3Dプリンティングは製造業の未来を支える柱の一つであるが、もはや迅速な試作だけにとどまらず、大量生産にも広がっている。この次世代の産業用積層造形の鍵は、3Dプリンター自体の技術改良と、それらが使用する材料の進歩にある。
例えば、Carbon3Dの Continuous Liquid Interface Production(CLIP)技術は、光と酸素を用いて感光性樹脂の硬化速度を制御し、従来技術の25~100倍の印刷速度を実現している。しかも、層を積み重ねる必要はない。従来の積層印刷方式に対しては、Orbital Compositesが新たな印刷ヘッドを開発している。同社の創業者コール・ニールセンによれば、この印刷ヘッドは強固な炭素繊維で印刷物を補強でき、その速度は標準的な3Dプリンターの100倍になるという。
製品として使用できるほどの強度を持つ部品を迅速に製造できる能力は、産業界の関係者からも注目されてきた。実際、すでに自社の生産工程に3Dプリンティングを取り入れている企業もある。
例えばLocal Motorsは、自動車全体の印刷に向けて着実に進んでいる。同社の最高戦略責任者ジャスティン・フィシュキンは、3月に3DPrint.comに対し、完成車1台の印刷時間を12時間とする構想を語った(直近の9月の44時間から短縮)。材料のほぼ50%は再生された車両から調達され、残りにはグラフェンなどの先端材料が含まれるという。同社のモデルは、あと数年の開発を経れば、完全にカスタマイズされ、すぐに走行可能な自動車を、販売店でタッチスクリーンから一つずつ選択し、その場で製造し、同日中に納車できるようになることを示唆している。
航空分野では、GEアビエーションも先進的な製造施設への投資を大幅に進めている。同社は生産能力を高めるため、過去7年間で3億ドル超を投じ、2020年までに約10万点の3Dプリント部品を製造しようとしている。2か月前、同社は、コバルトクロム合金粉末を用いて3Dプリンティングで製造されたセンサーハウジングを、計画されていた400基超のGE90エンジンに後付けしたと発表した。GE90/GE9Xエンジンプログラムの総責任者ビル・ミルヘームは次のように述べている。「積層造形により、GEのエンジニアは試作と量産部品の製造を通じて形状を迅速に変更でき、センサーの性能に影響を与えることなく、T25センサーハウジングについて従来の製造サイクルで数か月分の時間を節約できました。」米国連邦航空局(FAA)は2月に、このセンサーハウジングの認証を与え、飛行中の使用に対応できる状態にあることを示した。
ただし、この変化は大規模生産に限られるものではない。例えばMarkForgedのように、材料面での革新をデスクトップ型3Dプリンターにも広げようとする企業もある。同社は「Mark One」の開発元でもあり、現在は強化型の最終用途向け製品を微調整し、炭素繊維、ガラス繊維、さらにはケブラーで強化された設計の製造に取り組んでいる。同社のクリエイティブ・ディレクター、ジェフ・クラインによれば、最終的な材料仕様から、MarkForgedの炭素繊維連続フィラメント製造は、例えばプラスチックの20倍の剛性を持つ材料を製造できることが示されており、当初見込まれていた5倍の強度を大幅に上回るという。
これまで大規模製造業における3Dプリンティング技術の用途の大半は迅速な試作であった。その場で印刷し、数か月ではなく一日に何度も反復できる能力が、3Dプリンティングに大きな優位性をもたらしてきた。
しかし、材料の進歩と印刷速度の向上により、カスタマイズされた製品の大量生産が現実味を帯びてきた。この大きな前進は、金型製造から航空宇宙に至るまで、主要な産業分野に影響を与えるだろう。
本記事は「 GE Look Ahead」との協働により掲載されたものです。掲載は、世界経済フォーラムによる見解の支持を意味するものではありません。
「Agenda」の最新情報を追うには、 週刊ニュースレターにご登録ください。
執筆者:Sarah Anderson Goehrke(GE Look Ahead寄稿者)。
画像:台北のTWTC南港展示館で開催された2014年Computex展示会において、Auroraの3DプリンターF1によって印刷されたフィギュア。REUTERS/Pichi Chuang

