人材確保に苦戦する米国企業は、2021年の最初の9か月間に、これまでで最も多くのロボットを発注しました。
COVID-19による経済の混乱とリモートワークの増加により、技術導入のペースが加速しました。
クラウドコンピューティング、ビッグデータ、電子商取引の導入は今後数年も拡大し、職場の業務プロセスをさらに置き換えると予想されています。
ロボットの開発をめぐっては、機械が人間の仕事を奪うとの懸念が長らく示されてきました。しかし米国では、多くの企業が人材確保に苦戦するなか、ロボットの受注が過去最高に達しています。
北米の工場や産業関連企業は、2021年の最初の9か月間に過去最多となる29,000台のロボットを発注しました。Association for Advancing Automation(A3)によると、これは前年に比べて37%の増加です。
固定機能ロボットは工場の生産ラインで一般的になり、自動車から食品まで、幅広い製品の製造を支えています。それと並行して、自律技術の進歩が世界的なロボットブームを後押しし、幅広い用途が広がっています。たとえば、AI搭載の業務用フライヤーから自律型の産業施設点検ユニットまであります。
上の図が示すように、ロボットと自動化の利用は増加傾向にあります。自動車メーカーなどの先行導入企業は業務へのロボット導入を拡大しています。一方、A3によると、農業、建設、電子機器、食品加工、ライフサイエンス、金属加工、倉庫業などの業界でも、初めて導入する企業が現れています。
「企業は必要な人材をどうしても見つけられない。だからこそ、自動化を急いでいるのです」A3会長のジェフ・バーンスタイン氏はロイターに語りました。
ロボットが担うこれからの仕事
「パンデミックによる景気後退と自動化の拡大が組み合わさり、「二重の混乱」を引き起こしている」と、世界経済フォーラムの『仕事の未来2020』報告書は述べています。
COVID-19への対応による短期的な経済の混乱に、多くの人々が突然リモートワークへ移行したことが重なり、技術導入のペースが加速しました。
報告書は、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、電子商取引の導入が今後数年も拡大すると予測しています。たとえば、年次調査に参加した企業では、2025年までにクラウドコンピューティングの導入が2018年の水準から17%増加すると見込まれています。
人間とロボット:仕事の分担
人間と機械の間での仕事の割り当ても変化すると見られています。幅広い業務において、『仕事の未来2020』の調査回答者は、ロボットが反復的な作業や単純作業をより多く担い、人間はより本質的な仕事に集中できるようになると予想しています。
人間から機械への労働力の移行により、2025年までに推定8,500万件の雇用が失われる可能性があります。自動化が進む未来には、どのような仕事が増え、どのような仕事がなくなるのでしょうか。
さまざまな産業分野で、AI、機械学習、ビッグデータの専門家に加え、データを解釈できるアナリストや科学者も高い需要があります。
データ、自動化、デジタル戦略に関連する職種が急増する一方で、事務や会計、組み立てラインの作業、銀行窓口業務など、従来の仕事のいくつかは姿を消しつつあります。世界経済フォーラムは、自動化によって失われる仕事を上回る5,800万件の雇用が創出されると予測しています。
世界経済フォーラムは第四次産業革命にどのように取り組んでいるのでしょうか。
フロンティア技術・イノベーションセンターは、科学者、政策立案者、ビジネスリーダーを結集し、新興技術とその現実社会への影響を理解するための取り組みを進めています。
連携と実験を促すことで、同センターはパートナーが研究段階のイノベーションを、共通の世界的課題に対処する実用的な応用へとつなげるのを支援します。
技術変化のペースが加速するなか、スキル格差の拡大を防ぐため、労働者の訓練、リスキリング、スキルアップの重要性がますます高まっています。より多くの業務を担うロボットが増えるにつれて、企業や政策立案者が、影響を受ける労働者や職を失った労働者の新たなスキル習得と、変化する働き方への適応を支援することが不可欠だと、フォーラムは述べています。

