米国各地では毎日、象徴的な姿で知られる黄色いスクールバスが2,500万人を超える子どもたちを学校へ送り迎えし、年間約60億キロメートルを走行している。しかし、ひと目でそれと分かるこれらの車両と、運行を担う行政機関は、さまざまな課題に直面している。
大きな課題の一つは運転手不足だ。ハワイからネブラスカまで、米国各地の多くの学区がバスの運行を縮小し、さらには停止せざるを得なくなっている。採用時のボーナスや最低収入の保証を設けても、ネブラスカ州リンカーン市は欠員をすべて埋めるだけの運転手を採用できなかった。

バスの運行には費用もかかる。燃料費と整備費が大きな要因だ。さらに、古くて排出量の多いバスを、より新しい車両に置き換えるよう求める声が強まっており、追加の支出が必要となる。
デジタルによる解決策
しかしボストンでは、自動化がこうした問題の一部を解決する道筋になるかもしれない。自動運転車ではなく、機械学習を使ってスクールバスの運行管理を改善する方法だ。
2017年、ボストン公立学校は、スクールバスの運行を改善し、年間1億2,000万ドルの費用を削減する賢い方法を見つけるため、「BPS交通チャレンジ」と題するコンテストを開催した。
優勝したのは、MITオペレーションズ・リサーチ・センターのクオンタム・チームだった。同チームは、BPSの650台のバス車両に最も効率的で費用対効果の高いルートを割り出すアルゴリズムを開発した。そして昨年、このアルゴリズムは複数の変数を考慮しながらルートの再編に取り組んだ。
BPSは保護者に幅広い学校の選択肢を提供しているため、一部の学校にはボストン市内の20を超える異なる郵便番号地域から生徒が通っている。学区内の多くの学校では始業・終業時刻も異なり、始業時刻は7時15分から9時30分まで幅がある。そのため、バスは少人数の生徒を乗せて何度も運行せざるを得なかった。
次の目的地は、前進
しかし、こうした無駄の多い運行は、ボストンでは過去のものになりつつある。
MITのアルゴリズムはGoogleマップのデータを使って交通パターンを分析する。さらに、生徒の居住地や通学先の学校に関する情報を組み合わせ、最適なルートを算出する。
年間費用は約500万ドル削減され、利用率の低いルート50本が廃止され、存続する運行ではバス1台当たりの生徒数が増加した。
スクールバスの運行計画を立てるチームの作業時間も大幅に短縮された。アルゴリズムならわずか30分で、以前は手作業で数週間かかっていた作業を終えられる。
昨年、BPSのバスは走行距離を160万キロメートル削減し、1日当たりのCO2排出量を9,000キログラム減らした。学区は効率性と有効性を高める継続的な取り組みの一環として、始業・終業時刻の全面的な見直しにもアルゴリズムを活用する計画だ。


