子どもに良い仕事に就いてほしいなら、もっと遊ばせよう

Young Jordanians splash and play in a public fountain in the centre of Amman July 29,2000 as hundreds of local citizens rushed to cool down in public swimming pools as a heat wave struck the kingdom where temperatures reached 42 degrees Celsius, at least 9 nine degrees above the national average for the time of the year.AJ/WS - RTRC2HS
“Play is a primary, indeed a primal, way that we learn to understand and experience the world around us.”Image: Reuters/Ali Jarekji
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世界中で自動化が労働者の職を奪うという懸念は、1月の世界経済フォーラムで「大いに心配すべきこと」の上位に挙がった。「結局のところ、私たちは多くの人を解雇しなければなりません」と、通信グループVEONの監査役会議長で、ゼロックスの元CEOでもあるウルスラ・バーンズは語った。実際、ゼロックスは最近、多くの従業員を解雇せざるを得なかった。

提示された解決策の多くは、再訓練や何らかの形のベーシックインカムの導入、株主価値の最大化とともに労働者のニーズも企業に考慮させる「新たな社会契約」の設計といった、おなじみの大局的な提案だった。しかし、あるCEOたちのグループはサプライチェーンを少し先まで見渡し、科学的根拠がありながら十分に注目されていない解決策を提示した。それは遊びだ。

子どもたちがもっと遊べるようにすることは、「職場や社会で活躍し続ける力を身につけさせる」と、レゴ財団CEOで、レゴグループの元最高財務責任者でもあるジョン・グッドウィンは語った。

レゴの幹部がそう言うと、利己的に聞こえるかもしれない。しかし研究によれば、遊びは社会性、情緒、学業の学びの基礎を築くうえで欠かせない。バットマンの格好をしたり、積み木で想像上の街を作ったりすることで、幼い子どもたちは創造性を育み、感情知能と感情の調整力(PDF)を伸ばし、共感力を養う。これらはまさにロボットには代替できないスキルだ。

ダボスでは、おもちゃを生業としていない人々の間でも、この考えは支持を集めた。Googleの中国オフィスを開設し、30年以上にわたり人工知能(AI)に携わってきた台湾出身のベンチャーキャピタリスト、カイフー・リーは、人間に固有のスキルを伸ばす必要があると語った。「AIが人間ほど上手にできないことは4つあります。創造性、器用さ、思いやり、そして複雑さです」。とりわけ重要なのは共感力だという。「これを実現するのは、人間としての責任です」。

「遊びは、周囲の世界を理解し、体験するための主要な、いや根源的な方法です」。想像力を働かせて問題を解決する基礎づくりは幼少期に始まるとグッドウィンは語った。彼には、遊びを重視する2人の仲間が加わった。IKEAのCEO、イェスパー・ブローディンと、ユニリーバCEOのポール・ポールマンだ。ポールマンはリアル・プレイ連合の立ち上げを優先し、ドナルド・トランプ米大統領との夕食会を欠席した。このグループは、遊びを過小評価しているように見える政府、学校、親たちに働きかける。世界経済フォーラムを通じて、最も話を聞く必要があるかもしれない人々、つまり世界経済の未来に目を向ける産業界や政府のリーダーたちに問題を提起した。

「私たちは子どもを経済資本とは見ていません」とグッドウィンは語った。「子どもを中心に据えた視点から、子どもたちが成長することに関心を持っています」。しかし世界経済フォーラムが焦点を当てているのは、子どもでも教育でもない。資本主義とその構成要素、労働者などだ。そこでリアル・プレイ連合は、子どもを未来の労働者として位置づけた。今のうちに自動化を乗り越えるために必要なスキルを子どもたちに身につけさせれば、後に労働者として再訓練する際の懸念を減らせるという、急進的な考えを掲げたのだ。

遊びの科学

こうした事柄を研究する専門家によれば、遊びには満たすべき一定の基準を伴う、専門的な定義がある。メリーランド大学の人間発達学教授ケネス・ルービンと同僚たちは、遊びは親に強制されるのではなく「内発的に動機づけられ」、楽しく、積極的に没頭でき、人生にあるさまざまな規則の外で行われるべきだと述べる。(昼寝なんて知るものか。紫色のユニコーンに乗って火星へ行くぞ!)

研究者たちは、身体を使う遊び、ものを作る遊び、想像遊び、ごっこ遊び、ルールのあるゲームなど、さまざまな遊びの種類を特定している。いずれも、子どもの身体面、社会面・情緒面、認知面という3つの領域の発達を促す。

  • 絵を描く、踊る、水遊びをするといった想像遊びは、創造性の基礎を築き、子どもが感情を表現し、他者と意思疎通し、現実を試してみることを可能にする。

  • 積み木や段ボールで何かを作ることは、手先の細かな運動能力を育てる。また、粘り強さや根気を養い(積み木の塔は倒れるものだ)、筋道を立てて考えたり、問題を解決したりする力も伸ばす(「どうすれば倒れない塔を作れるだろう?」)。

  • 追いかけっこ、隠れんぼ、ジャンプ、取っ組み合いは、全身の運動能力を育てる。その基礎は、はいはいし、歩き、走るときに使われる。さらに、粘り強さや思考力にもつながる(運動は記憶の定着を助ける)。

  • ごっこ遊び(仮装、役割遊び、人形劇、物語づくりなど)は、感情を調整する力や、共感、協力、交渉を含む重要な対人関係スキルを子どもが身につけるのに役立つ。

「遊びは、周囲の世界を理解し、体験するための主要な、いや根源的な方法です」と、教育者で創造性の第一人者でもあるケン・ロビンソンは、ユニリーバが資金を提供した遊びの科学に関する白書『リアル・プレイ・エブリデイ:緊急の行動喚起』の序文に記している。(ユニリーバが子どもに泥遊びをしてほしい理由があることは、指摘しておくべきだろう。同社は世界最大級の洗濯洗剤事業を展開している。)

「自由に、自分から始める遊びという単純な行為が、子どもに生まれつき備わった創造性、想像力、関心、才能を引き出す助けになります」とロビンソンは記す。「子どもが自分自身を発見する助けとなり、これから直面する不確かな未来を生きるために必要な、かけがえのないスキルを授けてくれます」。

減りゆく遊び

遊びが、子どもたちが健やかで環境に適応できる人へと成長するうえで不可欠だということは、私たちも知っている。それでも遊びは「絶滅危惧種」だと、グッドウィンはダボスで、スーツ姿の産業界幹部たちを前に語った。幹部たちは小さなブロックの椅子に座り、レゴで遊びながら熱心に耳を傾けていた。エデルマン・インテリジェンスが委託した調査によると、10カ国の親12,710人を対象とした調査で、回答者の56%が、子どもは毎日1時間未満しか屋外で遊んでいないと答えた。これは、厳重警備の刑務所の囚人が屋外で過ごす時間よりも短い。子どもの10人に1人は屋外でまったく遊ばず、親の3分の2は、自分の子どもは自分たちの子ども時代より遊ぶ時間が少ないと答えている。(クオーツはエデルマンに調査資料を請求しており、回答が届き次第、更新する。)

遊んでいないとき、子どもたちは何をしているのだろうか。スマートフォン、ビデオゲーム、タブレットも一因だ。しかし、サッカー、バイオリンのレッスン、ダンスなど、遊びの定義に当てはまらない組織的な活動を子どもに詰め込みすぎることも原因だ。親は子どもが「成功」するには学業、スポーツ、音楽が必要だと考え、そうした活動に力を注ぐ一方で、遊びを犠牲にできる取るに足らない暇つぶしとして扱う。それでも、子どもに勉強時間を増やさせても、学校への関与が高まるわけではなかった。ギャラップのデータによると、小学5年生の約26%は学校への関与が低かった。その割合は高校3年生までに68%に達していた。

「重大な結果を伴う、単一の答えを求めるテストに視野が狭まり、子どもたちが創造力を発揮できなくなっています」とグッドウィンは語った。

「重大な結果を伴う、単一の答えを求めるテストに視野が狭まり、子どもたちが創造力を発揮できなくなっています」。子どもが数学や科学を学ぶ必要があるのは間違いない。しかし、人間らしくある方法も学ばなければならない。「私たちは子どもを、より優れたコンピューターにしようとしています。でも、子どもがコンピューターより優れたコンピューターになることは決してありません」と、テンプル大学の心理学教授で遊びの第一人者であるキャシー・ハーシュ=パセクはニューヨーク・タイムズに語った。他者との交渉や世界の探究、新しいアイデアの創出を子どもが学ぶ助けとなる活動の重要性を、私たちはあまりに頻繁に過小評価している。「人間がコンピューターよりうまくできるのはこうしたことであり、遊びはその力を伸ばす助けになります」。

ボストン大学の心理学教授ピーター・グレイは、自由で構造化されていない遊びよりも、組織的な活動や学業を重視する現代の子育てが、今日の子どもたちのメンタルヘルス問題の急増の根本原因である可能性が高いと論じる。遊ぶ機会がないため、子どもたちは人生を切り抜けるうえで重要なスキルを学べないという。「今日の子どもたちは、かつてないほど自由を失っています」。そして、その自由の欠如は大きな代償をもたらしている。

どうすればよいのか?

グッドウィンによれば、リアル・プレイ連合の第一の目的は、遊びの重要性を高めることだ。ダボスに集まった少数のCEOが掲げる運動にとどめず、政府や親が受け入れ、守るべき活動にする。その取り組みは出生時から始まり、学校にまで及ぶ。

「人間の学びに合わせて教育制度を変えていません。そこにこそ、緊急に介入しなければなりません」と彼は語った。

子どもが就学前教育や正式な学校教育に入ると、学業と遊びの適切なバランスをめぐる議論は白熱する。幼児期の教育から学業を除いても、家庭で十分な学習機会を得られる裕福な子どもには問題ないが、裕福な同級生よりほぼ1年遅れて入学する貧しい子どもには不利になりうるという意見もある。しかし、幼児期の学びを全般にもっと遊びを取り入れたものにする方法はあるという点では、多くの人が意見を同じくしている。就学前の算数の捉え方もその一つだ。

自動化技術によって労働者が職を失う可能性は現実にある。失業やアイデンティティの喪失に伴う不安が社会不安につながりかねないと、アリババのジャック・マーは警告した。「技術革命のたびに、世界の不均衡が生じてきました」と彼はダボスで語った。次世代がそのような運命に陥らないようにするには、子どもたちを外に出し、ものづくりを始めさせる必要がある。

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