スペインの研究者とともに、MITの科学者らは、ビタミンB12を利用して遺伝子調節などの重要な機能を果たす光感知タンパク質を発見し、その構造を明らかにしました。
細菌 Thermus thermophilusのタンパク質を研究して得られたこの成果には、幅広い関心を集める発見が少なくとも二つあります。第一に、ビタミンB12の生物学的役割についての知見が広がりました。ビタミンB12は脂肪をエネルギーに変換するのを助け、脳の形成にも関与することがすでに知られていましたが、今回、生物が光を感知し、それに応答できるようにする構造体である光受容タンパク質の重要な構成要素であることが明らかになりました。
第二に、この研究は、光感知タンパク質が重要な役割を果たす新たな遺伝子調節の仕組みを説明しています。科学者らによると、細菌はビタミンB12を利用する既存のタンパク質構造を転用し、新たな方法で機能させていました。
「自然はビタミンだけでなく、酵素ユニット全体を借りて改変し……光センサーにしたのです」と、MITの化学・生物学教授キャサリン・ドレンナンは述べています。
この研究成果は今週、学術誌 Nature に詳しく掲載されました。この論文では、光受容体を、暗所にある状態、DNAに結合した状態、光にさらされた後の状態という三つの異なる状態で説明しています。
「一連の構造をすべて明らかにし、各段階でどのように機能するのかを理解できたのは素晴らしいことです」とドレンナンは語ります。
論文の共著者は9人で、ドレンナンのほか、MITの大学院生パーシヴァル・ヤンティン・チェン、マルコ・ヨスト、カン・ギョンフン、マドリードのロカソラノ物理化学研究所のヘスス・フェルナンデス=サパタとS・パドマナバン、そしてスペイン・ムルシアのムルシア大学のモンセラート・エリアス=アルナンス、フアン・マヌエル・オルティス=ゲレロ、マリア・カルメン・ポランコが名を連ねています。
研究者らは、X線結晶構造解析と試験管内分析を組み合わせて細菌を調べました。大学院生の頃からビタミンB12を利用する酵素を研究してきたドレンナンは、研究の重要な部分を共著者全員が担ったと強調します。
ヨストは結晶構造解析を行い、構造の形状を明らかにしました。一方、ドレンナンによると、スペインの研究者らは「私たちの考えが本当に正しいことを示すための対照実験をすべて行った」など、重要な役割を果たしました。
光受容タンパク質の構造を三つの状態で研究することで、科学者らは、タンパク質を一つの状態だけで観察した場合よりも、その構造と機能を詳しく理解できました。
微生物は多くの生物と同様に、明るい場所にいるのか暗い場所にいるのかを知ることで恩恵を受けます。暗所では光受容体がDNAに結合し、 Thermus thermophilusの 遺伝子に関わる活動を抑えます。光が微生物に当たると、ドレンナンの言葉を借りれば、光受容体の構造が切断されて「ばらばらになり」、細菌はカロテノイドの産生を始めます。カロテノイドは、DNA損傷など、日光による悪影響から生物を守ります。
また、この研究は、光受容体がDNAに結合する正確な仕組みが新しいものであることも示しています。構造にはタンパク質の四つのサブユニットからなる四量体が含まれ、そのうちちょうど三つが遺伝物質に結合しています。ドレンナンは、この点に驚いたといいます。
「それが科学のいちばん素晴らしいところです」とドレンナンは語ります。「新しい現象を見つけても、実際にはそれほど新しくないのではと思うことがあります。でも実験をすると、[本当に新しいと]分かるのです。」
他の科学者らも、この発見は重要だと述べています。論文を読んだミシガン大学の生物化学名誉教授ロウィーナ・マシューズは、「非常にわくわくする進展です」と語ります。ビタミンB12とその誘導体であるアデノシルコバラミンの新たな利用法について、マシューズは「その多様性については、これまでほとんど知られていませんでした」と付け加えます。
ドレンナンはさらに、長期的には、この発見が実用化につながる可能性があると述べています。たとえば、光によってDNAの転写を制御する技術や、タンパク質間の相互作用を制御する方法の開発などです。
「これに実用的な応用があり得るかどうか、ぜひ考えてみたいです」とドレンナンは語ります。
この記事は、 MIT Newsとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:ピーター・ディジケスはMIT Newsの記者です。
画像:夜遅く、リヨン中心部で開催される光の祭典のリハーサル中に、アーティスト、セヴリーヌ・フォンテーヌによるインカンデセンスのインスタレーションの一部として展示された巨大な白熱電球。REUTERS/Robert Pratta

