エネルギー貧困の解消に向けた、より統合的なアプローチの可能性

Rockefeller Foundation is working to end energy poverty win Sub Saharan Africa using the 'Smart Power India' plan
Rockefeller Foundation is working to end energy poverty win Sub Saharan Africa using the 'Smart Power India' planImage: Reuters/Adnan Abidi
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国連が「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択してから、ほぼ4年が経過した。目標達成期限までに、あるいはそれより早く、軌道を変えて何十億人もの暮らしを改善するために必要な、変革をもたらす解決策と意欲的なパートナーシップを動員できる機会は、狭まりつつある。これほど切迫感が強い分野は、SDG 7(「すべての人々に、手頃な価格で信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」)だ。進捗が遅れている一方で、最も解決可能な課題の一つと見なされている、エネルギー貧困に取り組む目標である。

ロックフェラー財団は、分散型農村電化の取り組み「スマート・パワー・インディア」から得た教訓を、サハラ以南アフリカの市場に生かそうとしている。インドのジャールカンド州、ビハール州、ウッタル・プラデーシュ州で同イニシアチブが支援する再生可能エネルギーのミニグリッドは、現在、200を超える村で小規模事業者や家庭に電力を供給している。エネルギーへのアクセス改善は、何千もの小規模事業者を含む16万人以上の人々の暮らしを変えた。ジョンズ・ホプキンス大学との共同報告書「インドの農村電化:顧客の行動と需要」は、2019年2月に発表され、低所得の農村消費者が信頼できる電力へのアクセスに対価を払う意思と能力を持つことを示すデータの蓄積に寄与している。スマート・パワー・インディアのミニグリッド事業者は、料金収入の期日どおりの回収率が平均97~100%に達している。また、家庭利用者の80%、事業利用者の90%が、ミニグリッドへの接続に「満足」または「大変満足」と回答している。

農村電化はエネルギー貧困解消の重要な柱Image: インドの農村電化:顧客の行動と需要、2019年2月
インドの農村電化:顧客の行動と需要、2019年2月

ミニグリッド部門は、サービスが行き届いていない地域で潜在需要を掘り起こし、エネルギーアクセスの経済的可能性を最大限に引き出すうえで、信頼性が鍵となることも実証してきた。信頼できる電力があって初めて、事業者はエネルギー貧困の解消につながる生産活動に、比較的高価な機器を活用できる。そうなれば、家計所得の向上、事業の生産性向上、ミニグリッド運営者の収入増という三者に利益をもたらす。スマート・パワー・インディアの取り組みに関する第三者評価報告書は、この成果を明らかにした。2016年9月から2019年1月にかけて、接続した事業者の月間収入は平均49%増加し、43%が事業拡大のために新たな機器や設備を購入した。

信頼性や手頃な価格をめぐる大きな課題は残るものの、インドでは家庭レベルでの普遍的な送電網アクセスの実現が目前に迫っている。一方、サハラ以南アフリカでは、約6億人が依然として送電網に接続されていない。送電網とオフグリッドの配電ソリューションの強みを統合型の電化戦略によって組み合わせ、未開拓の巨大市場を把握してサービスを提供できる、またとない機会がある。電化をより迅速かつ費用対効果の高い形で進めるには、新たなツールやインセンティブ、能力に支えられた、連携への大幅な取り組み強化が必要となる。

南アフリカ、ソウェトで、少年たちが送電線の鉄塔の下でサッカーをしている。Image: ロイター/シフィウェ・シベコ

エネルギー貧困の膠着状態を打開する

送電網とオフグリッドのソリューションを組み合わせるには、電力事業者がオフグリッド事業者と協力し、貧しい農村部の顧客層のニーズや支払い能力により合ったビジネスモデルを取り入れる必要がある。一方、オフグリッド企業は、自らを送電網による電化の代替手段ではなく、パートナーと捉えなければならない。電力事業者とオフグリッド企業が協力してラストマイル電化の課題に取り組むという発想の転換があって初めて、サハラ以南アフリカのエネルギー貧困解消に向けた真の進展が見込める。ここでアフリカ各国政府は、オフグリッド部門の可能性を受け入れ、最適なソリューションの組み合わせを取り入れた電化戦略を支援し、投資その他の政策を連携させてラストマイル電化の新たな波を起こすことで、触媒的な役割を果たせる。

この取り組みを前進させるため、ロックフェラー財団はPower for Allの「Utilities 2.0」報告書で同団体と連携した。ウガンダ最大の電力事業者ウメメと民間部門のオフグリッド企業が参加する、同キャンペーン初のアフリカでのプロジェクト「Utilities 2.0:最適なインパクトを実現する統合型エネルギー」は、Power for Allにより、南アフリカのケープタウンで開催されたアフリカ・ユーティリティ・ウィークで発表された。このプロジェクトは、アフリカ、そして世界全体のエネルギーアクセスの進路を根本的に変えるために必要な官民パートナーシップの具体例となる。

極度の貧困の中で暮らす人々は、今なお8億人に上り、その大半は信頼でき、手頃な価格の電力を利用できない。経済の相互統合が進む中、農業バリューチェーンにおける灌漑、収穫、貯蔵、加工から、農業以外のサービス業や小売業に至るまで、経済活動に十分参加するためにエネルギーは欠かせない要件となっている。貧困の解消がエネルギー貧困の解消にこれほど左右された時代はない。だからこそ、普遍的な電化の実現に向けたプロセスを変革し、加速することがかつてなく不可欠である。

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