自分で製品を印刷できるようになったら、店舗はどうなるのか?

自分で製品を印刷できるようになったら、店舗はどうなるのか?
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レコード店、レンタルビデオ店、コピーセンター、書店。こうした業態はいずれも、破壊的な技術革新の影響で苦境に立たされているか、すでに姿を消している。破壊的技術とはそういうものだ。ゲームのルールだけでなく、ゲームそのものの性質まで変える。では、実店舗そのものが絶滅することはあるのだろうか。私たちは、物理的なモノを買うことから、それらをデジタル表現として購入し、スマートフォンに持ち歩くことへと移行してきた。次の段階として、デジタルファイルを再び物理的なモノに変えると何が起こるのか。3Dプリンティングによって、それが急速に現実になろうとしている。そして、すべてが変わることになる。

その眼鏡、どこで手に入れたの?

こんな状況を想像してほしい。店の前を歩いていて、お気に入りのブランドのサングラスを見つける。写真を撮り、サングラスのデジタルCADファイルを作成するアプリにかけ、それを街の反対側にある3Dプリントセンターへ持っていく。あるいはファイルをAmazonに送る。どちらの場合でも、数時間後には、実店舗で買うよりずっと安く新品のサングラスを手にできる。これは盗みだろうか。物理的に何かを盗んだわけではなく、店から商品がなくなったわけでもない。盗んだのは、売れたかもしれない機会だという議論はできる。しかし、そもそも定価で買うことなど考えたこともなかったかもしれず、その場合、実際に失われた売上はない。被害者もおらず、商品もなくなっていないなら、本当に盗みなのだろうか。さらに考えてみれば、あなたは制作者が所有するデザインを盗んだのだと気づくだろう。

MP3共有の台頭により、エンターテインメント業界も同様の問題に直面した。抑え込むのがあまりに難しく、数百万ドルの収益を失い、製品の提供方法を大幅に見直さざるを得なかった。その対応策の一つがストリーミング技術だ。製品を所有するのではなく、遠隔でアクセスするだけである。そもそも保存していないファイルをコピーする方法はない。

しかし、少し話を戻そう。ほとんどの物理的な物体は、楽曲や映画と同じようには著作権で保護できない。現時点では、自動車の交換部品を印刷することを禁じる法律はない。3Dプリンティングによる海賊行為は、ブランド管理に関して大きな疑問を投げかける。サングラスの例で言えば、レイバンのロゴはライセンス法や商標法で保護されているかもしれない。だが、ロゴなしでレイバンのサングラスを印刷したらどうなるのか。裁判所は、こうした問題を解明するために多くの課題を抱えている。

消費者が新たな生産者に

海賊行為は大きな問題だが、それだけではない。カスタマイズはどうだろう。消費者が既存製品のデジタルファイルを購入し、自分の好みに合わせて調整してから、新しい製品を印刷する世界を想像してほしい。生産者と消費者の役割が逆転したのだ。このシナリオは、自由市場のほぼあらゆる部分を揺るがす可能性がある。

次の問いを自分に投げかけてみよう。将来、製品を大量生産する大規模な工場に、私たちはどれほど依存するのだろうか。依存度が大幅に下がると答えるなら、そこで働く人々はどうなるのか。エンジニアは忙しいままだろうが、工場の現場で機械を動かしていた人々は、仕事がデジタルファイルの開発になるなら、新たなスキルが必要になる。

多くの模倣品は、税関を通過する際に発見される。物理的な商品をデジタルファイルとして輸送できるようになったら、どうなるのだろうか。

私たちが知る小売業の終わり?

以前にも述べたように、将来の機会がどこにあるのかを正確に予測する企業が勝者となる。ある企業、 Authentiseは、すでにストリーミングサービスとして3Dプリンターにファイルを届ける方法を確立している。この技術を使えば、デジタルファイルそのものを購入するのではなく、デジタルファイルから一度だけ印刷する権利を購入することになる。

小売店が廃業するわけではない。むしろ、未来を形づくるハードトレンドを活用して自らを再創造し、ブランドの関連性を高める方向へ移行できれば、成長する可能性もある。たとえば、一部のオフィス用品店はすでに 3Dプリンティングをサービスとして提供している。オンデマンドの3Dプリンティングにより、顧客が店舗に来る目的は商品を選ぶことから、商品を印刷することへと変わる。

3Dプリンティングが主流になったとき、あなたの事業はどう関わるだろうか。MP3の脅威に直面したレコード会社のように、抵抗を続けるのか。それとも、破壊者たちに先んじるのか。あなた自身が破壊者になるのか。

知的財産と海賊行為をめぐる厄介な細部は、立法者や裁判所が整理していくだろう。重要なのは、これから起こる3Dプリンティング革命によって、メーカーと消費者、デザイナーと最終利用者という区分が大きく揺さぶられるということだ。こうした変化を予測する企業には、巨大な機会が待っている。その一社に、あなたはなるだろうか。

この記事は LinkedInとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。

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著者:ダニエル・バラスは、Burrus Researchの創業者兼CEO。

画像:2014年のComputex展示会で、台北のTWTC南港展示ホールにおいて、Auroraの3DプリンターF1がフィギュアを印刷している。REUTERS/Pichi Chuang

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