発電所の効率を高める方法

発電所の効率を高める方法
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世界の発電所の大半は、石炭、天然ガス、核分裂のいずれを動力源とする場合も、蒸気を発生させてタービンを回し、電気を生み出している。その蒸気はその後、水に戻され、サイクルが再び始まる。

しかし、蒸気を回収する復水器はかなり効率が悪く、改善すれば発電所全体の効率を大きく高められる可能性がある。

今回、MITの研究チームは、復水器の表面を原子1個分の厚さのグラフェン層で覆う方法を開発し、熱伝達率を4倍に高められることを明らかにした。さらに研究を進めれば、それ以上の改善も見込める。また、ポリマー被膜とは異なり、グラフェン被膜は実験室での試験で高い耐久性を示した。

この研究成果は、MITの大学院生ダニエル・プレストン氏、教授のエブリン・ワン氏とジン・コン氏、および他の2人によって、学術誌「 Nano Letters 」に報告された。復水器における熱伝達の改善は、発電サイクルの一段階にすぎないが、電力研究所の数値に基づくと、発電所全体の効率を2~3%向上させる可能性があるとプレストン氏は述べる。世界の発電量の大半をこうした発電所が占めているため、世界の炭素排出量を大幅に削減することにもつながり得る。「発電所1基あたり、年間数百万ドルの節約になります」と同氏は説明する。

復水器は銅製であることが多い金属管をコイル状にしたものなどで、蒸気の流れとの相互作用には基本的に2つの形がある。蒸気が凝縮して表面を覆う薄い水膜になる場合もあれば、水滴になり、重力によって表面から離れる場合もある。

蒸気が膜を形成すると、熱伝達が妨げられ、その結果、凝縮の効率が低下するとプレストン氏は説明する。そのため、多くの研究では表面に撥水性を持たせ、水滴の形成を促すことが目指されてきた。

これにはポリマー被膜がよく使われてきたが、発電所の高温多湿な環境では急速に劣化する傾向がある。また、劣化を抑えるために被膜を厚くすると、被膜自体が熱伝達を妨げてしまう。

「グラフェンは役立つのではないかと考えました。もともと疎水性があるとわかっていたからです」とプレストン氏は話す。そこで同氏と同僚らは、発電所の典型的な条件、すなわち摂氏100度の純水蒸気環境で、グラフェンの撥水性能と耐久性の両方を試験することにした。

原子1個分の厚さのグラフェン被膜は実際に、水滴がむき出しの金属表面などに水膜として形成される場合と比べ、熱伝達を4倍に高めた。さらに計算では、温度差を最適化すれば、この改善幅を5~7倍に高められることが示された。また、こうした条件下で丸2週間経過しても、グラフェンの性能に測定可能な劣化はなかった。

一方、一般的な撥水被膜を使った同様の試験では、わずか3時間で劣化が始まり、12時間以内に完全に機能しなくなったとプレストン氏は述べる。

グラフェンを銅表面に被覆するために用いた化学気相成長法は、すでに広範に試験されているため、新手法は「早ければ1年以内」に実環境での試験に進める可能性があるとプレストン氏は述べる。また、このプロセスは発電所規模の復水器コイルにも容易に拡大できるはずだ。

バージニア工科大学で生物医学工学・力学の助教を務め、超疎水性表面上の凝縮を研究してきたジョナサン・ボレイコ氏は、「私の知る限り、この研究は単層の表面被膜による耐久性のある滴状凝縮を初めて報告したもので、極めて重要です」と述べる。「この発見はやや意外で、とても興味深いものです。」

研究に参加していないボレイコ氏はさらに、この方法は追加試験を通じて有効性が確認されれば、「発電所や復水器を利用する他のシステムの効率を大幅に高める可能性があります」と付け加える。

研究チームには、MITの博士研究員ダニエラ・マフラ氏と、元博士研究員で現在はイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の助教を務めるネナド・ミリコビッチ氏も参加した。この研究は、米国海軍研究局と米国国立科学財団の支援を受けた。

本記事は、 MIT Newsとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:デビッド・L・チャンドラー氏はMIT Newsに記事を執筆している。

画像:発電所で柔軟な管が写っている。ロイター/ハンニバル・ハンシュケ。

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