行動科学は、プラスチックとの関係を断つ助けになるか

Pressed plastic waste ready for loading are seen at the Ecores waste processing enterprise on the outskirts of Minsk, March 12, 2015. According to a representative of the enterprise, it collects about 30,000 tons of waste, including plastic, glass and paper, annually from the Belarussian capital of Minsk and surrounding region, after which the sorted waste will be sent for further processing. REUTERS/Vasily Fedosenko
Our plastic habits are hard to break - the more we work together, the more successful we will be.Image: REUTERS/Vasily Fedosenko
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オーストラリアは、年間1万3,000トンを超えるプラスチックごみの排出に責任を負っています。2018年6月末、オーストラリア政府は、同国の廃棄物・リサイクル産業に関する調査報告書を公表しました。提言の一つは、石油由来の使い捨てプラスチックを2023年までに段階的に廃止すべきだというものでした。

これは社会に大きな変化をもたらすことを意味します。オーストラリアでは、一度使って捨てる便利なプラスチック製品が広く普及しているためです。

コールズやウールワースが最近レジ袋を禁止したように、禁止措置は選択肢の一つですが、あらゆる状況に適しているわけではありません。また、押しつけと受け取られ、地域社会の賛同が得られなければ反発を招くこともあります。行動科学は、プラスチックの使用を抑える道筋を示せます。

テクノロジーだけでは解決にならない

まず、プラスチック自体が悪いわけではありません。柔軟で、耐久性があり、防水性に優れ、安価です。問題は、その処分方法にあります。用途が幅広いため、さまざまな使い捨ての「使ったら捨てる」消費者向け製品に採用されてきました。

多くの人が、プラスチック問題を解決する技術の開発に取り組んでいます。より優れたリサイクル技術や、藻類やでんぷんから作る生分解性「プラスチック」、そして(私のお気に入りである)ハチノスツヅリガの幼虫や「変異細菌」を使ってプラスチック廃棄物を分解する方法などがあります。

しかし、こうした方法は時間も費用もかかります。温室効果ガスの排出や資源消費など、別の環境負荷をもたらす可能性もあります。

多くの使い捨て製品には、再利用できる代替品が数多くあります。課題は、人々にそれを使ってもらうことです。

行動科学の出番

私の研究では、経済学、心理学、社会学、コミュニケーション学など、さまざまな分野の知見を応用し、政府や企業が環境・社会・経済面での利益につながる行動変容を人々に促す方法を探っています。

研究によると、啓発キャンペーンで情報を提供するだけでは、行動を変える可能性は低いとされています。メディアの注目やキャンペーンができるのは、問題を世間に広く認知させることです。これにより、人々がほかの介入策を受け入れやすくなり、社会規範、つまり許容される行動について明文化されていないルールが示されることで、行動に間接的な影響を及ぼせます。

行動変容キャンペーンを成功させるには、一人ひとりに力を与える必要があります。自分には変化を起こす力があり、自分の行動を変えれば問題に影響を与えられ、ひとりではないと感じてもらうことが大切です。人気テレビ番組で、キープカップやミツロウラップを使うなど、持続可能な行動を実例として示すことは、その好例です。

問題を認識した後、意図から行動へ移るには、少し後押しが必要な場合があります。その方法の一つは、アイルランドで有名な、使い捨てレジ袋への「プラスチック税」のような、少額の金銭的な抑制策です。多くのカフェでは、再利用可能なカップの持参を促すため、コーヒーを割引価格で提供しています。

小売店に「初期設定を変える」よう促すこともできます。日本では、レジ係が客に袋が必要かどうか尋ねるだけで、6か月後にレジ袋を断る割合が40%に達しました。

この方法は、ほかの製品にも応用できます。たとえば、特に頼まない限り飲み物にストローが付かない状況を想像してください。これなら、障害のある人にとって重要な製品を禁止することで意図せず生じる影響を避けながら、廃棄物を減らせます。

使い捨てプラスチックへの依存を減らすことには、すでに強い支持があります。そのため、駐車場や職場など、人の目に留まる場所に案内を設置し、再利用可能なものを持参するよう思い出してもらうのも、簡単な解決策です。

再利用できるものを持ち歩こうと強く思っていても、昔からの習慣が妨げになることがあります。初期設定や案内によって、よい意図を実際の行動に結びつけることができます。

消費者の需要が高まれば、メーカーは、たとえば折りたたみ式コーヒーカップやキーホルダー型の金属ストローなど、より使いやすい再利用可能な選択肢を製造するよう促されます。企業は、製品の共有制度を導入することで、再利用可能なものをより利用しやすくすることもできます。たとえば、ドイツのフライブルクカップやオーストラリアのブーメラン・バッグなどがあります。

万能の解決策はない

状況が異なれば、必要な解決策も異なります。同じ客が定期的に訪れるオフィスやカフェでは、製品の共有や再利用可能なコーヒーカップがうまく機能するかもしれません。しかし、日によって客が入れ替わるギャラリーや博物館では、実用的ではないでしょう。

社会全体の変化には、単独の取り組みよりも、複数のアプローチを組み合わせるほうが効果的です。たとえば、全国でプラスチック製カトラリーを段階的に廃止したい場合、まず再利用できる代替品を持ち歩くよう促す啓発キャンペーンを始めます。地域社会の賛同が得られたら、少額の料金とリマインダーを導入し、過半数の人々がすでに行動を変えた段階で、最後に禁止措置へ移行できます。

使い捨てプラスチック製品への依存を段階的に解消する鍵は、規範を変えることです。問題や解決策について話し合うほど、代替品を探して提供する企業が増え、私たちが一丸となって動き出せる可能性も高まります。

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