紙で読むと、記憶力と理解力は高まるのか?

紙で読んだ方が記憶力と理解力は高まるだろうか?
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本稿はもともと英国心理学会(British Psychological Society)の「 Research Digest Blog」に掲載されたものである。

重要な 節目 が訪れたのは、2012年にアマゾンが、同社の電子書籍端末Kindleのプラットフォームにおける書籍の売上が初めて紙の書籍の売上を上回ったと発表した時である。電子書籍リーダーが便利であることに疑いはない。何千もの書籍を一台の端末に収めることができるからだ。しかし、 一部の論評者 は、紙の書籍で読む場合と比べ、デジタル読書が記憶力や理解力に悪影響を及ぼすのかどうかを疑問視し始めている。

2010年に発表された、安心材料となる 研究 では、実際に資料を電子的に読んだ場合と紙で読んだ場合とで、想起に差は見られなかった。今回、 サラ・マーゴリン 氏と同僚たちは読解力を検証し、Kindleまたはコンピューターで読んだ資料について、紙で読んだ場合と比べて理解度の低下が見られないことを改めて確認した。

マーゴリンのチームは、90人の学生参加者(平均年齢19歳)を招き、短い文章10編を読んでもらった。3分の1は紙で読み(A4サイズ、Times New Roman)、30人は第2世代Kindle(6インチ画面)で読み、残りはコンピューターモニター上でPDFリーダーを用いて読んだ。10編のうち5編は事実に基づく文章(伝記)、5編は文芸小説からの抜粋であった。各文章の後、学生は5〜6問の多肢選択式の理解度問題に答えた。各文章を読む時間は好きなだけ取ってよかったが、問題への回答を始めた後は本文に戻ることはできなかった。

全体の正答率は約75%で、そして重要なことに、3つの条件間で理解度の成績に差は見られなかった。これは事実に基づく文章でも物語文でも同様であった。「教育や教室の観点からすれば、これらの結果は心強いものです」と研究者たちは結論づけている。「新しい技術はこれまで破壊的と見なされてきたこともありますが、これらの結果は、読むのに使用した形式にかかわらず、学生の理解度が必ずしも損なわれないことを示しています。」

残念ながら、この研究では参加者の電子書籍端末への慣れについては検証されなかった。年長の被験者や、デジタル機器に不慣れな読者を対象としても同じ結果が得られるかどうかは、今後の検討課題である。また、本文は約500語の長さに過ぎなかった。今後の研究では、章全体や書籍全体の理解度を検証する必要がある。iPadのようなバックライト付きで、気を散らす可能性のある機能を多く備えた機器も検証する必要がある。

掲載は、世界経済フォーラムによる見解への支持を意味するものではない。

著者は、認知神経科学者から科学ライターに転身したクリスチャン・ジャレットで、英国心理学会のResearch Digestブログの編集者兼制作者である。最新刊は『 Great Myths of the Brain』である。

画像:屋外の書店で本を読む女性。REUTERS/Ognen Teofilovski.

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