ほんの数年後には、これまで夢見ることしかできなかったレベルまで視力を高められるようになるだろう。初めは高価だが、やがて入手しやすくなり、最終的には「視力が悪い」という概念や、視力1.0という基準そのものがなくなるかもしれない。
ある企業、オキュメティクス・テクノロジー社はこの技術の最前線にあり、現在、バイオニックレンズの試験を進めている。バイオニックレンズは人間の眼にある天然の水晶体に取って代わり、さまざまな改善をもたらす。その最大の利点は、視力がすぐに向上し、距離にかかわらずはっきり見えることだ。遠くの標識をよく見るために目を細めたり、手で目を覆ったりする必要はもうない。
将来的には、バイオニックレンズをアップグレードして、スマートフォンの画面を投影したり、同じレンズを装着した別の人と自分の見ているものを共有したりする機能を追加できる可能性がある。
白内障と緑内障への影響
最大の利点は、白内障手術と同じ器具や技術を使ってレンズを装着できることだ。白内障手術は「医学で最も一般的かつ成功率の高い処置」と呼ばれている。このレンズによって、眼に白内障が生じる可能性をなくせるほか、水晶体が濁ることで有害物質が眼房内に放出されて起こることのある緑内障も防げる。
ただし、ビッグ・シンクによると、人間の眼に関するあらゆる問題や欠陥、たとえば色覚異常、角膜の混濁、視神経の損傷などが解決するわけではない。また、文字どおりサイバネティックな機能強化であるため、レンズを持たない人から不公平だと思われる可能性もある。とはいえ、最初に装着する人々は、手術費用とは別に、レンズ1枚につき約3,200ドルを支払うことになる。バイオニックレンズは今、とても画期的で魅力的に聞こえるかもしれないが、今後の進歩を待つことにも利点がある。
もちろん、白内障の解消、緑内障の症例減少、そして全般的な視力の向上は見過ごせない。この病気は40歳以上の約2,200万人に影響しており、2020年までにさらに3,000万人が発症すると予測されている。バイオニックレンズや将来登場する同様の技術は、その数に大きな影響を与え、世界の見え方を根本から変える可能性がある。


