再生可能エネルギーの成長を促す主な要因とは

Wind farms have a major role in accelerating the growth of renewable energy.
Wind farms have a major role in accelerating the growth of renewable energy.Image: UNSPLASH/Luo Lei
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  • 近年の再生可能エネルギーの急速な成長により、気候変動の最悪の影響を回避できる可能性が高まっています。

  • 昨年、太陽光と風力を合わせると世界の発電量の8.7%を占めました。2010年の1.7%から増加しています。

  • 予測モデルでは、太陽光と風力の成長は直線的であると想定されることが多いものの、実際には指数関数的に成長していることが証拠から示されています。

  • 本稿では、太陽光と風力の成長の背景にある理由と、この成長をさらに加速させる方法について考察します。

近年の太陽光と風力発電の急速な成長は、温室効果ガス排出量を削減し、気候変動の最も危険な影響を抑制するという世界的な取り組みに希望をもたらしました。

2010年には、太陽光と風力を合わせても世界の発電量の1.7%にすぎませんでした。昨年には8.7%にまで上昇しました。これは、主流のエネルギーモデルでそれ以前に予測されていた水準をはるかに上回るものです。例えば、2012年に国際エネルギー機関(IEA)は、世界の太陽光発電量が2030年に550テラワット時に達すると予想していましたが、その数値は2018年にすでに超えられました。これらのモデルでは、太陽光と風力の成長は直線的であると想定されることが多いものの、現実には指数関数的に成長してきました。

過去における再生可能エネルギーの指数関数的な成長を理解することで、将来、気候目標を達成するためにどれほど速く拡大できるかについて、より楽観的な見方を持つことができます。本記事では、太陽光と風力の成長の背景にある理由、これまでにどれほどの進展があったか、そしてさらなる前進のために何が必要かを解説します。

再生可能エネルギーの成長の背景にある理由

再生可能エネルギーの爆発的な普及において、最も大きな要因となったのはコストの低下です。2010年以降、太陽光発電の電力コストは85%低下し、陸上風力および洋上風力の電力コストもそれぞれ約半分に削減されました。これら2種類の再生可能エネルギー源は、現在では化石燃料による電力と価格競争力を持つようになっています。

コストが劇的に低下したのは、正のフィードバックループによるものです。再生可能エネルギー技術の導入が進むほど、規模の経済や競争力のあるサプライチェーンなどの要因により、その技術は安価になります。こうしたコストの低下がさらなる導入を促します。例えば過去10年間に、世界全体の太陽光発電設備容量が倍増するたびに、太陽光発電設備の設置価格は34%低下しました。再生可能エネルギー技術はモジュール化され標準化されているため、ある地域で実現したコスト改善や技術的進歩は、他の地域にも速やかに普及させることができます。

再生可能エネルギーの導入に関するその他の側面も、自己強化的な性質を持っています。再生可能エネルギーの人気が高まり、政治的影響力を拡大し、より多くの資金を引き付けるにつれて、さらなる政策支援や資金調達を活用しやすくなります。投資家が再生可能エネルギーの技術的リスクやプロジェクトリスクにより精通するにつれて、資本コストは低下しています。さらに、再生可能エネルギーの普及は社会的に伝播する性質があることを示す証拠もあります。ある家庭が屋根に太陽光発電を設置すると、それを目にし、話題にした近隣住民が、自ら屋根に太陽光発電を設置する可能性が高まるのです。

政策支援も再生可能エネルギーの成長に不可欠でした。再生可能エネルギーに対する税額控除や補助金、固定価格買取制度(FIT)、競争入札はいずれもコストの削減と導入の促進に寄与してきました。また、政府による研究開発への投資は、再生可能エネルギー分野におけるイノベーションを促進する上で欠かせないものでした。中国、欧州、米国は、政策支援を通じて太陽光と風力の分野で主導的な地位を確立しており、世界では165か国が再生可能エネルギーを拡大するための目標を設定しています。その取り組みは国に限りません。世界の600以上の都市が、再生可能エネルギー100%の目標を掲げています。

再生可能エネルギーの成長の経緯

風力発電は2000年代初頭に初めて本格的に普及し、太陽光発電はその約10年後に普及が始まりましたが、現在は風力発電よりもさらに速いペースで成長しています。再生可能エネルギーの成長を促す要因は構造的なものですが、特定の重要な節目は、より大きな潮流を反映するか、再生可能エネルギーの普及における転換点として機能してきました。

これらは、再生可能エネルギーの成長の背景にある主な要因です。Image: 世界資源研究所(WRI)
再生可能エネルギーの成長に向けた取り組みの経緯。Image: 世界資源研究所(WRI)

S字カーブ成長の力学について

気候行動トラッカー(Climate Action Tracker)による2020年の報告書には、地球温暖化を安全な水準に抑制するための再生可能電力の割合に関する世界的な脱炭素化目標が含まれています。1.5度の経路に沿うためには、再生可能エネルギーは2030年までに世界の電力の55~95%、2050年までに98~100%に達する必要があり、太陽光と風力が主要な割合を占め、その他の再生可能エネルギーがそれを補完することになります。これらの目標は、国連ハイレベル・チャンピオンズによるRace to Zeroキャンペーンと密接に関連しています。同キャンペーンは、変化を促進できる画期的な行動と意欲的な目標について、主要な分野の関係者の足並みをそろえる取り組みを進めてきました。また、COP26に先立ち11月に発表される「2021年気候行動の現状」報告書とも関連しています。

これほど高い水準の再生可能エネルギーの達成は困難に思えるかもしれませんが、再生可能エネルギーの指数関数的な成長の力を考慮すれば、それほどではありません。世界の発電量に占める太陽光と風力の市場シェアは、2015年から2020年にかけて年平均複合成長率15%で拡大しました。この成長率で指数関数的な成長が続けば、太陽光と風力は2030年までに発電量の45%、2033年までに100%に達すると見込まれます。

問題は解決したのか? そう単純ではありません。歴史的に、指数関数的に成長している技術には「最高速度」があります。これは、達成される最大成長率のことであり、しばらく持続した後、普及率が100%に近づくにつれて減速していきます。このパターンはS字カーブとして知られています。

新たな論文がNature Energyに掲載され、最も先行しており、太陽光または風力のS字カーブの最も急峻な部分にすでに到達している国々を調べることで、太陽光と風力エネルギーの成長における「最高速度」を明らかにしようとしています。

同論文によると、太陽光の成長が最大成長率で安定している国々では、その成長率は平均して電力供給総量の年0.6%でした。これは、同論文自身の基準に基づく、パリ協定の1.5度目標を達成するために世界全体で必要とされる年率1.4%を下回っています。成熟した太陽光市場を持つ国の中で、必要とされる水準を上回る最大成長率を記録したのはチリのみです。

一方、陸上風力の成長が最大成長率で安定している国々では、その成長率は平均して電力供給総量の年0.8%でした。これは、世界全体で必要とされる年率1.3%を下回っています。成熟した風力市場を持つ国のうち、必要とされる水準を上回る最大成長率を記録したのは、アイルランド、ポルトガル、ブラジルを含むごく一部の国に限られています。

こうした国々の例は、再生可能エネルギーの急速な成長を実現できることを証明しています。しかし重要なのは、高い最大成長率を維持し、条件に恵まれた一部の国だけでなく、世界全体でそれを実現することです。

再生可能エネルギーは今後どうなるのか?

明確な勢いがあるものの、再生可能エネルギーの成長はさらに加速させる必要があるように見えます。どれほどの加速が必要かについては、依然として多くの不確実性が残っています。

以下の図は、地球温暖化を1.5度に抑えるために必要な気候目標を、太陽光と風力がどのように達成し得るかについて、一つの潜在的な経路を示しています。これは目標を達成するためのS字カーブの唯一の形状ではなく、必ずしも最も可能性が高いものでもありませんが、必要とされるものの全体像を示すものです。

このS字カーブは、パリ協定の目標を達成するために必要な再生可能エネルギーの成長を示しています。Image: 世界資源研究所(WRI)

再生可能エネルギーの導入がS字カーブに沿い、パリ協定の目標を達成するのに十分な速さで成長するよう、さらなる政策支援が必要です。この分野でまだ先導的な立場にない国を含むすべての国は、迅速な導入を奨励し、コストの削減を継続する必要があります。

政府は、再生可能エネルギーの利用に関する目標と要件を設定すべきです。現在、こうした目標や要件は電力部門で最も一般的ですが、冷暖房、産業、運輸などの他の最終用途部門にも適用されるべきです。また政府は、例えば長距離送電線への投資や新たなエネルギー貯蔵技術の導入などを通じて、再生可能エネルギーに対応するための電力網の柔軟性を高める必要もあります。

克服すべき課題は多いものの、非線形の変化は強力な力となります。もし10年前にタイムスリップできたとしたら、エネルギー業界の専門家は、再生可能エネルギーのコストがどれほど低下したか、また再生可能エネルギーの年間導入量がどれほど4倍に増えたかを聞いて驚くことでしょう。2030年には、私たちはどれほど驚くことになるでしょうか? それは、今日私たちが何をするかにかかっています。

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