概要
ハーバード大学の教育病院の研究チームが、AIを搭載し、血液感染症を診断できる顕微鏡を開発した。AIは、人の助けを借りずにサンプルの93%を分類できた。
スマート顕微鏡
ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(BIDMC)の微生物学者たちは、人工知能(AI)を活用して命に関わる血液感染症を正確に診断するスマート顕微鏡を開発した。この顕微鏡には機械学習技術が組み込まれており、すでに人手不足の高度な訓練を受けた微生物学者が今後退職していくなか、医療分野の備えに役立つことが期待されている。
チームは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練した。これは、哺乳類の視覚野をモデルに構築され、視覚データの分析に用いられるAIの一種だ。訓練ではまず、細菌をより見えやすくするために染色した25,000枚のスライドから得た100,000枚の画像をAIに見せた。AIはこれらの画像を通じて、目に見える特徴に基づいて細菌を分類する方法を学習した。システムの精度は約95%に達した。
次に研究者たちは、人の介入なしに189枚のスライドをシステムに見せたところ、93%の精度で分類できた。さらに訓練を重ねれば、信頼性の高い自律型分類システムへと発展し、時間と命を救う助けとなる可能性がある。

ベビーブーマー世代の退職
このシステムは、高度な技能を持つ検査技師の人員確保にすでに苦慮している微生物学研究室にとって、大きな助けとなるだろう。米国臨床化学会(AACC)によると、微生物学教育機関の閉鎖とベビーブーマー世代の退職が迫ることで、すでに限られている熟練検査技師の人材がさらに不足する可能性が高い。こうした作業を支援または実行できるAIシステムを完成させることは、命に関わる可能性のある血液感染症の患者が治療を受ける機会を最大限に確保するうえで、大きな助けとなる。
CDCによると、こうした感染症は通常、大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などの細菌によって引き起こされ、毎年数千人の死者と数十億ドルの医療費をもたらしている。
人工知能と医療の関係はまだ発展の初期段階にあるが、大きな進歩が続いている。少し前には、中国のロボットが医師免許試験に合格することさえできた。AIやロボットが医療を支えることで、医療分野がどのような姿になるのか、その可能性の全容はまだわからないかもしれない。しかし、人間以外の助け手が命を救う可能性には、確かに期待が高まる。


