バブルなのか、未来の正当な通貨なのか。ビットコインの台頭をめぐっては、激しい議論が続いている。
しかし、代替暗号資産の価値や可能性にはあまり注目が集まってこなかった。なかでも知名度が高いのは、リップルとイーサリアムだ。
ビットコインに着想を得たデジタル通貨の総称は、アルトコインであり、2017年10月時点で1,100種類を超えるとみられ、時価総額は合計で約1,500億ドルに上る。

さらに、独自の国家暗号資産を開発する国もある。ドバイは昨年、初の公式暗号資産であるEmcashを発行し、また、中国人民銀行も、ビットコイン取引を禁止した後、独自のデジタル通貨を開発していると報じられている。
これらのデジタル通貨はいずれも、ブロックチェーン技術を利用している。これは、取引、合意、契約のデータをデジタル台帳に記録する方法だ。大きな違いは、セキュリティ確保のため、台帳を一か所に保管するのではなく、世界中の数百台、あるいは数千台ものコンピューターに分散して保管する点にある。
リップルの波及効果
急速な成長を遂げたリップルは、ここ数週間で注目を集めている。2018年初頭には、その時価総額は1,000億ドルを超えた。この価値は変動するものの、2017年を通じて約8,000%成長したことを示している。

リップルとビットコインの主な違いは、リップルが「マイニング」されないことだ。マイニングとは、ビットコインの利用者がアルゴリズムを使って取引を検証するプロセスである。これに対し、リップルはサンフランシスコに拠点を置く企業が管理している。同社が通貨を発行し、定期的に新たな分を供給する。このため、マイニングに膨大なエネルギーが使われるとの指摘など、ビットコインに対する最近の批判からリップルは距離を置くことができる。
世界の金融取引を円滑にすることを重視する同社の方針により、サンタンデール銀行、バンク・オブ・アメリカ、UBSなどの銀行や金融機関がリップルを採用している。同社によると、これまでに100行を超える銀行にブロックチェーン技術をライセンス供与している。
信頼性の高まり
イーサリアムはリップルの有力な競合相手であり、どちらもビットコインに次ぐ時価総額第2位の暗号資産を目指している。2015年に始まったイーサリアムは、実際には「イーサ」トークンを取引するプラットフォームだ。

プラットフォームであるため、イーサリアムではビットコインより速く「ブロック」、つまり取引記録を作成できる。また、イーサリアムのネットワーク上ではアプリを実行できるため、コードで記述されたスマートコントラクトを自動的に検証し、執行できる。これにより、イーサリアムのネットワーク外の当事者を一切介さずに、分散型アプリや分散型企業さえも作成できる。
また、JPモルガンやマイクロソフトを含む大手多国籍企業の支持も得ており、約200社がエンタープライズ・イーサリアム・アライアンスの会員となっている。同アライアンスは、ガバナンスや説明責任など、イーサリアムを利用したい企業が直面する課題への対応を目指している。
その他の暗号資産には、次のようなものがある。
* ライトコインは、いかなる中央機関にも管理されていない、オープンソースのグローバル決済ネットワークを基盤としている
* モネロもオープンソースで、「リング署名」と呼ばれる独自の技術により、すべての取引を完全に追跡不能にできるとうたっている
* カルダノは、科学的な理念と研究を最優先するアプローチから生まれた初のブロックチェーンプラットフォームだとうたっている
*ジーキャッシュは、送金者、受取人、取引額のすべてをブロックチェーン台帳上で非公開にすることで、強力なプライバシー保護を実現するとうたっている
* ダッシュは、1秒未満で支払いが確認される即時取引を実現するとうたっている
ビットコインには先行者として大きな優位性があり、すでに忠実な利用者層を築いているほか、流動性と総合的な価値も最も高い。
一方、新しい暗号資産のなかには、よりマイニングしやすく、すでに大企業の支持を得ているものもあり、それによって大きな信頼性を獲得している。


