Q&A:センス・アンド・アボイド・ドローンの未来

Q&A:センス・アンド・アボイド・ドローンの未来
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センス・アンド・アボイド・ドローン は、 2015年の新興技術10選 として、 世界経済フォーラムの新興技術メタ評議会が取り上げた技術の一つです。

無人航空機、通称ドローンが、人や物、そして互いとの衝突を確実に回避できるようになれば、さまざまな作業をこなしながら、空に日常的に見られる存在になるかもしれません。

ドローンの進歩を後押ししているもの、そして今後どのような用途で使われると予想できるかについて、カーネギーメロン大学のロボット工学研究教授、レッド・ウィテカー氏に話を聞きました。

「センス・アンド・アボイド」機能を備えた未来のドローンは、現在の無人航空機とどう違うのでしょうか。

未来のドローンは、衝突を回避し、意図した目的を安全に達成するために、周囲を感知し、考え、行動します。現在のドローンは、そのような方法で感知したり考えたりできません。他のものに反応したり、周囲と相互作用したりすることもできません。見えないものに対応することはできないのです。現在のドローンの中には自律飛行できるものもありますが、最も優れた機体でさえ、将来必要となる高い水準から見れば、盲目的に飛行しています。

ドローンが自ら飛行できるようになるには、何が必要ですか。

予測できない局所的な環境を理解し、それに対応できる必要があります。要するに、ミツバチや鳥、魚が、近い距離で一緒に移動しているときでも、高度や軌道を変えて衝突を巧みに回避する、そのやり方を再現する必要があります。

それを現実にする技術上のブレークスルーとは、どのようなものでしょうか。

必要な幅広い分野の発展が収束してきています。特に重要な取り組みの一つは、並列処理能力を大幅に高める専用ソフトウェアとハードウェアによって、「感知・思考・行動」のサイクルを高速化することです。自動運転車は、巧みに運転しているように見せるだけなら、このサイクルを1秒にたとえば10回まわすだけでよいかもしれません。しかし、近距離で安定かつ機敏に飛行するには、1秒に100回、あるいは1000回に近い頻度が必要です。ここ数年、この制御サイクルの最適化と高速化は大きく進展しました。センサー技術にも目覚ましい進歩が見られます。新しい深度カメラは、単なる画像ではなく、深さ、距離、形状を感知できます。どこが安全でどこが危険な飛行場所か、また衝突をどう避けるかを判断するうえで、これは非常に有用です。プロジェクターが今や非常に進歩し、スマートフォンにも搭載され始めていることをご存じの方もいるでしょう。プロジェクターでチェッカーボード状の線パターンを周囲に投影し、カメラでそれを観察すれば、視野内の世界をモデル化できます。しかも、さまざまな光の条件下で、十分な距離、精度、速度を実現できます。これは、ほんの数年前に可能だった技術を大きく上回るものです。別の例として、慣性センサーは性能が向上し、小型化、低価格化、堅牢化が進んでいます。これらはドローンの姿勢安定と制御に不可欠な中核技術です。慣性センサーは人間の内耳のように、動きや垂直方向を感知します。以前のセンサーは、大型で扱いにくく高価な、可動部品をモーターで動かす機械式ジャイロスコープでした。今では、可動部品のない、安価で正確な小型装置になっています。これはほんの数例にすぎません。プロペラ技術から素材、処理アルゴリズム、センサー、通信に至るまで、A地点からB地点へ飛び、危険を避けるための基本要素のすべてで、段階的な進歩が積み重なり、変革をもたらすという同じことが起きています。

現在、ドローンはどのような用途に使われていますか。

現在、最大の商業利用分野はおそらく農業で、水や農薬などの投入資材をできる限り効率よく使えるよう、作物を監視しています。ドローンは測量業界にも変革をもたらしており、建設、不動産販売のための調査、インフラの評価などで活用されています。樹木の調査や森林の健全性の確認も、はるかに容易になります。交通の監視と制御も、あまり注目されていない利用分野の一つです。ドローンを使った映像撮影には、街を巡るツアーのような見事な事例もあります。今年初め、CNNはセルマ公民権行進から50周年を記念する行事で、初めてニュースの生中継にドローンを使用しました。もちろん、安全保障を目的とした監視用途もあります。ことわざにあるように、情報は力であり、ドローンは情報を生み出す強力な手段です。しかし、ドローンの大きな価値は、物事を観察するだけの段階から、実際に物事を行う段階へ移行できたときに生まれます。

何が可能になるのでしょうか。

人の作業員を派遣して行っていることの多くが、実現する可能性があります。物を持ち上げたり運んだり、配達したり、電柱に登ったり、電線を張ったり、捜索・救助をしたり、樹木を剪定したりする作業です。ドローンを、飛行し空中でホバリングできるロボットと考え、 次世代ロボット工学で実現しつつある進歩を考えれば、その可能性が見えてくるでしょう。この技術は、成熟までまだ長い道のりがあります。安全性と信頼性の課題を克服し、ドローンが空域を共有できる道が開かれたときに実現する可能性のうち、現在はまだ2%程度の段階にあると言えるでしょう。

許容できる水準の安全性と信頼性を実現する見通しはどうでしょうか。

成熟し日常的に使われる技術であっても、常に不具合は起こります。これは統計上避けられません。人間が操縦する旅客機でさえ、ハードウェアやソフトウェアの問題、人為的ミス、悪意ある行為を免れません。センス・アンド・アボイド・ドローンも例外ではないでしょう。ドローンがより幅広い目的に使われるようになるにつれ、メリットとリスクのバランスを取る必要は常にあります。たとえば、当初は良好な条件での特定の用途を認めても、暗闇や悪天候では認めないという判断もあり得ます。こうした議論は、どのような技術についても途切れることはなく、ドローンも例外ではありません。

著者:レッド・ウィテカー、カーネギーメロン大学ロボット工学研究教授

画像:ニューヨーク市上空を飛行するカメラ搭載ドローン、2014年3月12日。REUTERS/Mike Segar

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