ラテンアメリカ、次世代の世界的テック拠点となる機が熟す

A general view shows buildings and cars driving down a main avenue in downtown Sao Paulo, Brazil, February 1, 2018. REUTERS/Paulo Whitaker
Latin America is poised for a new wave of tech companies to become market leaders.Image: REUTERS/Paulo Whitaker
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ラテンアメリカは、次世代のスターとなるテック系スタートアップを育てるまたとない機会に直面しています。インターネットやモバイルインターネットの利用者増加など、市場の状況は米国を上回るペースです。また、GDPは9.5兆ドルで、インドを上回り、中国とほぼ同じ規模です。さらに、銀行や産業複合体が依然として市場を支配しており、未来を切り開く余地が十分にあります。こうした見方は明白で、あまり変化はなかったと言えるかもしれません。しかし、あることが起こりました。

この地域でベンチャーキャピタル資金調達の記録を更新

私たちは現在、インターネット技術革命の成熟段階を迎えています。カルロタ・ペレスの研究によれば、中核市場が飽和し、技術と金融資本が周辺部、つまり発展の遅れた国々へ移っていくのがこの段階です。

そして、地域の投資環境における最近の変化は、これが起きていることを示唆しています。2017年には、この地域のテック分野へのベンチャーキャピタル投資額が過去最高の11億ドルを記録しました。過去5年間は約5億ドルで横ばいだったことと比べると、大きな躍進です。この傾向は現在も続いており、2018年第1四半期だけで6億ドルを超える投資がありました。

大型資金調達ラウンドが現実に

この記録的な資金調達の一因は、地域で大型資金調達ラウンドが登場したことです。企業が1億ドル以上の資金を調達するのは初めてです。99(Didi Chuxingが買収)、Nubank、Rappiはいずれも過去2年間に大型ラウンドを実施しました。SelinaやMovileは9,000万ドル超、当社のポートフォリオ企業であるAuth0は2018年に5,000万ドルのラウンドなど、ほかにも大規模な調達がありました。しかし、調達額の増加は大型ラウンドだけによるものではありません。2017年には300万ドル以上の取引が30件を超え、2016年に比べて同規模のラウンド数は3倍になりました。これは、かつてなかった市場の成熟を示しています。

海外ベンチャーキャピタルの進出が拡大

世界のベンチャーキャピタル企業は、ここ数年、地域への投資に慎重でした。しかし、この状況も変わりました。新たな投資家や、以前から知られる投資家が機会を探しています。Andreessen Horowitz、Sequoia Capital、Accel Partners、SoftBankなどがその例で、Didi Chuxingのような戦略的投資家もいます。2017年だけで、世界のベンチャーキャピタル企業が新たに25社以上この地域に進出しました。

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エコシステムの発展

技術革命の成熟段階を最大限に生かすには、ベンチャーキャピタルの資金だけでは不十分です。新たな資本の流れの影響を増幅させる、ほかの補完的な条件も満たす必要があります。ペレスが述べるように、物理的、社会的、技術的なインフラと、能力が高く要求水準も高い地元の顧客の存在も必要です。前述のとおり、インターネット利用や所得といった条件は整っています。また、スマートフォン利用者数と電子商取引の購入者数も米国の水準に近づいています。しかし、もう一つ変化した条件があります。制度面の支援です。

制度面の支援

2010年代には、新たなベンチャーキャピタル企業やアクセラレーターの登場によって、地域のエコシステムが活性化しました。両者が一体となって豊かなエコシステムを築き、新しい世代のラテンアメリカのスタートアップが生まれました。時がたつにつれて、各国政府や機関投資家からの支援も現実のものとなりました。さまざまなプログラム、資金供給枠、規制変更を通じて、現在は地域のエコシステムの発展を支えています。例としては、Start-Up Chile、メキシコのFund of Funds、ブラジルのBNDES、そして最近成立した起業家法案(アルゼンチン)があります。また、米州開発銀行(IADB)やアンデス開発公社(CAF)などの機関投資家も、LP、直接投資家として、またさまざまな融資枠や助成金を通じて地域で活動しています。

まとめ

ラテンアメリカで成熟の兆しが見られるのは初めてです。資金調達の増加、流動化イベント、強固な起業家層、制度面の支援拡大が現実のものとなっています。上場テック企業は既存大手に追いつきつつあります。Mercadolibre、Despegar、Globant、B2Wの時価総額合計は、2017年に2倍の340億米ドルとなりました。また、99やNubankのような新たなスターとなるテック系スタートアップも誕生しています。これはまたとない時であり、またとない機会です。ラテンアメリカでは、新たなテック企業の波が市場をリードする立場へと成長する機運が高まっています。そして、これは始まりにすぎません。

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