COP28:「unabated」化石燃料の「段階的廃止(phaseout)」を定義することが重要な理由

A clear definition of "unabated" fossil fuels is essential for ensuring that countries are held accountable for their emissions reduction commitments.
What are 'unabated fossil fuels' and 'fossil-fuel phaseout' - and why can't countries agree?Image: Pexels/Pixabay
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  • 「unabated」化石燃料を定義することは、化石燃料削減に向けた明確な目標を設定するうえで極めて重要です。

  • IPCCは「unabated」を、炭素回収・貯留(CCS)を伴わずに使用される化石燃料と定義しています。

  • 一部の国々は、すべての化石燃料の完全な段階的廃止を求めている一方、他の国々は「unabated」化石燃料のみを制限することを望んでいます。

  • COP28の議長国であるUAEは、化石燃料に対する立場を転換し、現在は「段階的削減(phasedown)」を支持しています。

一方、一部の当事者やグループは、すべての化石燃料の段階的廃止に関する合意を望んでおり、他の当事者は「unabated」の石炭、石油、ガスのみを制限することを望んでいます。一部はその両方の選択肢に反対しています。

一方、代替的な表現も登場しつつあり、再生可能エネルギーの拡大を化石燃料の「代替」と結びつけたり、「加速させる」といった動詞、「急速に」といった副詞を加えたり、「今後10年間」といった期限を加えたりする案もあります。

「unabated」化石燃料という表現の使用をめぐる争いは、その反対語である「abated」を暗黙的に伴い、これらの用語が正確に何を意味するのかという問いを提起しています。

「unabated」とは、燃焼によって生じる二酸化炭素(CO2)やその他の温室効果ガスの排出が、大気中に直接放出され、地球温暖化を助長する化石燃料の燃焼を指します。

反対に、「abated」とは、石炭、石油、ガスの燃焼に伴い、生じた温室効果ガスの一定割合を回収し、永続的に貯蔵することを組み合わせた燃焼を指します。この割合は重要な詳細ですが、「abated」が何を意味するかについて合意された定義は存在しません。

「unabated」をめぐる対立に加え、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際エネルギー機関(IEA)などの証拠は、COP28における化石燃料に関する議論の材料として活用できます。これらの取り組みからの主要な結論には次が含まれます:

  • 化石燃料の継続的使用は、炭素回収・貯留(CCS)を伴う形で、ほぼすべての1.5℃経路に含まれていますが、その程度は非常に限定的です。

  • 現在、CCSはほとんど存在しておらず、大規模な拡大に頼ることは「リスクが高い」とみなされています。CCSが妥当な水準に制限される場合、化石燃料の使用はさらに速く減少しなければならないことになります。

  • 「段階的削減(phase down)」と「段階的廃止(phase out)」の違いについては意見の相違があるものの、すべての1.5℃経路において、化石燃料の生産と使用は劇的に減少します。

本Q&Aでは、「unabated fossil fuels」という用語、化石燃料の段階的廃止の背後にある科学、そしてCOP28で化石燃料について何が合意されるべきかに関する各国の立場を解説します。

「abated」と「unabated」の化石燃料とは何ですか?

1.5℃以内に抑えるには、化石燃料を段階的に廃止する必要がありますか?

化石燃料の削減について、これまでに何が合意されていますか?

COP28では、化石燃料について誰が何を求めていますか?

「abated」と「unabated」の化石燃料とは何ですか?

「グラスゴー気候協定」は、COP26気候変動会議(2021年)で合意されたもので、化石燃料(具体的には石炭)に初めて言及したCOP決定であり、この言及は「unabated」という語と結びついていました。

ただし、この語は定義されておらず、関連する用語「abated」が実際に何を意味するのかについては、依然として不確実性があります。例えば、石炭火力発電所が排出するCO2の10%を回収しても、その排出は削減措置が講じられたと主張できるでしょうか?

化石燃料と「unabated」をめぐる対立は、COP27気候変動会議(2022年)で再び表面化し、その後も続いています。(参照:化石燃料の削減について、これまでに何が合意されていますか?)

Carbon Briefに対して、アラー・アル・クールダジー博士(インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究員)は、これらの対立によって、「削減措置を講じた化石燃料とは何を意味するのかについて、透明性を持ち、極めて明確にする」必要性が浮き彫りになったと述べています。アル・クールダジー博士は次のように述べています:

「そのような明確な基準がなければ、例えば50~60%といった任意の回収率の炭素排出量が、安易に削減措置済みとみなされかねません。これは曖昧なままにしておくことはできません。最初の技術評価の「グローバル・ストックテイク」の議論を見ると、「unabated」という語が結果の中で非常に多用されています。

「しかし、何が「unabated」に該当し、何が「abated」に該当するのかについては不明確さがあり、これは主に、交渉当時の関連文献において、そのような合意された定義が存在しなかったことによるものです。」

「unabated」という語は、IPCCの第6次評価報告書の第3作業部会報告書「気候変動への取り組み方」において再び登場しました。同報告書は次のように結論づけています:

「(気温上昇を2100年までに1.5℃未満に抑える)すべてのシナリオにおいて、化石燃料の使用は大幅に減少し、「unabated」の石炭使用は2050年までに完全に段階的に廃止される。」

(IPCC議長のジム・スキーア教授は、12月4日のイベントにおいて、COP28の代表団に対してこれらの一節を繰り返し述べました。)

さらに、2022年のIPCC報告書では、初めて「unabated」および「abated」の化石燃料の定義も含まれました。この定義は、「unabated」という語が政策決定者向け要約(SPM)に追加された後、アル・クールダジー博士らIPCCの執筆者によって、SPMの脚注として追加されたものです。

クリス・バタイユ博士は、コロンビア大学のグローバル・エナジー・ポリシー・センターで客員研究員を務め、脚注に関与したもう一人のIPCC執筆者でもあり、Carbon Briefに次のように語っています:

「SPMの承認会合において、ある当事者グループは、化石燃料に関するあらゆる表現の前に「unabated」という語を加えることを強く主張しました。それにより、直ちに定義の必要性が生じました。私たちIPCCの執筆者の一部は、確実に定義されるよう懸念し、最後の瞬間に介入して何らかの案をまとめなければなりませんでした。」

IPCCの脚注では、「abated」とみなされるためには、発電所からの化石燃料排出量の少なくとも90%を回収し、エネルギー供給からのメタンの50~80%を回収する必要があると説明されています。脚注には次のように書かれています:

「この文脈において、「unabated fossil fuels」とは、ライフサイクル全体で排出される温室効果ガスを大幅に削減する措置を講じずに生産・使用される化石燃料を指します。例えば、発電所からのCO2の90%以上の回収、またはエネルギー供給からの漏出メタン排出の50~80%の回収などです。」

しかし、この定義は起草された時点では依然としていくぶん不明確であったと、バタイユ博士はCarbon Briefに語っています。同博士によれば、最後のカンマと「or」という語の組み合わせにより、これは発電所における90%回収の代替案であるように読めてしまいますが、意図していたのは両方の要件を適用することでした。

この混乱を解消するため、アル・クールダジー博士とバタイユ博士は、論文を発表し、化石燃料の使用が「abated」とみなされるための要件を詳細に示しました。

アル・クールダジー博士はCarbon Briefに次のように語っています:

「この用語は、化石燃料の使用に伴う継続的な炭素排出量が90~95%以上削減される場合にのみ用いるべきであると、私たちは明確に述べています。上流の漏出メタン排出量は同等の天然ガス生産量の0.5%未満であり、0.2%に近づくこと、そして回収された排出物は永続的に貯蔵されることです。」

アル・クールダジー博士は、「abated」化石燃料の曖昧な定義は、「危険ではないとしても、誤った安心感」を与え、不十分な政策措置や投資判断につながりかねないと指摘しています。

しかし、この用語には「正当な用途」もあるとして、カトリーン・ペーターセン(シンクタンクE3Gの化石燃料転換チームの上級政策アドバイザー)は、Carbon Briefに語りました。同氏は次のように述べています:

「削減要件を排出量削減への手段として用いることにも、正当な用途があることを指摘しておくことが重要です。CO2削減に関して「unabated」という用語が使われてきた背景には、英国やカナダなど一部の政府が排出性能基準を用いて、CCSを備えない新規石炭火力発電所の建設を排除し、既存の石炭火力発電所に対しては、CCSを後付けして排出を削減するか、特定の期日までに閉鎖するよう求めてきた経緯があります。この規制アプローチにより、結果として新規の石炭火力発電所は建設されず、CCSの高コストと困難さを考えると、明確な段階的廃止の期日が設定されることになりました。」

「これは、政策立案者や規制当局が石炭火力発電業界に行動を迫るために、削減基準を効果的に用いた例です。しかし、それには曖昧な言葉ではなく、明確な定義と規制が必要でした。」

それでもなお、「unabated」という用語を含めることには明確なリスクがあると、ナタリー・ジョーンズ博士は、シンクタンクの国際持続可能開発研究所(IISD)の政策アドバイザーで、そう述べています。

同氏はCarbon Briefに対し、これらのリスクは国連の気候交渉の場では特に深刻であると語っています:

「「unabated」という語がCOP28の最終文書に含まれた場合、1.5℃以内に抑えるために今後10年間に必要な化石燃料の削減から注意を逸らすことになるでしょう。議論を混乱させ、各国が今後5年間を定義をめぐる議論に費やすことにもつながりかねません。」

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1.5℃以内に抑えるには、化石燃料を段階的に廃止する必要がありますか?

化石燃料は、現在の地球温暖化の最大の要因であり、地球を1.2℃以上温暖化させてきた累積的な歴史的排出量の大部分を占めています。

さらに、IPCCによれば、既存の化石燃料インフラを過去の平均的な利用状況に沿って使用した場合、1.5℃の炭素予算を超過するのに十分であるとされています。IPCCは次のように述べています:

「既存および現在計画されている化石燃料インフラの耐用期間にわたる将来の累積CO2排出量の予測値は、追加的な削減措置なしでは、オーバーシュートがないか限定的な状態で気温上昇を1.5℃(確率50%超)に抑える経路における総累積正味CO2排出量を超えます。オーバーシュート」。

さらに、IPCCは、新たな化石燃料インフラの建設を継続することは、「ロックイン」によりさらなる排出を固定化することになると、高い確信度で指摘しています。

同様に、IEAは、気温上昇を1.5℃以内に抑えるためには、余地はなく、新たな「unabated」石炭火力発電所の建設や、「リードタイムの長い」石油・ガス開発は認められないと述べています。

これらの知見は「大きな合意」によって裏付けられています。すなわち、公表されたすべての研究において、新たな石油・ガス埋蔵量の開発は、1.5℃以内に抑えることと「両立しない」とされています。

全体的に見ると、IEAの1.5℃シナリオでは、「unabated」の化石燃料使用が劇的に減少し、「abated」の化石燃料の役割は非常に小さなものにとどまります。以下の図は、「unabated」の化石燃料使用量が2050年までに88%減少し、「abated」の化石燃料は最小限にとどまることを示しています。

IEAの2050年ネットゼロ排出シナリオ。気温上昇は1.5℃に抑えられる。Image: Carbon Brief

これは1.5℃以内に抑えるための経路の一つにすぎません。IPCCはより幅広い経路を検討しており、地球温暖化を止めるための正味ゼロのCO2排出量を達成するには、化石燃料使用の「大幅な」削減が必要となり、「unabated」の使用は「わずか」に残り、一部のCCSが必要になると確認しています。IPCCは次のように述べています:

「正味ゼロのCO2エネルギーシステムには、次が必要となる:化石燃料全体の使用の大幅な削減、「unabated」化石燃料の使用の最小化、そして残りの化石燃料システムにおけるCCSの利用。」

IPCCは、気温上昇を1.5℃以内に抑えるためのさまざまな方法を検討し、「例示的緩和経路」(IMP)を用いて、これらのアプローチがどのように類似しており、どのように異なるかを示しました。

以下の図の二段目は、2100年までに気温上昇を1.5℃に抑える4つのIMPを示しており、左から右へIMP-Neg、IMP-Ren、IMP-LD、IMP-SPとなっています。これらはそれぞれ、負の排出量に大きく依存する経路(IMP-Neg)、再生可能エネルギーに依存する経路(IMP-Ren)、低エネルギー需要に依存する経路(IMP-LD)、または「開発経路の転換」(IMP-SP)を指します。

注意すべき点として、最後の3つのIMPのみが「オーバーシュート」がないか限定的な状態で1.5℃以内に抑えられており、一方、IMP-Negでは1.5℃が一時的に超過されています。

化石燃料の使用(赤)は、これらのいずれの経路においても2050年までにゼロにはなりません。したがって、1.5℃を尊重する経路においても、2050年に化石燃料が依然として使用されうると技術的には正しく言えます。

とはいえ、IEAの1.5℃経路と同様に、すべてのケースにおいて化石燃料使用は全体として非常に劇的に減少します。COP28にとっての問題は、1.5℃以内に抑えるために明らかに必要とされる、この化石燃料使用の劇的な削減をどのように表現するかということです。

これについては意見の相違があり、「段階的廃止(phase out)」がゼロに至る軌道を指すのか、それとも単に非常に大幅な削減を意味するのかが問題となっています。

このため一部の人々は「段階的削減(phase down)」という用語を好む一方、他の人々は、それは「段階的廃止」よりも弱い削減を意味するという考えから、さらに「段階的削減」は、ごくわずかな削減しか意味しない可能性もあります。

さらに、「今後10年間」や「2050年よりかなり前」といった期間の限定が明示的に加えられない限り、これらのいずれの表現も明確な期間を対象としていません。

用語にかかわらず、以下の図に示すように、「abated」化石燃料を含めた場合でも、2050年時点でシステム内に残る化石燃料の量は非常に少なくなります。さらに、オーバーシュートがないか低い経路では、今世紀後半に化石燃料使用はゼロ、またはほぼゼロに到達します。

化石燃料(赤)、原子力(オレンジ)、再生可能エネルギー(青)による世界のエネルギー供給量(エクサジュール(EJ)/年)。Image: IPCC WG3

上の図の左端のグラフであるIMP-Negの経路のみ、排出量が1.5℃を超過した後に2100年までにその水準を下回るため、今世紀半ばには化石燃料の役割がより大きくなります。

ここでは、化石燃料の継続的使用は主にCCSと組み合わされており、以下の図の積み上げ部分の最上部にある灰色の楔形で示されています。(「unabated」の化石燃料は濃い黄色で示されています。)

特に、オーバーシュートがないか最小限の状態で1.5℃以内に抑えられる経路では、CCSを伴う化石燃料の使用はほぼ存在しません。CCSが用いられる場合は、代わりにバイオエネルギー(BECCS)または大気中からのCO2の直接空気回収(DACCS)と組み合わされています。

化石燃料の未対策排出(濃い黄色)、非CO2温室効果ガス(濃い青)、工業プロセス(薄い青)による年間の世界の温室効果ガス排出量。Image: IPCC WG3

1.5℃経路においてCCSの役割が限定的であることに加え、この技術はこれまでのところ大規模な水準へと拡大できていない点も指摘しておく価値があります。

IEAによると、IEA現在、世界では40以上の商用CO2回収施設が稼働しており、年間の「回収能力」は合計で4,500万トン(MtCO2)を超えています。

この回収能力は、2023年に推定される370億トンのCO2(GtCO2)という年間の世界のCO2排出量と比べると、約1,000倍も小さい規模です。言い換えれば、現在CCS施設が回収しているのは、世界のCO2排出量の1,000分の1(0.1%)にすぎません。

IEAによれば、2018年初頭以降、この技術への関心は高まり続けており、2022年1月以降に50以上の新たな回収施設が発表されています。

これらの施設は2030年までに稼働を開始し、年間約1億2,500万トンのCO2(MtCO2)を回収できる可能性があります。ただし、IEAによると、開発中のプロジェクトのうち最終投資決定に至ったものは約20件にすぎません。

こうした関心の高まりがあっても、現在のプロジェクトのパイプラインは、IEAの1.5℃経路で2030年に必要とされる水準の約3分の1にとどまります。

このため、他の持続可能な開発の優先課題との対立があることに加え、1.5℃の上限を守るためにCCS技術の大規模な拡大に依存することは、「リスクの高い」方法と言えます。

(加えて、新たな研究によれば、COP28の期間中に公表されたオックスフォード大学の研究では、化石燃料の使用をより速く削減する低CCS代替案と比べ、高CCS経路で1.5℃を達成した場合、2050年までの累積で追加コストが30兆ドル発生することが分かっています。)

IPCCが1.5℃未満に抑えられると評価した経路(オーバーシュートが無い、または少ない場合)において、化石燃料をそれぞれ見ると、石炭の使用は大幅に減少しています。すべての地域で。

IPCCが検討した範囲の中央値にあたる1.5℃経路(中央値経路)では、2050年までに石炭、石油、天然ガスの使用量は、2019年の水準と比べてそれぞれ95%、60%、45%減少します。

これらの中央値では、石油と天然ガスの幅広い範囲が見えにくくなっています。一方、経路を最大限現実的な水準のCCSに制約すると、範囲は大幅に狭まり、減少はより急激になります。この場合、2050年までに石油は70%、天然ガスは84%減少します。

さらに、一部の国は、石炭に焦点を当てることは不公平だと主張しています。石炭は開発途上国でより多く使用される傾向にあるためです。

これらの国々で石炭削減のペースが緩和された場合、先進国でより重要な役割を担う石油や天然ガスの使用は、より急速に減少させる必要があります。

これまでに化石燃料の削減について何が合意されているのでしょうか。

既に述べたように、COP26では、化石燃料への対応の必要性を明示した初のCOP決定が行われ、「未対策石炭の段階的削減(phase down)」について合意されました。

COP26の最終合意文書には、締約国に対し次のことを求める内容が含まれています。

「低排出型エネルギーシステムへの移行に向けて、技術の開発、展開、普及、および政策の導入を加速すること。その際には、クリーン電力の発電とエネルギー効率化策の展開を急速に拡大することを含め、未対策石炭火力の段階的削減(phasedown)と非効率な化石燃料補助金の段階的廃止(phase-out)に向けた取り組みを加速すること。また、各国の状況に応じて、最も貧しく脆弱な人々に対して的を絞った支援を行うとともに、公正な移行に向けた支援の必要性を認識すること。」

この文言は、激しい交渉の末に合意されたものです。サミットの初期の文書では、「石炭の段階的廃止(phasing out)を加速させる」ための取り組みが求められていましたが、この短い表現には追加の文言によって調整が加えられました。さらに、サミット終盤には、「phase out(段階的廃止)」という表現が「phase down(段階的削減)」に変更されました。

第27回締約国会議(COP27)では、締約国が化石燃料に関する文言をめぐって再び争いました。インドはすべての化石燃料の段階的削減(phase down)への合意を求め、80か国のグループは段階的廃止(phase out)を求めました。

COP27の全体会合の開会。Image: Kiara Worth / UNFCCC / Flickr

キャサリン・アブレウ、エグゼクティブ・ディレクターとしてNGO「Destination Zero」を率いる同氏は、当時Carbon Briefに対して次のように語りました:

「締約国は一貫して強く求めていました。協議のたびに、さらに多くの締約国が[この要求に]加わりました。すべての化石燃料を文書に含めるよう求める声は、毎回無視されました……議長国は、それらの文言を草案に入れないことを選びました。」

各国の努力にもかかわらず、エジプト議長国は、2週間にわたるサミットを通じて、どの交渉草案にも化石燃料に関する文言を盛り込むことを拒否し、多くの締約国が失望しました。

代わりに、この会議では、グラスゴーのCOP26で合意された文言を単に再確認するにとどまりました。しかも、この再確認自体も、時として疑問視されていました。

化石燃料の使用削減に関する議論は、2023年を通じて続いています。

4月、主要経済国で構成されるG7は、札幌(日本)で気候、エネルギー、環境に関する会議を開催しました。同会議は、文章について合意し、これまでのCOPよりもわずかに強い表現を用いました。

例えば、このグループは、「2050年までに遅くともエネルギーシステムの実質ゼロ排出を達成するため、未対策の化石燃料の段階的廃止(phase-out)を加速させる」という決意を強調しました。グループ。

G7首脳コミュニケでは、前年の会議で示された「2035年までに完全に、または主として脱炭素化された電力部門を実現する」という目標を改めて確認しました。

これには、「国内の未対策石炭火力発電の段階的廃止(phase-out)」という目標に向けて「具体的かつ適時の措置」を講じることが含まれます。また、新たな未対策石炭火力発電所の建設を終了する必要性を認識するとともに、他国も同様の対応を取れるよう支援することにも取り組むとしています。

G7の合意には、加盟国が2021年末までに未対策の国際的な石炭火力発電に対する新たな政府による直接的支援を終了し、2022年には、限定的な場合を除き、未対策の国際的な化石燃料エネルギー部門への公的支援を終了することが追加されました。

9月には、より規模の大きいG20は、再生可能エネルギーの容量を3倍にするという2030年に向けた世界的な取り組みを支持することで合意しましたが、化石燃料に関して合意された文言をまとめることはできませんでした。

厳しい交渉を経て、世界最大規模の経済国からなるこのグループは、インドのニューデリーで開催された会議で、ついに合意に達しました。主交渉担当者であるアミタバ・カント氏は、記者会見でこの合意を「気候変動対策に関する最も野心的な文書」と呼びました。

しかし、化石燃料に関する文言は、グラスゴーのCOP26およびシャルム・エル・シェイクのCOP27で合意された内容と同じ水準にとどまりました。

COPの文言を再確認する形で、G20の最終合意は、低排出型エネルギーシステムへの移行を求め、「未対策石炭火力の段階的削減(phasedown)に向けた取り組みを加速させる」ことを盛り込みました。

さらに、G7もG20も、「未対策」と「対策済み」の化石燃料の定義を含めていません。

最後に、11月中旬、米国と中国(時にG2と呼ばれます)は、共同で「Sunnylands声明」を発表しました。この気候変動に関する声明は、再生可能エネルギーを3倍にすることを支持していますが、化石燃料の使用削減については間接的な言及にとどまっています。

英語版では、化石燃料を段階的に削減または廃止するという表現ではなく、両国が「……の代替となるように」再生可能エネルギーを拡大させると述べています。声明では、両国が次のとおりとすると述べています。

「2020年の水準から2030年までに、各国の経済における再生可能エネルギーの導入を十分に加速させ、[電力部門における]石炭、石油、天然ガス発電の代替を加速させることを意図する。これにより、2020年代というこの重要な10年間において、ピークアウト後の電力部門の排出量の有意な絶対的削減を見込む。」

この声明では、両国がそれぞれ2030年までに、産業およびエネルギー分野で少なくとも5件の「大規模」なCCS協力プロジェクトを実施することも約束しています。

BBCニュースは、チャタムハウスの著名な研究員であるバーニス・リー氏の発言を引用し、化石燃料に関して「双方に効果的な文言の形を見つけることは、おそらく困難すぎることが判明した」と伝えました。

COP28で化石燃料について各国は何を求めているのでしょうか。

COP28に向けた準備段階では、未対策または対策済みの化石燃料の段階的廃止または削減のアプローチをめぐり、主要な意見の対立が続いていました。

High Ambition Coalition(HAC)は、対策済み・未対策を問わず、すべての化石燃料の段階的廃止を積極的に支持する数少ない連携の一つです。9月の声明で、同連携は次のように述べています。

「対策技術は排出削減において役割を果たしますが、エネルギーシステムの脱炭素化におけるその役割は限定的です。これを化石燃料の拡大を承認する口実に使うことはできません。」

また、10月末の世界棚卸しに対する提出文書の中で、化石燃料の生産および使用の段階的廃止を直接求めています。この提出文書は次のように述べています。

「化石燃料はこの危機の根源です。化石燃料からの移行を加速するため、包括的な世界的クリーンエネルギーアクセスの取り組みを共同で構築しなければなりません。」

コロンビアを除けば、HACの加盟国には、主要な化石燃料生産国は含まれていません。

「紛糾した」内部交渉の後、EUは、「未対策」の化石燃料の段階的廃止と、「2050年よりもかなり前に、主として化石燃料を使用しないエネルギーシステム」の実現を求めました。

重要な点として、同連携の合意された立場は、CCSの利用に制限があることも「強調」しています。同連携は、「環境を大きく損なわず、限定的な規模でしか存在せず、主に排出削減が困難な分野の排出削減に用いられるべき排出対策技術」であるとしています。

さらに、「除去技術(BECCSやDACCSなど)は世界的な負の排出に寄与すべきであり……実現可能かつ効果的で費用対効果の高い緩和策が存在する分野において、気候変動対策を遅らせるために使用してはならない」と付け加えています。負の排出。

7月に発言した当時のEU気候担当責任者フランス・ティマンス氏は、EUの重要な目標として未対策の化石燃料の段階的廃止を挙げ、2030年までに再生可能エネルギーの導入を3倍にし、エネルギー効率の改善率を2倍にすることと並べました。

ティマンス氏はCCSの制限にも言及し、次のように述べています。

「ネットゼロ経済において『対策済み化石燃料』が果たす役割を正確に理解することが重要です。これは残余的なものであり、排出削減が困難な分野に限定される必要があります。また、業界は、これが実現可能であることを証明し、炭素排出を抑制する技術への信頼できる投資戦略を提示する責任を負っています。」

その他の主要な国や連携の立場は、Carbon Briefの「Who Wants What(誰が何を求めているか)」の一覧で確認できます。

米国も「未対策」の化石燃料の段階的廃止を支持しています。今年初めにホワイトハウスが発表した声明では、米国は「未対策の化石燃料の段階的廃止を加速させる」必要があると主張しています。

米国の気候特使ジョン・ケリーは「対策済み」化石燃料の利用を支持する一方、今年初めにAP通信のインタビューで、石油業界に対してCCSの有効性を証明するよう求めました。同氏は次のように述べています。

「排出を抑制できるのであれば、回収してください。しかし、我々はまだ大規模にはそれを実現できていません。現在持っていないものが自動的に手に入るかのように装うことはできません。なぜなら、実現しないかもしれないからです。うまくいかない可能性もあるのです。」

一方、中国の気候特使である謝振華(シエ・ジェンホア)氏は、9月に北京で行った演説において、化石燃料の段階的廃止は「現実的ではない」と述べました。

次の資料によれば、翻訳:中国・グローバリゼーションセンター、謝氏は「化石エネルギーを完全に排除することは現実的ではない」と述べた。

COP28を前に、情報筋はロイターに対し、ロイターの取材で、インドは化石燃料の段階的削減の期限を求める動きに引き続き反対する見通しだと伝えました。代わりに、インドは「削減と緩和の技術」を通じて温室効果ガス排出量全体の削減に焦点を移す方を支持する、と同通信は報じています。

COP28の開催国であるアラブ首長国連邦(UAE)は、主要かつ拡大中の化石燃料生産国であり、2023年の進展に伴い化石燃料に対する立場を変えました。

5月には、演説(COP28議長スルタン・アル・ジャーベルによるもの)で、次のように述べられた:「化石燃料由来の排出を段階的に削減することに的を絞る一方、実現可能で手頃な価格のゼロカーボン代替手段を段階的に拡大しなければならない。」

この発言は、CCSへの支持と広く解釈され、「化石燃料由来の排出」に焦点を当てることで、化石燃料そのものの段階的廃止から目を逸らすものだとして、広範な批判を招きました。

その後、アル・ジャーベルは化石燃料の「段階的削減」を「不可避」かつ「不可欠」と述べるようになり、ガーディアン紙とのインタビューに続いたものである。

サミット前の覚書(10月にUAEが発行)では、「石炭を優先課題としつつ、今世紀半ばまでに非低減型の化石燃料を使わないエネルギーシステムに向けて取り組む」世界が求められています。

初期の草案文書によると、COP28では各国が化石燃料の「秩序だった公正な」段階的廃止を求めることを検討していることが示されていますが、「非低減型」が含まれるかどうかは依然として不明です。

12月5日時点で、公式に検討対象となっている選択肢は3つあります。それらは次のとおりです。

  • 「化石燃料の秩序だった公正な段階的廃止」

  • 「非低減型の化石燃料の段階的廃止に向けた取り組みを加速させ、今世紀半ばまでに、またはその前後にエネルギーシステムにおけるCO2排出を実質ゼロにするため、その使用を速やかに削減すること」

  • 3つ目の選択肢は、化石燃料の段階的廃止(または削減)にまったく言及しないことです。

一般に多くの国にとって、COP28は、化石燃料のすべてを段階的に廃止する文言で合意できなければ、成功とはみなされないでしょう。それが可能かどうか、また、そのような文言が「非低減型」という限定付きになるのか、あるいは別の表現になるのかは、今後の展開を見守る必要があります。

ペーターセン氏は、排出削減の厳格な定義はCOP28で重要なシグナルを送ることができる一方、現実世界での排出削減を推進するうえでも実際の影響を及ぼしうる、と述べています。

同氏はさらに、排出削減の国際的な定義は国家レベルの規制基準に落とし込むことができ、各国がパリ協定に整合した排出削減水準に到達する助けになる、と付け加えています。

アル・クールダジー氏は次のように述べています。

「[低減型と非低減型]の両方は、これまでになく国際交渉で顕著に使用されている。今後のCOP28が両用語に明確さをもたらすことが期待される。」

ただし同氏は、国際交渉では、先進国におけるより深い脱炭素化、ならびに資金および技術移転、損失と損害のための基金を含め、開発途上国の気候行動を支援する取り組みについて議論すべきだと付け加えています。同氏はさらに、次のように述べています。

「これは、国際交渉における議論が取り組むべき領域であり、化石燃料の低減型と非低減型をめぐる細かな違いは、それ自体重要ではあるものの、その領域よりも優先されるべきではない。」

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