要点
米疾病対策センター(CDC)は、米国全土の組織間で医療データを共有するために、ブロックチェーンをどのように活用できるか調査している。これにより、感染症の流行へのCDCの対応能力が大きく向上する可能性がある。
データの急増
ブロックチェーン技術はすでに金融の世界に革命をもたらしており、他のさまざまな業界でも同じ変化をもたらそうとしている。その一つが医療であり、今、米疾病対策センター(CDC)は、この技術の活用方法を検討している。
CDCは、感染症に関する情報を州や地方の保健当局と共有することで、米国の公衆衛生の維持に貢献している。しかし、この業務を迅速かつ効率的に遂行するのはかなり難しい。
医療情報の機微性が、この難しさの大きな要因となっている。CDCは、適切な資格を持つ医療従事者だけがデータにアクセスできるようにしなければならない。データの編集には、さらに厳しい制限が設けられている。
こうしたプライバシー基準を確実に満たすには、さまざまな手続きを行う必要があり、その一部は手作業で進めなければならない。時間がかかるため、感染症が流行した際には対応に支障をきたすおそれがある。ブロックチェーンには、このプロセスをはるかに効率化する可能性がある。
ブロックチェーンの利点
CDCは現在、医療従事者に、患者に関する情報を記録できるアプリを提供している。しかし、セキュリティ上の理由から個人を特定できる情報をクラウドに保存できず、代替の保存方法ではプロセス全体が遅くなる。
CDCの監視・疫学・検査サービスセンターで主任ソフトウェアアーキテクトを務めるジム・ナスル氏は、『MITテクノロジーレビュー』に対し、ブロックチェーンならこの問題は起きないと語った。この技術を使えば、ユーザーのプライバシーとセキュリティに関する法律を順守しながら、同じデータをはるかに速く保存・共有できるという。「公衆衛生とブロックチェーンは、本当に相性が良い」とナスル氏は述べた。
この構想はまだ初期段階にあり、答えの出ていない大きな疑問が数多く残されている。データを管理するのは地方、州、国のどの機関であるべきか。誰がデータにアクセスできるべきか。データベース上で患者や公衆衛生機関をどのように識別すべきか。
こうした問題が解決すれば、CDCはブロックチェーンの導入を進めることができる。ナスル氏とチームは現在、複数の異なる試作システムに取り組んでおり、2018年にはこの技術を使った実用アプリケーションの開発に着手したいと考えている。
開示事項:この記事の編集者を含むFuturismチームの複数のメンバーは、いくつかの暗号資産市場に個人投資家として投資している。個人の投資上の見解は、編集内容に影響を及ぼさない。


