スマートフォン市場はピークに達したのか?

People use their smartphone to take photos of the L'Oreal fashion show on the Champs Elysees avenue during a public event organized by French cosmetics group L'Oreal as part of Paris Fashion Week, France, October 1, 2017. REUTERS/Charles Platiau
Smartphones have become a key part of global trade, but sales peaked in China in 2015.Image: REUTERS/Charles Platiau
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10年以上にわたる目覚ましい成長を経て、スマートフォン需要は新たな世界的なテクノロジーサイクルを生み出し、昨年は地球上の5人に1人に当たる台数のスマートフォンが新たに生産された。

これにより、アジア全域に複雑で変化し続けるサプライチェーンが形成され、複数の国の輸出や成長の動向が変わった。最近の分析では、中国のスマートフォン輸出から世界市場が飽和状態にある可能性が示唆される一方、その他の電子機器への需要がアジアの半導体生産の拡大を支え続けている。

テクノロジーが新たな貿易の主役に

スマートフォンは世界貿易を測る重要な指標となっている。2016年、世界のスマートフォン販売台数は約15億台に達した。世界中の多くの人々にとって、スマートフォンはパソコンに取って代わる主要なコンピューティングプラットフォームとなった。図が示すように、スマートフォン需要が急増する一方、パソコンの販売台数は減少している。

スマートフォンとパソコンの販売台数の比較。Image: IMF

この変化により、アジアでは複雑で活発に変化する電子機器のサプライチェーンが形成された。2016年、中国は1,070億ドル相当のスマートフォンを世界の他の地域に輸出し、これは同国の総輸出額の5%に相当した。スマートフォン部品の主要供給国である韓国では、半導体輸出が総輸出額の17%を占めた。同様に、サイクルのピーク時には、スマートフォン生産用部品が中国台湾省の総輸出額の3分の1超、シンガポールと韓国の輸出額の15%、マレーシアの輸出額の11%を占めた。

新たなテクノロジーサイクルによる付加価値のデータは容易に入手できない。しかし、コンピューター、電子機器、光学機器各部門がGDPに生み出す付加価値に関するOECDのデータから、その規模を把握できる。韓国では2013年、コンピューター、電子機器、光学機器各部門が付加価値総額の7.4%を占めた。2012年の比率は日本で2.1%、アイルランドで2.0%だった。このテクノロジーサイクルを反映し、その後数年間で比率は大幅に上昇したと考えられる。

拡大するテクノロジーサイクル

スマートフォン需要は、新機種の発売に連動する周期性が非常に強い。そのため、アジアの複数の国で生産と貿易の相関が強まり、パソコンに関連していた従来のサイクルとは異なる新たなテクノロジーサイクルが形作られている。

私たちの論文では、新たなテクノロジーサイクルは通常の季節性では捉えられず、Apple Inc.のiPhoneの発売日に左右されることを示している。このサイクルは2つの要素に分けられる。第1は発売前のサイクルで、アジアの複数の国から、スマートフォンの大半を生産する中国へ部品が輸出される。第2は発売後のサイクルで、中国から世界の他の地域へスマートフォンが出荷される。発売前と発売後の両サイクルは、アジアおよびその周辺地域の成長と貿易のパターンに大きな影響を及ぼしている。

AppleのiPhone発売は、新たなテクノロジーサイクルを左右する主要因である。世界的な需要の急増を反映し、iPhoneの販売台数は2012年第1四半期の3,510万台から、2016年第4四半期には7,830万台へと急増した。明確な四半期ごとのパターンが現れており、第2四半期と第3四半期の販売は通常低調で、第4四半期に次の新機種が発売されるとの見方を反映している。このパターンの振幅が明らかになったのは、2014年9月にiPhone 6/6 Plusが発売されてからである。第4四半期から第1四半期にかけては、中国の春節を前に明確な波及効果が見られる。

Appleの四半期別販売台数。Image: IMF

世界市場が飽和状態に達したことを示す証拠

私たちの分析によると、この新たなテクノロジーサイクルは2015年後半にピークを迎えた可能性があり、2015年9月に最も高い水準に達した。中国の春節に伴う毎年15日間の工場操業停止期間中の生産減少も考慮している。

中国の国内スマートフォン市場は2017年に初めて縮小し、AppleのiPhone販売台数も2017年第4四半期に前年同期比で減少した。業界では依然として販売台数の増加が予測されているが、私たちの分析によると、スマートフォンメーカーは売上高の継続的な成長を支えるため、値上げに頼らざるを得ない可能性がある。

中国からのスマートフォン輸出。Image: IMF

同時に、アジアは車載コンピューター、スマート家電、ウェアラブル端末など、成長を続ける他の民生用電子機器でも市場シェアを拡大している。世界のスマートフォン販売の減速にもかかわらず、韓国の半導体輸出に対する基調的な需要は加速し続けている。中国台湾省でも、電子機器の輸出受注の基調は引き続き堅調である。

スマートフォン生産を軸とするこのテクノロジーサイクルは、世界経済の新たな重要な牽引役となった。世界のスマートフォン市場は飽和状態に達した可能性がある一方、その他の電子機器への需要がアジアの半導体生産を押し上げ続けている。

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