NASAの科学者たちが、宇宙のサウンドスケープを作り出した。
データを音に変換するソニフィケーションは、宇宙望遠鏡が捉えた画像に音符を割り当てるために使われている。
研究チームによると、この手法によって、全盲や弱視の人々は宇宙への理解を深めることができた。
古代ギリシャの哲学者ピタゴラスは、軌道を回る惑星が調和を生み出すと考え、それを天球の音楽と呼んだ。今、科学者たちは宇宙の交響曲に耳を傾ける新たな方法を見つけた。
データを音に変換するソニフィケーションという技術が、今や宇宙望遠鏡が捉えた画像内の光点に音符を割り当てるために使われ、目だけでなく耳でも宇宙を体験できるようになっている。
専門家によると、ソニフィケーションは、視覚に障害のある人々が宇宙の遠くにある銀河や星雲の不思議な美しさを味わううえで、特に役立つという。
NASAの宇宙望遠鏡による赤外線、X線、可視光の画像を使い、ハーバード大学を拠点とするチャンドラX線観測所のチームは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に、天文学データを音に変換するプログラムを開始した。
視覚障害のある人々はこの手法を「非常に肯定的」に評価
それまでチームの取り組みは、全盲や視覚障害のある人々向けに、宇宙画像を触って分かる形にする3Dモデリングと印刷に重点を置いていた。ソニフィケーションは完全にデジタルであるため、リモートワーク中もプロジェクトを滞りなく進めるうえで大いに役立った。
ソニフィケーションによって、興味深い一連のサウンドスケープが生み出された。科学者や音楽家は画像に音符を組み込み、その音程を光の波長に合わせたり、音量を光の明るさに反映させたりする。画像をデジタルスキャンすると、音が生成される。
なかでも特に印象的なソニフィケーションの一つは、NASAのウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた、りゅうこつ星雲の「宇宙の崖」に似たガス雲の近赤外線画像を音に変換したものだ。その画像は、地球から7,500光年離れた、南天のりゅうこつ座にある。
実際のりゅうこつ星雲は、宇宙でも特に不安定な領域で、星々が絶えず誕生し、消滅している。ソニフィケーションでは、画像の「山並み」を木管楽器の穏やかな音でたどる一方、最も明るい星々はシンバルの激しい衝突音やけたたましい音で表現される。
ソニフィケーションに使われる画像もまた、科学的なプロセスによって作られたものだ。人間の目にはX線や赤外線のデータは見えないため、科学者たちは日常的に、それらをデジタル変換して、私たちにもおなじみの宇宙画像にしている。
NASAが視覚障害のある人とない人の両グループを対象にソニフィケーションを試したところ、「非常に肯定的」な結果が得られた。全盲や弱視の人々は最も高い関与度を示し、視覚に障害のない人々は、全盲の人が一般にどのようにデータにアクセスするのかをより深く理解できたと述べた。
世界経済フォーラムのグローバル・パリティ・アライアンスは、多様性、公平性、そして特に障害者のインクルージョンの向上に、重要で定量化可能かつ拡大可能で持続可能な効果をもたらす「灯台」となる取り組みを特定しようとしている。


