デジタルのリーダー企業が同業他社を上回る理由

デジタルのリーダー企業が同業他社を上回る理由
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今年の世界的なテクノロジーをめぐる大きな動きの一つは、デジタル技術を活用できる人々と、そうでない人々との格差が広がっていることです。世界経済フォーラムの新たな 『Global Information Technology Report 2015』 が示すように、テクノロジーの恩恵を十分に受けられるのは、国民の大多数にデジタル技術を普及させてきた国に限られています。企業の世界でも、同様のデジタル格差が生じています。デジタルのリーダーと見なされる企業は、成長、利益、市場評価の面で同業他社を上回っています。成長と変革を推進するうえで、デジタルが中核となったことはますます明らかです。もはや選択の余地はありません。業界をリードするには、デジタル分野でもリーダーでなければなりません。リードしなければ、敗れるのです。

デジタルが変革をもたらす力を誰もが認めているのなら、なぜうまく活用できる企業と、ひどく失敗する企業があるのでしょうか。なぜ多くの企業は時代遅れのテクノロジーに固執し、古いプロセスや製品に手こずる一方で、デジタル時代の機会を生かす企業もあるのでしょうか。たいていの場合、原因は一つの大事件や大きな決断ではありません。企業価値の毀損の80%は、誤った戦略的決定によって生じます。肝心なのは、成功率を高め、テクノロジーを活用した成長とビジネスモデルの変革を実現する正しい戦略的選択を、何度も重ねることです。私たちは世界で最も成功している企業のいくつかを調査し、成功に導く五つの重要な方法を明らかにしました。

1. デジタルにおいても、あらゆることと同様、自分たちらしさを貫く。 真に優れた戦略はすべて、「私たちはどのような存在になるのか」という問いに向き合います。デジタルが戦略の中心となる今、この問いに答えることはこれまで以上に重要です。最も優れた企業は明確な答えを持ち、市場で自社ならではの役割を果たすために何ができるかを理解しています。そして、そのアイデンティティを長期的な成長の推進力としています。自社のアイデンティティに合わない新たな技術的アプローチに追随する誘惑にも抗います。デジタル技術、ビジネスモデル、製品体験に関するあらゆる選択を、自分たちらしさに沿わせているのです。

Appleは、人間を中心に据えたデザイン力という高く評価される強みを貫き、それをパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、そして最近では時計にも応用してきました。10年前、LEGOはテーマパーク、衣料品、書籍、ビデオゲームへと急速に事業を広げた結果、経営難に陥り、1日あたりほぼ100万米ドルの損失を出しました。驚くべき再建を経て、同社は今や世界最大の玩具会社です。これを実現できたのは、LEGO独自のアイデンティティの中核であるブロック構築システムに立ち返り、事業を効率化して注力し直したからです。MindstormsやDimensionsのような、デジタルを活用した最近の取り組みも、「ブロックを一つずつ積み上げる」というアイデンティティを貫き、「クリックを一つずつ重ねる」形で発展させている例です。

2. ITの機能ではなく、能力を築く。 最も成功している企業は、機能面の卓越性だけに注力しません。それは落とし穴です。そうすれば競合他社と同じ場所に行き着き、同じベンチマークに従って似た製品やサービスを生み出すことになります。そうではなく、自社が誰よりもうまくできること、すなわち際立った能力をいくつか築くことに注力しましょう。通常、それらは人材、プロセス、ツール、専門知識を組み合わせた複雑で部門横断的なものであり、戦略を実行可能にします。

たとえば、Airbnb、Lending Club、TaskRabbit、Uberなど、最も成功している「シェアリングエコノミー」企業は、ビジネスモデルだけに頼っているわけではありません。買い手と売り手をシームレスにつなぐ、シンプルでリアルタイム、かつ使いやすいモバイルサービスを支えるために必要な能力の開発に、多大な労力を投じています。小売業者Nordstromは今年、12億ドルを投資しています。その大部分は、パーソナルでシームレスな顧客体験をデジタルチャネルでも提供する能力の拡充に充てられます。同社の売上高に占めるデジタル販売の割合は、すでに平均を大きく上回る18%に達しています。その一因は、フラッシュセールサイトのHauteLookや、男性向けのパーソナライズされた衣料品サービスTrunk Clubといった革新的なオンライン企業の買収であり、さらなる成長に向けた基盤を明確に築いています。

3. コストを削減し、再構想に投資する。 デジタル投資では、サイクルが短くなります。戦略をさらに推進し、成長につながる取り組みに資源を迅速に振り向けられるよう、優れた機動性と柔軟性をもってコストを管理する必要があります。どの投資が最適かを事前に判断できるとは限らないため、すばやく方向転換し、気を散らすものだと分かった取り組みは容赦なく終了できるよう備えてください。つまり、大企業の中にいる場合でも、競合するスタートアップのようにデジタル関連の取り組みや投資を進めるのです。そうすることで、必要な起業家精神を引き出せます。

「How Digital Leaders Outperform Their Peers」は、PwC Strategy& LLCが発行するstrategy+businessウェブサイトから、許可を得て転載しています。© 2015 PwC. All rights reserved. PwCは、PwCネットワークおよび/またはそのメンバーファームの一つ以上を指します。各メンバーファームは、それぞれ独立した法人です。詳細は をご覧ください。 www.pwc.com/structure 本記事の掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:Cesare MainardiはStrategy&のCEOです。Christopher A.H. VollmerはStrategy&のデジタルサービス担当マネージングディレクターです。

画像:2013年2月28日、ワルシャワで男性がコンピューターのキーボードを打つ様子。資料写真。REUTERS/Kacper Pempel/Files.

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