職場でロボットの導入が進めば、企業の効率性や生産性が高まり、より高賃金の仕事が生まれ、ひいては経済を押し上げると期待されている。しかし、仕事の自動化が進むほど、男女間の賃金格差はさらに拡大するとシンクタンクが警告している。
公共政策研究所(IPPR)は、新たな報告書(PDF)で、職場へのロボット導入がもたらすプラス面とマイナス面を示した。プラス面として、ロボットによって英国の生産性の伸び率は毎年0.8%から1.4%上昇し、2030年までにGDPを10%押し上げる可能性があると推計している。また、「技術的に自動化が可能」な仕事に関連する賃金総額は2,900億ポンド(3,900億ドル)に上ると予測する。「自動化によって平均賃金や労働時間が減少したり、雇用全体が失われたりすれば、国民所得のかなりの部分が労働から資本へ移転する可能性がある」と報告書は述べている。
一方、報告書は、自動化によって女性やマイノリティの賃金格差が広がると警告した。今後数十年でロボットが比較的技能を要しない仕事を段階的に置き換え、その代わりに生まれる仕事はより高度な技能を必要とする可能性が高いためだ。報告書によると、低賃金の仕事は高賃金の仕事に比べ、自動化される可能性が5倍高い。

IPPRは「自動化はジェンダーや人種による不平等を拡大させるリスクがある」と述べ、女性や一部のマイノリティ集団は、技能水準が低く「自動化可能」な職業に就く傾向が高いと指摘している。「不平等への影響は、新たに創出される仕事に必要な技能水準と、個人が機会にアクセスできるかどうかによって決まる」。
したがって、ロボットが仕事を奪っているわけではないと言えるとしても、技能水準の低い労働者が、より高い賃金を得られる新たな仕事に就いたり、そうした仕事を続けたりすることは難しくなる。
今年初め、世界経済フォーラムは、世界の経済における男女格差を解消するには217年かかると警告した。
この格差は、男性と同じ仕事をしている女性の賃金が低いことだけを反映したものではない。OECD全体で見ると、賃金格差はわずか2%だ(有料記事)。賃金格差の主な要因の一つは、女性が男性より無償労働に従事したり、労働市場から離れたりする割合が高いこと、平均賃金の低い業界で働く割合が高いこと、そして高賃金の管理職に就く割合が低いことだ。
そして、まさにこうした仕事の領域こそ、自動化の普及がさらに圧力をかけ、職場や賃金における不平等という深刻な問題を悪化させる。


