中国のミレニアル世代がフィンランドの漫画をもとに新語を生み出した

A woman walks on Broad St. past the New York Stock Exchange during the morning commute April 30, 2014. REUTERS/Brendan McDermid (UNITED STATES - Tags: BUSINESS TPX IMAGES OF THE DAY)
Young Chinese people are identifying as jingfen, or “spiritually Finnish".Image: REUTERS/Brendan McDermid
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フィンランドの漫画のキャラクターが中国の若者たちの意外なヒーローとなり、付き合いを強いられることへの抵抗の象徴にもなっている。

漫画『Finnish Nightmares』の主人公マッティは、世間話を恐れ、自分だけの空間を好む典型的なフィンランド人を体現している。ミニマルなタッチで描かれたこの人物は、国旗のように頭に青い十字を掲げ、気まずい人付き合いに悪戦苦闘する。

先週、上海の書店でこの漫画シリーズを読んだ25歳のヤン・イークーさんは、今では自分を精神芬、つまり「精神的にはフィンランド人」だと考えている。これは、フィンランド人の社交を好まないというステレオタイプに自分が当てはまると感じる人を指す、新たに作られた中国の流行語だ。

マッティと同じように、ヤンさんは知人にばったり会う、見知らぬ人とエレベーターに乗り合わせる、職場の会議で自分のことを話題にされるといった状況に、ひどく居心地の悪さを感じるという。

「人は本来、みんな反社交的です。でも、状況によっては人付き合いを強いられます」とヤンさんはSixth Toneに語る。広報の仕事をするヤンさんは、ときどき自分を奮い立たせて社交的に振る舞うが、人付き合いはとても疲れるという。

多くの中国のミレニアル世代が、ヤンさんと同じようにフィンランド流の暮らしに共感している。人口密度の低い北欧のこの国は、先月、中国のソーシャルメディアでいくつもの投稿が拡散したことで注目を集めた。

6月1日、マイクロブログサービス「微博(Weibo)」のライフスタイル系アカウントが投稿したのは、フィンランドの歩行者通りに、互いに大きく離れて置かれ、すべて異なる方向を向いた一人掛けの椅子が並ぶ写真だった。この投稿には2万3000件を超える「いいね」が寄せられた。最も多く賛同を集めたコメントには、「社交不安のある人にとって、最も移住したい場所」とある。

『Finnish Nightmares』の漫画。バスで座席を探す主人公マッティが、居心地の悪さを感じている。Image: カロリーナ・コルホネン提供

ほかの投稿も相次いでフィンランドをトレンド入りさせた。6月2日に投稿された、新語精神芬を紹介するカードは、その後微博で6000回以上シェアされた。一方、漫画シリーズやフィンランドの社会規範を紹介する投稿も読者の心をつかみ、楽しませた。たとえば、バスを待つときに一人ひとりが数メートルの間隔を空けるといった習慣が紹介された。

中国東部の安徽省に住む26歳のチェン・スーさんは、学士号取得のためフィンランドのクオピオで3年間学び、今では自分を精神芬と呼んでいる。フィンランドで過ごした時間が自立した性格を形作ったと、彼女はSixth Toneに語る。ただ、もう一つの要因は一人っ子だったことだという。

「私たちの世代には、親の世代と比べて精神芬に当てはまる人がずっと多いと思います」とチェンさんは言う。一人っ子政策のもとで育ったミレニアル世代にとって、孤立は当たり前だった。「今では一人で楽しく暮らせると気づいたのです」と彼女は説明する。

フィンランドの社会規範は、主に人口密度の低さから生まれたものだとチェンさんは言う。「ほかに空席があるのに、誰かが隣に座るとは思わないでしょう」。

『Finnish Nightmares』の作者であるアーティストのカロリーナ・コルホネンさんは、中国のミレニアル世代の間で作品が人気を集めていることに驚いているという。「中国の人たちは混雑した場所に慣れているのかと思っていました」と、Sixth Toneへのメールで答えた。

コルホネンさんは、精神芬はすばらしい流行語だと思っている。「以前、出身地にかかわらず、誰の中にも少しはマッティがいると言ったことがあります」と彼女は付け加える。

精神芬は、中国語で「統合失調症」を意味する言葉と同じ発音だ。フィンランドに10年間暮らすヴィヴィ・ジャンさんは、自分は精神的にはフィンランド人で、頭がおかしくもあると冗談を言う。

「フィンランドにいるときは静かにしています。故郷に戻ると、避けられない集まりがいろいろあって、話さないと気まずくなるので、無理に話さなくてはいけません」と彼女はSixth Toneに語る。

「この言葉、精神芬は、中国の中間層が避けられない社交の集まりに抱く不安を言い当てていると思います」とジャンさんは話す。同じように、「気まずい」「野心がない」を意味する「ガー」や「サン」など、近年は現代特有の心理状態を表す新語が次々と生まれている。

海外で長年暮らしたジャンさんは、フィンランドの習慣をいくつも身につけた。今では、誰かがすでにバス停の屋根の下に立っていたら、雨が降っていても外で待ち、携帯電話や自分の足元を見つめているという。

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