明しています。

COVID-19のパンデミックが始まった頃、世界的な化粧品会社の人事担当役員であるファリダ・メルセデスは昇進の直前にいました。同社には17年間勤務していました。6歳と7歳の息子たちは、オンライン授業という新たな課題を乗り越えるために、フルタイムで付き添う親を必要としていました。メルセデスと、矯正施設職員である夫は、授業時間中に子どもたちを手助けするためにどちらが仕事を辞めるかについて話し合うことはありませんでした。「その負担は私が引き受けました。夫はとても協力的でした」と彼女は語ります。「でも、それは疑問の余地のないことでした。」

メルセデスは、2020年に米国の労働市場を離れた230万人の女性の一人です。パンデミックの最初の12か月間で、女性は米国の労働市場からの離脱者の53%を占めました。また、米国労働統計局の2021年4月の雇用報告書では、懸念すべき傾向が明らかになりました。その月に増加した米国の雇用32万8,000件のうち、純増の102%は男性によるものでした。

ファリダ・メルセデスは、2020年に労働市場を離れる前は人事担当役員でした。Image: マッキンゼー・アンド・カンパニー

COVID-19の危機により、米国の黒人女性やラテン系女性が直面する不均衡な困難は、特に大きく拡大しました。2021年1月時点で、米国のラテン系女性の11人に1人近く(8.8%)が失業しており、この集団の失業率は最も高くなっていました。2 また、米国の黒人女性の12人に1人以上(8.5%)が失業していました。

時短勤務や勤務時間の変更など、雇用主が提供する柔軟な働き方があっても、女性がフルタイムの育児と仕事という二重の負担のバランスを取ることが必ずしも容易になるわけではありません。これは、家族の主な稼ぎ手または唯一の稼ぎ手である母親にとって特に当てはまります。そうした母親は、黒人家庭の最大68%、ラテン系家庭の41%を占めています。3 実際、パンデミック以前から、マッキンゼーの調査では、ヒスパニック系およびラテン系女性は、子どもを含む家族の世話に、男性と比べて2.7倍の時間を費やしていることが分かりました。また、ヒスパニック系およびラテン系女性が家事を行う確率も、男性の2倍であることが分かっています。

家族の責任に対応するために有償労働の時間を減らした女性は、賃金、福利厚生、昇進の機会を失うリスクがあるほか、睡眠時間も失いかねません。一時的に休職することも、女性のキャリアを後退させる可能性があります。出産後に1年間仕事を休んだ女性は、休まなかった女性よりも収入が少ないことが、いくつかの研究で示されています。4

パンデミックの期間中、働く母親はどのような選択に直面しているのでしょうか。そして、文化的規範、職場の方針、社会経済的要因は、そうした選択にどのように影響しているのでしょうか。これらの重要な問いについて知見を得るため、マッキンゼーは、メルセデスと、テキサス大学オースティン校の政治学者であり、2児の母親でもあるビクトリア・デフランチェスコ・ソト博士に話を聞きました。デフランチェスコ・ソト博士は、報告書「2020年の「シーセッション(女性不況)」からのアメリカの回復:育児と仕事における女性の未来の構築」の共著者でもあります。以下は、会話を編集した抜粋です。

マッキンゼー:デフランチェスコ・ソト博士、現在の景気後退を「シーセッション」と呼んでいますね。説明していただけますか。

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:従来、景気後退では男性が最も大きな打撃を受けてきました。しかし今回は、女性がこれほど大きな影響を受けた初めてのシーセッションでした。最新の雇用統計によると、男性は雇用を増やしている一方で、女性は失っています。大幅な増加ではないものの、男性は雇用を増やしているのです。

マッキンゼー:ファリダさん、オンライン授業で子どもたちをサポートしながら、フルタイムで働き続けられないと気づいたのはいつですか。

ファリダ・メルセデス:夏の初めには、もう大変だと感じていました。いろいろなことが起きていました。パンデミックに加えて、「Black Lives Matter」運動も起きていました。とても大きなストレスでした。子どもたちが学校に戻る9月が近づいたとき、私はついに「もう何か別のことを手放さなければならない」と言いました。子どもたちがフルタイムで学校に戻ることはないと分かっていたからです。

その瞬間は、昨日のことのように覚えています。階下に降りると、母がそこにいました。母が何か冗談を言い、私は笑い始めました。息子が私を見て、「わあ、ママ、ずいぶん長い間笑っているのを見ていなかったよ。幸せそうだね」と言いました。母と私は顔を見合わせ、私は「何かをしなければならない。このままでは子どもたちのそばにいてあげられない。子どもたちは幸せな母親を見ていない」と言いました。

その瞬間から、私が雇用主に「辞めます」と伝えられるまでに3週間かかりました。私は考え、疑問を抱きました。本当に正しい決断なのだろうか。経済的にこれが可能なのだろうか。

私の仕事は、私のアイデンティティの一部でした。これまで知ってきたこと、努力して築いてきたこと、昇進してきた地位、成し遂げてきたことすべてが、完全に失われる、あるいは止まってしまうように感じました。そして、私は何者になるのだろうか。今でも、4か月たった今も、時々そのことに疑問を感じます。正しい決断をしたとは分かっていますが、自分自身に疑問を抱いているのです。

私は自分を見失ったように感じています。職場で影響力を持ち、活発に議論していたことが懐かしいです。今は、2年生の子どもに「あの読書の宿題はやったの?」と話したり、幼稚園児に「物語のために海の色を塗ったか確認した?」と声をかけたりしています。

マッキンゼー:文化的規範は、男性よりも女性に労働市場を離れるようより強い圧力をかけていますか。

ファリダ・メルセデス:女性は、職場で男性が受けてきたような支援を一度も十分に受けてこなかったと思います。私はとても伝統的なラテンアメリカの文化の中で育ちましたが、自分では非常に進歩的だと感じています。幼い頃から、男性に頼ってはいけないと教えられてきました。自分の仕事を持ち、キャリアを築きなさい、と。それは私にとってとても大切なことでした。だからこそ、17年間の役職を辞めることは、非常に、非常に困難だったのです。

今は、子どもたちがZoomで授業を受けている間、毎日一緒に過ごしていますが、それまでの仕事を続けながら子どもたちをサポートすることは不可能だったと実感しています。夫はそのような役割を担ったことがありません。学校や病院への付き添いなど、そうしたことはいつも私がしてきました[原文どおり]。ですから、それは話し合うまでもないことでした。「あなたがその決断をしなさい。子どもたちを支えるためにそうする必要があるなら、それはあなたの役割です」という形でした。

家事に関しては、不平等が明らかになっています。Image: マッキンゼー・アンド・カンパニー

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:子どもを持つ母親として、経験的に、文化的な思い込みという観点から話すことができます。また、私自身がラテン系であることも付け加えておきたいと思います。ラテンアメリカの文化には、より厳格なジェンダー規範があります。ラテン系女性がシーセッションによって最も大きな打撃を受けてきたことに加え、こうしたジェンダー規範が存在することは、女性、特に有色人種の女性にとって、まさに災いの種となっています。だからこそ、こうした議論のすべてにおいて、文化、人種、多様性という視点を取り入れることが重要だと考えています。

マッキンゼー:今後も労働市場を離れる女性の割合は上昇し続けると思いますか。

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:はい、そう思います。夏の間、YWCAのために報告書[2020年の「シーセッション(女性不況)」からのアメリカの回復:育児と仕事における女性の未来の構築]を執筆しました。6月に引き受けたのですが、育児の手助けはなしで、ですよね?そのため、中断されない1時間半から2時間の作業時間を確保するために、午前4時に起きていました。私はもともと早起きで、自分を追い込むこともできます。しかし、あまりにも疲れ果て、体力も落ちてしまい、実際にはCOVID-19に感染していなかったのに、感染したと思うほどになりました。

それは一つのプロジェクトの影響でした。しかし、次々と高いプレッシャーのかかるプロジェクトをこなさなければならない場合、そのペースを維持することはできません。身体的にも精神的にも、あるいはその両方で限界を迎えてしまうでしょう。私たちはもうしばらくの間、バーチャルな環境で仕事をすることになります。状況が元に戻るまでは、持続不可能なペースのせいで、女性が限界を迎えるのを目にすることになるでしょう。

マッキンゼー:男性よりも高い割合で女性が労働市場を離れることは、どのような影響をもたらしますか。

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:女性にとっての影響は、その社会経済的地位(SES)[社会経済的地位]やスキルによって異なります。なぜなら、昇進はキャリアの軌跡によって決まることを私たちは知っているからです。そして、キャリアに空白期間が生じると、その負の連鎖が始まる可能性があります。12月の雇用統計を見ると、一部の論評にあるように、女性の雇用喪失に終わりが見えないことを考えると、これは負の連鎖です。その言葉が真っ先に頭に浮かびます。職場に復帰できる女性であっても、以前と同じ程度までキャリアを進めることはできないでしょうから。

サービス業に従事し、社会経済的地位の低い女性については、再び雇用されないのではないかと心配しています。パンデミックと自動化の影響が重なっていることを見ると、こうした仕事の多くはすでに淘汰の対象となっていたからです。強力な再技能化・再訓練プログラムが打ち出されない限り、社会経済的地位の低い女性の多くが、再び安定した雇用を見つけられないのではないかと非常に心配しています。

これは長期的な影響をもたらすでしょう。今この瞬間や次の四半期、あるいはその次の数四半期だけの問題ではありません。これは10年から20年にわたる問題です。

マッキンゼー:これほど多くの女性が労働市場を離れることによる、経済と家族にとっての将来的なコストはどのようなものだとお考えですか。

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:それは多くの面で、多大でコストのかかるものになるでしょう。まず、給与、つまり失われた収入があります。これが最も中心的な問題だと思います。しかし、長期的な損失と利益についても考えることが非常に重要だと思います。つまり、私たちが退職に向けて計画してきたこと、たとえば社会保障制度への拠出や、401(k)や403(b)への積み立てなどは、[変わってしまうでしょう]。私たちは、単純にそれを手にできなくなるのです。女性は今まさに痛みを感じていますが、最終的にはマクロレベルでも私たちすべてを傷つけることになる、と多くの人が認識することが重要だと思います。

最初に述べた、人種と民族の視点を取り入れるという点に戻りたいと思います。最も大きな打撃を受けた女性は、パンデミックが起こる以前から、すでに最も厳しい状況にあった女性たちだからです。収入の面でも、資源へのアクセスの面でも、彼女たちはすでに非常に不安定な立場にありました。そして今回の危機によって、彼女たちは回復することのできないかもしれない状態へと押し戻されてしまった可能性があります。

マッキンゼー:家族が男性と同じ割合で労働市場に復帰できるよう、どのような施策が支援に役立つでしょうか。

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:COVID-19以前から、育児にかかる費用や育児サービスの利用可能性という点で、私たちの育児制度はそもそも機能していませんでした。今、それは崩壊しつつあります。そのため、育児休業制度に加えて、ほぼ普遍的な育児支援に近いような、抜本的な改革が必要だと考えています。これらはすべて一体のものです。

また、社会経済的地位の低い女性に対して、職業訓練が必要だと考えています。彼女たちの再技能化や再訓練は、行うべき投資なのです。

マッキンゼー:女性への社会的支援制度が不足しているのは、米国特有の問題なのでしょうか。

ビクトリア・デフランチェスコ・ソト:はい。そして、それは恥ずべきことです。OECD加盟国の仲間たちを見ると、育児支援や育児休業制度の面で、私たちはいつも最下位グループにいます。[米国は、就学前教育・保育への支出について、OECD加盟39か国中37位です。5 育児費用は、夫婦2人で働く家庭の所得の最大25%、ひとり親家庭の所得の最大50%に上ります。]

ファリダ・メルセデス:まさにその通りです。私自身にとっても、労働市場に復帰することはこれまで以上に難しくなるでしょう。1年間休職したら、戻ったときにどうなるのでしょうか。ゼロからやり直すことになるのでしょうか。以前の役職や地位が今も認められるのでしょうか。それとも、単にアシスタント・バイス・プレジデントとして戻ることになるのでしょうか。復帰を決めたとき、それは何を意味するのでしょうか。そして、国として、また労働力として、私のように復帰しようとする女性をどのように支えているのでしょうか。

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