アフリカが世界有数の水素供給大国になる可能性

Wind turbines can produce green hydrogen
Africa’s abundant renewable energy sources could make it a global hub for producing low-carbon hydrogenImage: Unsplash/Anastasia Palagutina
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  • IEAによると、アフリカには豊富な太陽光・風力エネルギーがあり、低炭素水素の生産における世界的な拠点となる可能性があります。

  • 水素はエネルギーを多く含む元素で、燃料として使っても大気を温暖化させません。

  • IEAによると、アフリカは年間5,000メガトンの水素を生産できる可能性があり、これは「現在の世界の総エネルギー供給量」に相当します。

  • 現在、約6億人、アフリカ人口の43%が電気を利用できません。

新たな報告書によると、アフリカは水素という形で、手頃な価格の低炭素エネルギーを世界全体に供給できる可能性があります。

国際エネルギー機関(IEA)は「アフリカ・エネルギー見通し2022」で、アフリカの豊かな再生可能エネルギー資源、とりわけ太陽光エネルギー、さらに陸上風力が、この可能性を切り開く鍵だと述べています。

IEAによると、アフリカは1キログラム当たり2ドル未満で年間5,000メガトンの水素を生産できる可能性があり、これは「現在の世界の総エネルギー供給量」に相当します。

アフリカは、1キログラム当たり2ドル未満で年間5,000メガトンの水素を生産できる可能性があります。Image: 『アフリカ・エネルギー見通し2022』、IEA(154ページ)

水素は持続可能な選択肢か?

水素は豊富に存在する、エネルギーを多く含む気体で、水や化石燃料の中に自然に存在しますと、米国エネルギー情報局は説明しています。水素は、こうした資源から分離することで燃料として利用できます。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って、水分子から酸素と水素を分離すると、生成された水素は炭素を排出しない「グリーン水素」に分類されます。

水素を燃料として使うと、廃棄物として生じるのは水だけです。二酸化炭素を排出して地球温暖化を招き、大気汚染の原因にもなる化石燃料の燃焼に比べ、地球環境にとってより望ましい選択肢です。

アフリカの大きな水素生産の可能性

IEAによると、アフリカは低コストの再生可能電力から水素を生産するうえで、世界でも屈指の潜在力を備えています。アフリカは世界有数の太陽光資源の60%を有していますが、現在の太陽光発電設備容量に占める割合はわずか1%です。

風力も大きな資源です。IEAによると、乾燥・半乾燥地域は風力と太陽光発電に適しており、特に北アフリカ、アフリカの角、南部アフリカが有望です。

IEAによると、2030年までにアフリカは、必要とする新規発電量の80%を太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーで賄える可能性があります。

太陽光発電設備と水素生産のコスト低下により、アフリカの水素生産の潜在力はさらに高まると予測されています。IEAのモデルでは、アフリカ産水素は1キログラム当たり2ドルとなり、世界の他地域の水素価格の半分まで下がる可能性があります。

水素は、電気を利用できないアフリカの6億人を支える可能性があります。Image: 『アフリカ・エネルギー見通し2022』、IEA(35ページ)

アフリカのエネルギー課題

現在、約6億人、アフリカ人口の43%が電気を利用できません。その大半はサハラ以南のアフリカに暮らしています。IEAは「持続可能なアフリカ・シナリオ」において、ガーナ、ケニア、ルワンダなどの国々は2030年までに電力への完全なアクセスを実現できる見通しだと予測しています。

IEAによると、これは主に全国の送電網を拡張することで実現します。電気を利用できない人々の多くが暮らす農村地域では、太陽光を利用したミニグリッドや独立型システムが最も実現性の高い解決策です。

2030年までに手頃な価格の電力をすべての人が利用できるようにするには、アフリカでは毎年9,000万人を電力網に接続する必要があるとIEAは述べています。これは近年の3倍のペースです。

水素は解決策の一つと見られています。

現在、アフリカでは水素はどのように利用されているのか?

現在、水素は産業分野で、アンモニアを原料とする肥料の製造に使われています。アンモニアは一般的な作物用の栄養素です。また、北アフリカやナイジェリアでは石油精製にも使われています。IEAによると、こうした水素の大半は天然ガスや石炭から抽出されており、低炭素ではありません。

しかし、IEAのアフリカの将来のエネルギー利用モデルでは、強力な政策支援とインフラ投資により、「低炭素水素の生産と国内利用が急速に拡大」します。

これにより2030年までに、欧州の需要地への輸出に「大きな可能性」が生まれます。

IEAによると、エジプト、モーリタニア、モロッコ、ナミビア、南アフリカでは、すでに複数の低炭素水素プロジェクトが進行中、または検討されています。

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