私たちの知る原子力とは違う。核融合が世界に電力をもたらす可能性

The Unterweser nuclear power plant is pictured in Stadland (Rodenkirchen) near Bremerhaven July, 23 2007. REUTERS/Morris Mac Matzen (GERMANY) - RTR1S6V9
If it works, fusion power offers vast amounts of clean energy with a near limitless fuel source and virtually zero carbon emissions.Image: REUTERS/Morris Mac Matzen
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化石燃料への依存を断ち切り、増え続けるエネルギー需要を満たそうと苦闘する世界で、開発中のある技術は、あまりに都合のよい話に聞こえるほどだ。核融合である。

実現すれば、核融合発電は、ほぼ無尽蔵の燃料源を使い、炭素排出を事実上ゼロに抑えながら、膨大なクリーンエネルギーを供給できる。もっとも、実現すればの話だ。しかし、実現に向けて世界各地の研究チームが取り組み、数十億ドルが投じられている。

昨年2月、核融合エネルギー研究の新たな章が、正式に開設されたヴェンデルシュタイン7-X。これはドイツのグライフスヴァルトに建設された、10億ユーロ(14億豪ドル)の実験用核融合炉で、ステラレーターと呼ばれる炉の設計を検証するためのものだ。

2021年ごろまでに、最長30分間の運転が可能になる計画で、これは核融合炉として記録的な長さとなる。これは、将来の核融合発電所に不可欠な特徴である連続運転の実証に向けた重要な一歩だ。

しかし、核融合をめぐる取り組みはW-7Xだけではない。フランス南部では、ITERが建設中だ。異なる方式のトカマクを採用した、200億米ドル(267億豪ドル)の実験用核融合炉である。W-7XとITERは異なる設計を採用しているが、両プロジェクトは互いを補完する。片方で生まれた技術革新は、いずれ実用的な核融合発電所の実現につながる可能性が高い。

紆余曲折

核融合エネルギーは、太陽を輝かせている反応の再現を目指す。水素やヘリウムのような非常に軽い原子が2つ融合する反応だ。融合後の原子は、元の2つの原子よりわずかに軽くなり、その質量差がアインシュタインの公式E=mc²に従ってエネルギーに変換される。

難しいのは、2つの原子を融合させることだ。そのためには、原子を数百万℃まで加熱する必要がある。これほど高温の燃料を閉じ込めるのは容易ではないため、燃料を高温の電離ガス、つまりプラズマにする。プラズマは磁場の中に閉じ込められ、炉の内壁に直接触れないようにできる。

W-7Xがとりわけ興味深いのは、ステラレーター方式を採用している点だ。真空容器が、70個の超伝導磁石コイルからなるシステムが作り出す磁気ボトルの中に収められている。これらのコイルは、高温プラズマを閉じ込める強力な磁場を生み出す。

Image: ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス

ステラレーターとトカマクは、いずれも核融合発電に向けて研究されているトーラス型(ドーナツ形)の磁場閉じ込め装置だ。これらの実験では、強いトーラス型(リング状)の磁場が磁気ボトルを作り、プラズマを閉じ込める。

しかし、ドーナツ形の容器内でプラズマを良好に閉じ込めるには、磁場にねじれが必要だ。ITER炉のようなトカマクでは、プラズマ内に大電流を流して必要なねじれた経路を作る。ところが、大電流は「キンク」不安定性を引き起こし、プラズマを不安定化させるおそれがある。

プラズマが不安定化した場合、プラズマを消し、実験装置の損傷を防ぐため、炉内をガスで満たす必要がある。

ステラレーターでは、装置全体をねじることで磁場にねじれを持たせる。これにより大きなトーラス電流が不要になり、プラズマは本質的により安定する。その代わり、磁場コイルの設計が複雑になり、閉じ込め性能も低下するため、プラズマを磁気の泡の中に閉じ込めにくくなる。

力を合わせる

W7-XとITERは異なる方式を採用しているが、基盤となる技術の大半は同じだ。どちらもトーラス型の超伝導装置であり、プラズマの加熱には高周波や中性粒子ビーム入射などの外部加熱システムを使う。また、プラズマ診断技術の多くも共通している。

発電所では、水素の重い同位体(重水素と三重水素)が融合し、ヘリウムと高エネルギー中性子を生み出す。ヘリウムはプラズマ内に閉じ込められる一方、電荷を持たない中性子はプラズマを囲む「ブランケット」へ飛び出す。中性子がブランケットを加熱し、その熱で蒸気タービンを駆動して発電する。

核融合発電に共通する課題の一つは、核融合反応で生じる高熱と高速中性子に耐えられる材料を開発する必要があることだ。設計にかかわらず、核融合炉の第一壁は、その寿命を通じて高エネルギー粒子の激しい照射に耐えなければならない。

現時点では、ITERが採用するトカマク方式と、W-7Xが採用するステラレーター方式のどちらが商用核融合発電所に適しているかを判断するには早すぎる。しかし、W-7Xの研究運転開始は、どの技術を追求するのが最善かを見極める助けとなるだけでなく、将来の核融合実験に貴重な知見をもたらし、いつか真のエネルギー革命につながるかもしれない。

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