テクノフォビアかテクノフィリアか?デジタルトランスフォーメーションについて、もっと議論が必要だ

People look at data on their mobiles as background with internet wire cables on switch hub is projected in this picture illustration taken May 30, 2018. Picture taken May 30, 2018. REUTERS/Kacper Pempel/Illustration - RC138602D200
Putting the burden of digitally responsible behaviour on the individual is unfair and unsustainableImage: REUTERS/Kacper Pempel/Illustration
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コペンハーゲン、東京、シンガポールなど、モノのインターネット(IoT)を導入するスマートシティに住んでいなくても、「デジタルトランスフォーメーション」という流行語を耳にしたことがあるだろう。大きな可能性が広がり、デジタル技術の愛好家、公共機関、企業、スタートアップが、変革を遂げてテクノロジー競争での地位を得ようと一斉に動き出している。自動化ツール、人工知能(AI)、IoT、スマートソリューション、ロボット工学、バイオエンジニアリングは、より良い明日と、シームレスで効率の高い今日を約束する。

しかし、テクノロジー礼賛の波とともに、こうした野心的な技術構想や取り組みには、看過できない脅威がつきまとう。電力供給、交通の流れ、個人情報や健康データを制御・調整するために設計されたデジタルシステムは、悪用やハッキングの危険にさらされ、私たちの未来における最も脆弱な部分となるだろう。テクノロジー導入が急速に進む一方で、必要なセキュリティ対策や、より大きな規模でのプロセス標準化が十分に伴っていないという懸念が高まっている。

一方、最近施行された一般データ保護規則(GDPR)は、デジタル空間で利用者に最大限の安全を提供しようとする大規模な組織が、業務プロセスの変革に際して大きな問題に直面することを示した。他方、ケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルは、利益への飽くなき欲求が、良心のない企業に法律違反や利用者の個人データの悪用を促すことを思い起こさせた。

強力なソフトウェアプログラムは、さまざまなデジタルプラットフォームで得られる情報に基づいて利用者を標的にするよう開発でき、実際にそうしたものが作られるだろう。このスキャンダルはまた、先進国でさえ、司法制度が関連技術とその仕組みに対する理解に乏しいため、こうした課題に対応できないことを示した。

過去のディストピア小説が予見したとおり、私たちは今、もう一つの現実として、偽情報、顔認識、映像操作、プライバシー侵害が広がる世界に生きている。進歩するテクノロジーの裏面には、それがより高次の目的に役立つよう設計されているにもかかわらず、テクノロジーが生み出す恐怖や不安がある。問題はデジタルツールやプラットフォームがどのように、なぜ作られたかではない。問題は、それらが何に変わったかだ。

さらに、技術の進歩がもたらすこの相反する二つの側面は、デジタルに精通した人々と、デジタルリテラシーを欠き、デジタル世界に潜む脅威に気づいていない人々との間に、大きな隔たりがあることを示している。デジタル上で責任ある行動を取り、自らを守る負担を個人に負わせるのは不公平なだけでなく、持続可能でもない。人々がデジタル空間で身の回りに起きていることをよりよく管理できる世界を望むが、その実現に必要なリソースは、すべての関係者が提供しなければならない。

テクノロジーという怪物を手なずける

GDPRは利用者保護のための理想的な構想だったが、実際には、その実施によって企業や機関が直面する複雑な問題が明らかになった。こうした問題は、より多くの規制を定め、全体のプロセスを見直すために、さらに率直な議論が必要であることを示している。セキュリティの問題は、問題が起きてから対処すべきではない。十分前もって予測し、防止すべきだ。

各界のリーダーたちは、こうした問題を認識している。イーロン・マスクは、人工知能の潜在的な脅威を繰り返し指摘し、その力を核兵器にたとえている。ワールド・ワイド・ウェブの生みの親であるティム・バーナーズ=リーは、現在の巨大テクノロジー企業への失望を公然と表明している。

「ウェブの現状には失望しています」と彼は語った。「個人が力を持てるという感覚を失いました。そして、ある程度、楽観的な見方にもひびが入ったと思います。」

バーナーズ=リーは現在、ソーシャルメディアプラットフォームの現行形態に代わるものを提案し、利用者が自分のデータの扱われ方について、より多くのアクセス権と管理権を得られるよう取り組んでいる。

こうした問題に楽観的な立場を取るにせよ、悲観的な立場を取るにせよ、手遅れになる前に取り組む責任は私たち全員にある。テクノロジーという怪物を手なずけるには、皆の力を結集しなければならない。導入される技術をめぐる対話、教育、規制、標準化が必要だ。「私たち」には個人、中小企業、企業、そして何より政府が含まれる。すべての関係者がこの取り組みに加わらなければならない。

プロセスを見直し、デジタルツールやプラットフォームの公開前に、必要なセキュリティ層をすべてその基盤に組み込まなければならない。すべての人が自分のデータを管理できるようにするには、プライバシーとセキュリティの両面から、アクセス制御ソリューション、分散化ツール、ブロックチェーンシステム、AIセキュリティ層を導入する必要がある。

主要な関係者は率先して手本を示す必要がある。政府と企業には、個人と社会全体の双方に影響を及ぼす事態を防ぐため、セキュリティとデータ保護を重視する大きな責任がある。必要なツールや規制を学び、導入する用意があるかどうかは、今後極めて重要になる。

すべての関係者が同じように行動しなければならない。議論を始め、公共機関に働きかける必要がある。私たちが進んで受け入れている非常に優れたテクノロジーに、出し抜かれてはならない。

AppsCo Incは、世界経済フォーラムの「テック・フォー・インテグリティ」コミュニティのメンバーである。

この記事は、世界経済フォーラムの腐敗防止パートナーシップ・イニシアチブ(PACI)が企画した、世界腐敗防止デーに合わせた2部構成シリーズの一編である。

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