科学は開発目標の達成にどう貢献できるか?

科学は開発目標の達成にどう貢献できるか?
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科学界は、未完の課題である ミレニアム開発目標を完遂するために結束しなければならない。

食料安全保障や妊産婦・乳幼児死亡率の低減など、貧困にまつわる世界的課題に取り組む目標が導入された 2000年以降 、各地で一定の進展が見られてきた。

ミレニアム開発目標の期限が近づくなか、課題を完遂するための新たなアジェンダが検討されている。国連は加盟国に対し、提案されている17の持続可能な開発目標のリストについて、期限を迎える 2015年12月 末以降も取り組みを継続するための計画を策定するよう、すでに促している。

世界が達成を目指したこと

達成すべき目標は8つあった。国連の主導のもと、世界各国の政府に目標ごとの達成基準が示された。達成状況は次のとおり。

極度の貧困を撲滅する
国際貧困ラインである1日1.25米ドル未満で暮らす人の数は、 1990年から2005年の間に18億人から14億人へと減少した。

初等教育の完全普及を達成する
学齢期の子どものうち、学校に通っていない子どもは約6900万人で、 1999年の1億600万人から大幅に減少した。

ジェンダー平等を推進し、女性の地位向上を図る
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「女子教育イニシアティブ」は、学校におけるジェンダーに基づく 暴力を減らすための法的手段を整備した。

乳幼児死亡率を低減する
1990年から2008年にかけて、開発途上国の乳幼児死亡率は、出生1000人当たり 100人から72人に低下した。

妊産婦の健康を改善する
南アフリカの科学者たちは、妊娠中の死亡者数を減らす取り組みを主導してきた。

HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病と闘う
新たなHIV感染者数は、1996年の350万人から2010年には 270万人 へと着実に減少した。

環境の持続可能性を確保する
1990年以降、17億人が安全な 飲料水を利用できるようになった。

開発のためのグローバル・パートナーシップを構築する
開発途上国の債務負担は軽減し、現在では 過去の水準を下回っている。2009年5月、国連事務総長の潘基文と世界保健機関は、製薬会社に対し、ワクチン生産量の10%を貧困国に提供するよう求めた。

これまで科学が果たしてきた役割

科学は大きく貢献してきた。

たとえば、アフリカの干ばつやアジアの 洪水に耐えられる高収量の新しい稲品種が、貧困と飢餓の撲滅という目標の達成を後押ししている。さらに、ベータカロテンを豊富に含む遺伝子組み換えのゴールデンライスは、 失明を防ぐことができる。

科学はまた、害虫被害によって生産物の最大半分を失うアフリカの農家を、新しい生物的害虫防除技術を通じて支援してきた。

南アフリカでも科学は役割を果たしてきた。進展が見られる分野の一つは出産時の死亡率の低減であり、出産直後に母親へ投与する硫酸マグネシウムの発見により、死亡が大幅に 減少した。

未来に向けた焦点は連携

科学・技術・イノベーション分野の人材と国際的パートナーシップが、2015年以降の開発アジェンダの達成に向けて活用されている。しかし、鍵となるのは連携だ。

2015年以降のアジェンダ策定をめぐるさまざまな国際・地域協議で合意されているのは、 科学者間のより強固なパートナーシップと協力関係を築く必要性である。

アディス・アコード成果文書ゼロ・ドラフト は、開発途上国のニーズに応えることを目指す科学研究において、国際協力の強化を政府に約束させる将来の枠組みとなることが期待されている。

科学者間の過去の連携は、世界各地で優れた成果を生み出してきた。インターネットのようなイノベーションは、欧州合同原子核研究機関(CERN)におけるグローバルなパートナーシップを通じて開発された。ウェブは、 開発上の課題に取り組むうえで強力な手段となっている。

大型プロジェクトへの投資は、 大型ハドロン衝突型加速器 や スクエア・キロメートル・アレイ のような世界規模の科学研究施設を開発することで、科学技術イノベーションの認知度を高め、資金を集めるうえで、他に類を見ない成果をもたらし得る。

科学者が実験で収集した膨大なデータを処理するため、世界中のコンピューターの処理能力を活用するグリッドも、科学者の協力から生まれた技術である。これは一種の 仮想スーパーコンピューターだ。

南アフリカの科学者たちは、科学・技術・イノベーションが開発目標の達成に果たす重要な役割を明記した、同国の 国家開発計画(ビジョン2030) を手本に、協力して取り組むよう促されている。この計画は、科学界が貧困の撲滅に貢献するとともに、南アフリカおよびアフリカ大陸で雇用を創出できることを期待している。

道のりは長いものの、科学はすでに、リーダーシップ、実現を可能にする環境、持続可能な開発のための資源を提供し、より良い世界の実現に貢献している。科学者の間で連携が合言葉となれば、その成果はさらに高まるだろう。

この記事は The Conversationとの協力により掲載しています。 元記事を読む。掲載は、世界経済フォーラムによる見解への支持を意味するものではありません。

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著者:イサイヴァニ・ナイッカーは、ウィットウォーターズランド大学ガバナンス学部の客員研究員。

画像:大学院生のケイティ・ベイツが、ロンドンにあるUCL薬学部のナノ医療研究室で作業している。ロイター/スザンヌ・プランケット

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