デジタル技術には巨額の投資が行われています。過去の技術変革の波で蒸気機関、組立ライン、コンピューターがもたらしたほどには、生産性を高めないのではないかと懸念する人もいます。一方、より楽観的な見方もあります。 新たな調査が、世界経済フォーラムとアクセンチュアによって実施され、希望を持てる余地があることを示唆しています。
4つの技術、すなわち人工知能とビッグデータ、モノのインターネット、ロボティクス、モバイル/ソーシャルメディアを活用する16,000社のデータに基づき、次の傾向が明らかになりました。
1. デジタル投資の急増をけん引するのはモノのインターネット
テクノロジーへの総投資額は、2020年までに2.4兆ドルに達する見込みです。その頃には、コーヒーメーカーから石油掘削装置まで、あらゆるものをオンラインにつなぐモノのインターネットへの投資が、ほかを大きく上回る最有力の投資先となります。IoTは、デジタルの次の段階を結び付ける接着剤と見なされており、何十億もの機器がデータを送受信できるようにします。
2. テクノロジー投資の効果は、業界によって異なる
化学や鉱業のような資産集約型の業界では、ハードウェアへの投資効果が高く、ロボティクスはモノのインターネットよりも生産性向上に寄与します。一方、専門サービスや金融サービスのような資産の少ない業界では、認知技術やソーシャル/モバイルメディアといったソフトウェアへの投資の効果がはるかに高くなります。
3. 上位20%の企業は、その他の企業の2倍を超えるリターンを得る
生産性で業界の上位20%に入る企業、すなわちリーダー企業は、ロボティクスやモバイル/ソーシャルメディアから特に大きな成果を引き出しています。下位80%の企業では、モノのインターネットと認知技術の効果がより高くなっています。
4. 技術を組み合わせて導入すると、生産性の向上幅は3倍になる
予想どおり、労働生産性の向上にはロボティクスが最も効果的です。売上高にはモバイル技術と認知技術が最も効果的です。しかし、最も効果が高いのはこれらの組み合わせです。
5. 重工業でもサービス業でも、4つの技術すべてにまとめて投資するのが理にかなう
重工業ではロボティクスからより大きな価値が得られ、サービス業ではモバイルやソーシャルメディアの効果がより高くなります。しかし、4つの技術すべてを包括的に活用すると、リターンはおおむね同じになります。
人間の要素も忘れてはならない
業界団体との議論から、まだ成熟度の低い認知技術やIoTから大きなリターンを得るには、適切な企業文化が必要であることが示唆されています。特に、機敏でデジタルに精通したリーダーシップ、従業員のデジタル志向、そしてサプライヤー、販売業者、顧客など組織外の関係者との協業が求められます。


