自動運転車は警察組織にどのような影響を与えるのか?

自動運転車は警察組織にどのような影響を与えるのか?
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最近、 マッキンゼー・グローバル・インスティテュート が、自動運転車が経済の主要な部分を大きく変えると予測する 記事 を発表した。記事が示した、 事故の90%が防止される ことや、通勤者が 1日あたり50分 の自由時間を得ることなど、明るい数字がニュースで大きく取り上げられた。

報道機関はまた、自動運転車によって 打撃を受ける 業界にも注目した。マッキンゼーが最も大きな打撃を受けると指摘した2つの業界は、自動車保険会社と自動車修理工場である。

しかしマッキンゼーは、自動運転車が社会を劇的に変える重要な方法の一つを見落としていた。世界中の警察組織に甚大な影響を及ぼし、警察の必要性を半減させる可能性があるのだ。

警察と法執行機関の目的は重大犯罪を減らし、防止することだが、実際の日々の業務の多くは交通規則の取り締まりと事故への対応である。自動運転車が普及すれば、こうした業務に必要な警察官は大幅に減るだろう。

交通法規の取り締まり

警察官の雇用への影響は、 司法統計局 (BOJ)の 調査から判断できる。BOJは3年ごとに、米国で人々が警察と接触する理由を調べている。最新の2011年の調査によると( 付録表1)、その年に3100万人が本人の意思に反して警察に呼び止められた。そのうち85%超は交通関連だった。

交通違反で車を止められる最も一般的な理由は、速度超過だった。制限速度を超える運転を禁じる法律があるのは、速度を落とせば事故の件数が減り、事故が起きた場合の死亡者も減るからだ。

すべての交通規則に従うようプログラムされた自動運転車が自ら走行するなら、速度制限、違法な右左折、一時停止標識や信号の無視、その他多くの交通違反を取り締まる必要はなくなる。

しかし、スピード違反やその他の交通違反をした車を止めることだけが、車に関わる形で警察が私たちと接する方法ではない。

調査によれば、地域警察活動への参加や問題の通報など、別の形で警察と接触した人はさらに3200万人いた。こうした接触のうち17%は交通事故によるものだった。

合わせると、警察との接触の半数以上が車両に関連している。自動運転車が道路を走るようになれば、こうした問題のほぼすべてがなくなると考えられ、公共の安全を損なわずに法執行機関の職員数を半減できる可能性がある。対面での接触だけを追跡した以前の 調査 では、その割合はほぼ60%に上る。

街頭の警察官が減ることの利点

法執行機関の職員の半数、あるいはそれ以上というのは大きな人数だ。司法省の最新の 国勢調査 によると、地方、郡、州の警察組織に雇用されている人は約120万人に上る。警察官が減れば、地方政府と州政府の予算に大きな影響が及ぶ。これらの政府は、市民のための 警察による治安維持 に年間約1000億ドルを割り当てており、退職警察官の年金や医療費にもさらに数十億ドルを充てている。現役の警察組織は、地方自治体の支出全体の5%を占める。

公共の安全に影響を与えずに支出を削減できれば、多くの政治家や納税者は大いに喜ぶだろう。

もう一つの重要な利点は、 警察官の死亡も減ることだ。速度超過の運転者を止めたり、故障車の運転者を助けたりすることは、すぐ脇を車が猛スピードで通過するため、警察官にとって非常に危険である。2004年以降、 600人を超える警察官 が事故で死亡した。このうち、およそ100人は車両にはねられて亡くなり、400人以上は自動車またはオートバイの事故で死亡した。自動運転車は歩行者や他の車両に衝突しないようプログラムされているため、警察官の死亡は減るだろう。

いくつかのマイナス面

こうした利点がある一方で、自動運転車が犯罪に及ぼす重要なマイナスの影響もある。交通違反で毎日呼び止められる人の 約4% は、警察に所持品などを検査される。こうした検査の中には、より重大な容疑で運転者が逮捕される結果につながるものもある。

定例の交通違反取り締まりによって、薬物や武器が見つかったり、未執行の逮捕状がある人物が明らかになったりしてきた。最も有名な交通検問の一つは、 州警察官が車を止めて 1995年、ナンバープレートを付けていなかったとして、オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の犯人ティモシー・マクベイを逮捕したときのことだ。交通法規に従うようプログラムされた自動運転車は止められないため、逮捕件数が減り、解決される犯罪の数も減るだろう。

警察が人目に触れる形で存在することも、犯罪の抑止力となる。定例の交通検問は、警察官がいることを人々に目に見える形で思い出させる。警察組織が縮小すれば、この目に見える抑止力も弱まり、犯罪行為が増える可能性がある。

自動運転車はすでに現実に走っている

自動運転車の影響について考えることが重要なのは、それがSFではないからだ。Googleの 自動運転車 はすでにカリフォルニア州とネバダ州で30万マイル以上を事故なく走行しており、大手部品サプライヤーのデルファイも、車を自動運転で 全米横断させようとしている。

マッキンゼーは、 自動車修理業界 の劇的な縮小を自動運転車による大きな打撃として挙げたが、同業界の全国の従業員数は25万人に満たない。法執行機関は、宣誓した警察官が80万人を超え、支援職員も40万人いるため、自動車修理業界よりもはるかに多くの人が影響を受ける。

もちろん、現在道路を走っている自動運転車はごくわずかなので、今のところ警察官の半数、あるいは数人さえ解雇する必要はない。しかし、自動運転車が広く道路を走るようになれば、交通取り締まりの必要性の多くはなくなるだろう。事故が減れば、事情聴取を行い、事故現場の交通を迂回させ、事故後の対応を支援する警察官も少なくて済む。

では、自動運転車が普及すると、実際にどの仕事がなくなるのだろうか。答えは明らかだ。この変化は法執行機関に大きな影響を及ぼす。その影響は重大なものとなるため、自動運転車がもたらす帰結について、今から真剣に考え始めるべきだ。

この記事は、 The Conversationとの協力により公開されたものです。記事の公開は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。

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著者:ジェイ・L・ザゴルスキーは、オハイオ州立大学の研究科学者です。

画像:Googleの自動運転車の屋根の上でセンサーが回転している。ロイター/スティーブン・ラム。

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