熱波の中で太陽光パネルの発電効率が低下するのはなぜ?

Solar panels heatwaves
Extreme heat can be bad for solar panels.Image: Unsplash/ American Public Power Association
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  • 熱波の中、ドイツをはじめとする各国で太陽光発電量が過去最高を記録しました。

  • しかし、米国の太陽光発電設備供給会社によると、過度の暑さも太陽光パネルに悪影響を及ぼし、効率を10%-25%低下させる可能性があります。

  • 国際再生可能エネルギー機関によると、2050年までに再生可能エネルギーが世界の電力の5分の4を供給する可能性があります。

  • 太陽光発電企業はすでに、極端な気象条件への耐性を高める太陽光パネル技術の開発を進めています。

熱波は太陽光発電に好都合ですよね?

そうとも言えますが、そうでない面もあります。

最近の暑さで、太陽光発電量が過去最高を記録しました。

ドイツは太陽光発電量の新記録を樹立し、英国では太陽光発電が国内の電力需要の最大4分の1を賄いましたと、ニュースサイトEnergy Live Newsは伝えています。

しかし、過度の暑さは実際には太陽光パネルに悪影響を及ぼすことがあります。

極端な暑さは太陽光パネルにどのような影響を与えるのでしょうか?

CED Greentechによると、暑さは太陽光パネルの発電能力を「著しく低下」させる可能性があります。同社は米国の太陽光発電設備供給会社です。

設置場所によっては、高温により太陽光パネルの出力効率が10%-25%低下する可能性があると同社は述べています。

米国の再生可能エネルギー情報サイトEnergySageによると、太陽光パネルは試験される温度が25°C (77°F)で、通常の動作温度範囲は15°Cから35°Cです。太陽光を電気に変換する電子機器である太陽電池は、複数を接続して太陽光パネルを構成します。この温度範囲内で、最も効率よく発電します。

しかし、太陽光パネルの温度は65°C (149°F)に達することもあるとEnergySageは述べています。これは太陽電池の効率に影響を及ぼす可能性があります。

猛暑の中で太陽光パネルの性能が低下するのはなぜ?

太陽光パネルに対する暑さの影響は、熱力学の法則、つまり熱とその影響に関する科学に関係しています。

太陽光パネルが発電する電気は、電気回路内を流れる電子と呼ばれる粒子によって生み出されると、ニュースサイトEuronewsは説明しています。

気温が急上昇すると、電子が動き回りすぎることがあり、電圧、つまり発電量が低下します。

暑さが過度になると、気温が摂氏1度上昇するごとに、太陽光パネルの効率も0.5パーセントポイント低下します。

過熱する太陽光パネルにはどのような対策ができるのでしょうか?

太陽光発電システムの設計にあたり、設置業者は年間を通じて屋根がどの程度の高温になるかを考慮します。

暑さの影響を軽減する方法には、太陽光パネルを屋根から数インチ浮かせて設置することがあるとCED Greentechは説明しています。こうすると空気が流れ、パネルを冷やせます。

明るい色の反射素材で作られた太陽光パネルを使うことも、吸収する熱の量を減らすのに役立ちます。

太陽光パネルを動作させる電子部品をパネルの裏側の日陰に設置すれば、過度の高温を防ぐのに役立ちます。

猛暑はほかのエネルギー源にも影響するのでしょうか?

高温の影響を受けるエネルギーシステムは太陽光パネルだけではありません。

熱を電気に変換する原子力発電所などの火力発電所も影響を受けることがあります。

雑誌Fortuneの取材に応じた専門家によると、石炭火力、ガス火力、原子力を問わず、あらゆる火力発電所は冷却のために膨大な量の水を必要とします。

Fortuneによると、フランスでは熱波で気温が上昇し、原子炉の冷却に使う近隣のローヌ川の水が温まったため、原子力発電所2カ所の発電量が減少しました。

気温の上昇は何を意味するのでしょうか?

大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスの増加によって地球の気温が上昇し、世界各地で熱波の頻度と強度が増しています。

かつてない熱波が今年、インド、パキスタン、オーストラリア、欧州、北アフリカ、米国などの国や大陸で気温記録を更新しています。

世界経済フォーラムのブログで、気候変動の専門家ボブ・ワード氏は次のように述べています。「温室効果ガスの濃度が上昇し続けるなか、熱波の脅威はさらに高まっていきます。」

温室効果ガス排出量の削減とともに、気候変動に適応できるようインフラや地域社会を整えることは、気候危機への取り組みに欠かせません。

気候変動への適応には投資が必要です。国連環境計画は、開発途上国だけでも、気候変動への適応にかかる費用は2030年までに年間1,400億~3,000億ドル、2050年までに年間2,800億~5,000億ドルになると推計しています。

2021年、風力発電と太陽光発電が世界のエネルギーの10%という記録的な割合を供給した。
2021年、風力発電と太陽光発電が世界のエネルギーの10%という記録的な割合を供給した。
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再生可能エネルギー産業にとって、これは何を意味するのでしょうか?

産業界における気候変動への適応には、異常気象の激甚化など、気候変動の影響に対する耐性を高めるために製品やシステムを再設計することが含まれます。

太陽光発電業界はすでに、最も過酷な環境でも太陽光パネルが機能するようにする技術革新を進めています。研究者たちは、太陽光パネルが夜間に機能する可能性についても探っています。

太陽光発電業界はすでに、最も過酷な環境でも太陽光パネルが機能するようにする技術革新を進めています。Image: IRENA

太陽光発電を含む再生可能エネルギーは、すでに気候変動の緩和、つまり温室効果ガスの排出削減や除去に大きく貢献しています。

昨年、風力と太陽光による発電量は過去最高となり、世界のエネルギーの10%を占めました。

2050年までに、再生可能エネルギーが世界の電力の5分の4を供給する可能性がありますと、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は述べています。これにより、炭素排出量を「大幅に」削減し、気候変動の緩和に役立つ可能性があるとしています。

ただし、そこに到達するには、ビジネスと技術におけるイノベーションを加速させる必要があるとIRENAは付け加えています。

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