エネルギー業界が直面する三重の課題と、その対応

The energy industry is under pressure in the midst of its green transition
The energy industry is under pressure in the midst of its green transitionImage: Photo by Abby Anaday on Unsplash
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  • エネルギー業界は3つの課題に直面している。ウクライナ戦争でエネルギー安全保障が注目され、石炭生産が増加し、エネルギー価格が上昇している。

  • エネルギー業界を対象としたこの世界調査は、こうした三重の課題がもたらす影響と、業界がどう対応しているかを明らかにする。

  • しかし、クリーンエネルギーへの投資は続いている。

エネルギー業界は三重の課題に直面している。ロシアによるウクライナ侵攻は、エネルギー安全保障の脆弱さを露呈させ、エネルギー業界と世界全体にその影響を及ぼした。石炭火力発電所が再稼働し、再生可能エネルギー事業は圧力にさらされている。そして、エネルギー消費者はエネルギーコストの負担を迫られている。この三重の課題もまた、変化の途上にある。エネルギー業界にとって複雑で困難な一年となるなか、この課題が優先事項の競合を招いている。しかし、脱炭素化されたエネルギーシステムでは、エネルギーの持続可能性、手頃な価格、安全保障がすべて同じ方向を向く。官民両セクターは、規模拡大と実行に向けた新たなアプローチによって、この三つの課題を解決できる。

DNVはこのほど、第13回世界調査を実施した。対象はエネルギー分野の上級専門家1,300人超で、電力、再生可能エネルギー、石油・ガス、エネルギー消費産業のリーダーへの詳細なインタビューも行った。この調査では、今後一年における世界のエネルギー業界の見通し、意識、優先事項を探っている。石油・ガス生産者や再生可能エネルギー発電事業者から、電力セクター、エンドユーザーまで、バリューチェーン全体が参加している。

2023年のエネルギー業界の主な調査結果

エネルギー業界にとって複雑で困難な一年となるなか、三重の課題が優先事項の競合を招いている。Image: DNV『Energy Industry Insights 2023』

エネルギー業界にとって複雑で困難な一年となるなか、三重の課題が優先事項の競合を招いている。業界で、自国の事業展開地域におけるエネルギーシステムのあらゆる分野に、安全でクリーンかつ手頃な価格のエネルギーを今後10年以内に届けられると考える人は少ない。調査で最も懸念される結果の一つは、組織の脱炭素化目標の達成に楽観的な人がわずか39%にとどまり、29%もの人がこの目標に悲観的であることだ。

市場は移行に追いつこうとしている

エネルギー業界の成長を阻む主な障壁。Image: DNV『Energy Industry Insights 2023』

新型コロナウイルス感染症のパンデミックとエネルギー危機を経て、エネルギー転換は加速した。その結果、市場は送配電システム、サプライチェーン、許認可、資金調達、インフラ、人材のあらゆる面で、変化に追いつこうとしている。障壁によって今後一年のエネルギー転換のペースが鈍る可能性はある。しかし、気候危機とエネルギー危機の影響を社会がますます実感し、進展を妨げるボトルネックが深刻化するなか、こうした障壁を乗り越える機運も高まっている。

エネルギー業界全体で楽観的な見方は根強いが、景況感が改善したのは石油・ガスセクターだけだ。

エネルギー業界全体で楽観的な見方は根強いが、景況感が改善したのは石油・ガスセクターだけだ。Image: DNV『Energy Industry Insights 2023』

石油・ガス、利益はピークに達したか

石油・ガス業界では、記録的な一年を経て同セクターにとって許容可能な利益水準の見極めが進み、今後一年の石油・ガス投資への期待が高まっている。石油・ガス企業は、事業の中核である炭化水素分野以外への進出を減速させ、2022年と比べて脱炭素化への注力を弱めている。

脱炭素化を追い風に再生可能エネルギーが躍進

電力網の容量、エネルギー価格の変動、インフレ、サプライチェーンの機能不全、規制上の煩雑な手続き、関連インフラ事業の遅れといった課題があるにもかかわらず、再生可能エネルギーセクターは急速に拡大している。

受賞歴のある発明品は、交通量の多い道路から再生可能エネルギーを活用する。
受賞歴のある発明品は、交通量の多い道路から再生可能エネルギーを活用する。
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圧力にさらされる電力業界

今後一年の業界成長に楽観的な電力業界の回答者の割合は、大幅に低下した。現在は半数が、長期戦略より短期戦略に重点を置いていると回答しており、前年の34%から増加している。

一方、エネルギー業界では、クリーンエネルギーの供給源、エネルギーキャリア、実現手段への投資拡大が強く見込まれている。調査に参加したエネルギー専門家の半数は、今後一年に自組織が低炭素水素・アンモニアに投資すると予想している(52%)。風力(49%)と太陽光(46%)も同程度の割合だ。3分の1を超える回答者(37%)は、自組織が炭素回収・貯留(CCS)への投資を増やすと予想する一方、57%は今後5年間でCCSが急速に拡大すると述べている。

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