重力電池は再生可能エネルギーへの移行にどう役立つのか

Gravity batteries: A solar farm
Gravity batteries can store wind and solar energy.Image: Unsplash/American Public Power Association
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  • エンジニアたちは、再生可能エネルギー発電設備の電力を蓄えるため、大型の「重力電池」を開発しています。

  • 世界が化石燃料から脱却するには、再生可能エネルギーを貯蔵する方法を見つけることが不可欠です。

  • 電力の貯蔵に、水と重力を組み合わせる技術もあります。

  • ある企業は、閉鎖された鉱山の立坑を利用して、巨大な重力電池を地下に設置する計画です。

エンジニアたちは、再生可能エネルギーへの移行をめぐる最も差し迫った課題の一つ、すなわち電力をどう貯蔵するかへの答えを競って探しています。風力発電所や太陽光発電所で発電した電力は、太陽が照らず、風が吹かないときには利用できません。そのため、電力を貯蔵する方法がなければ、すぐに使われなかった分はすべて無駄になります。

重力電池が解決策になるかもしれません。仕組みは単純に聞こえます。再生可能エネルギーが豊富なとき、電力を使って重いおもりを高く持ち上げ、空中または深い立坑の上部に移動させます。その後、電力が必要になると、ウインチでおもりを徐々に下ろし、ケーブルの動きから電気を生み出します。

これにより、日中、太陽が照っている間に太陽光発電所で得た電力を貯蔵し、夕方、家庭でテレビを見たり、料理をしたり、暖房を使ったりする人が増えて需要が高まる時間帯に、その電力を送電網へ供給できます。

Gravitricityのシステムは、重いおもりを持ち上げてから下ろすことで、電力を貯蔵し発電します。Image: Gravitricity

英国を拠点とする企業 Gravitricityはエディンバラ近郊のリース港で、重力電池の試作機を試験してきました。高さ15メートルのこの鉄塔では、太陽光発電で動くモーターを使い、スチールケーブルで25トンのおもりを2個巻き上げます。おもりを下ろすとモーターが発電機となり、電力を供給します。

重力電池とリチウムイオン電池の比較

Gravitricityの試験・シミュレーション担当上級エンジニア、ジル・マクファーソン氏はRaconteurに、試験は成功だったと語りました。「実証機の定格出力は250kWで、約750世帯に電力を供給できますが、ごく短時間に限られます。しかし、1秒未満で最大出力を供給できることが確認されました。これは、秒単位で送電網の需給バランスを調整する必要がある事業者にとって価値があります。また、大量の電力をよりゆっくり供給することもでき、とても柔軟です」。

再生可能エネルギーを貯蔵する方法は重力電池だけではありません。リチウムイオン電池が市場を支配しており、一部の専門家はグリーン水素を有望視しています。しかし、重力は無料で、クリーンで、容易に利用できます。水素の製造に伴う複雑さや、一部のリチウム採掘に関連する環境および人権上の懸念もありません。

送電網に電力を供給できる規模の重力電池が実用化されるまでにはまだ数年かかりますが、この技術は急速に進化しています。クリーンエネルギー・コンサルタントで、インペリアル・カレッジ・ロンドンの客員研究員でもあるオリバー・シュミット氏は、重力を利用した蓄電には多くの利点があるとScience.orgに語っています。リチウムイオン電池は長年にわたり充放電を繰り返すと容量が低下しますが、重力システムは耐久性の高い部品で構成されており、はるかに長持ちします。「機械工学の技術です……比較的安価です」と同氏は述べています。

水を利用する重力システム

Gravitricityは、揚水発電の仕組みを応用しようとする複数の企業の一つです。揚水発電では、電力が豊富なときに水を高所へくみ上げ、後で水を再び下へ流して水力発電機のタービンを回します。

国際水力発電協会によると、重力電池とは異なり、揚水発電は確立された技術で、世界の大容量蓄電の90%超を担っています。 国際水力発電協会。しかし、施設の建設には多額の費用がかかり、地理的な制約もあります。この技術には丘陵地と水へのアクセスが必要です。

Gravity Powerは米国カリフォルニア州を拠点とし、ドイツの企業New Energy Let’s Goとともに、水と重力を組み合わせて電力を貯蔵する発想を応用しています。両社のシステムでは、地下の立坑に設置した大きなピストン状の岩石で水を押し出し、タービンを通過させます。

仕組みはこちらでご覧ください。

鉱山の立坑で電力を貯蔵

Gravitricityのシステムは水を使いませんが、同社のエンジニアたちは、実用規模の重力電池では塔ではなく地下の立坑を使うことも計画しています。その場合、リースの試作機よりはるかに重いおもりが必要になります。チームは現在、チェコ、ポーランド、南アフリカで使われていない鉱山の立坑を活用できるか調査しています。Gravitricityは2023/24年に初の実用規模システムを稼働させる計画です。

同社のマネージングディレクター、チャーリー・ブレア氏は、かつての鉱業地域が再生可能エネルギーの供給を支える役割を果たすのは喜ばしいことだと述べています。「閉山した鉱山に実用規模の蓄電施設を設ければ、既存のインフラを有効活用でき、まさに最も必要とされる地域に雇用を生み出せます……感情面も重要です。かつて鉱山で働いていた人々が地域全体にいました。一般に、鉱山が再生可能エネルギーの貯蔵に活用されるのを、とても喜んでいます」。

世界経済フォーラムは2017年にグローバル・バッテリー・アライアンス(GBA)を設立しました。2030年までに持続可能なバッテリーのサプライチェーンを確立するためです。主要な国際機関、NGO、業界関係者、学術関係者、複数の政府からなる100を超える組織の連合体は、2021年に独立し、その加盟組織は一丸となって、GBA 2030ビジョンに掲げられた目標の達成に取り組んでいます。

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