先進航空モビリティは、都市の過密を緩和し、移動時間を短縮し、よりクリーンで迅速な交通を実現します。
インドは、電動垂直離着陸機(eVTOL)のためのインフラと指針を整備しており、バンガロール空港との提携などの主要プロジェクトが進んでいます。
ドローンは、テクノロジー主導の取り組みを通じて、遠隔地の医療、災害救援、女性のエンパワーメントを変革しています。
2024年11月14日にシロンで開催された小型航空機・ヘリコプター・サミットにおいて、報告書『Skyways to the Future: Operational Concepts for Advanced Air Mobility in India』が発表されたことを受け、世界経済フォーラムのプラットフォームに寄稿できることを光栄に思います。
この画期的な出来事は、イノベーションを受け入れ、モビリティの未来を再定義するというインドの取り組みを改めて示すものでした。先進航空モビリティ(AAM)はもはや遠い理想ではなく、交通を変革し、接続性を高め、持続可能な経済成長を促進する準備が整った、急速に現実のものとなりつつある分野です。
民間航空大臣として、この変革の旅におけるインドのビジョンと取り組みを共有できることを嬉しく思います。これは、都市部と農村部の双方の地域社会に恩恵をもたらす最先端のソリューションの推進に対する私たちの献身を反映しています。
インドの交通・物流分野は、ナレンドラ・モディ首相の先見的なリーダーシップのもと、過去10年間で前例のない成長と変革を遂げてきました。とりわけ民間航空は、接続性、経済成長、社会統合を可能にする重要な要素として台頭しています。
新たに発表された報告書 Skyways to the Future: Operational Concepts for Advanced Air Mobility in India は、イノベーションを受け入れ、モビリティの未来を再定義するというインドの取り組みを、さらに強く示しています。
現在、インドは世界で3番目に大きい民間航空市場です。国内の運航空港数は倍以上に増え、2014年の74から現在の157へとなり、数百万人のインド人にとって航空旅行がより身近なものになっています。
同様に、航空機の保有数も倍増して800機以上となり、利用しやすさが高まっています。2014年から2024年にかけて、国内旅客輸送は年平均成長率9.7%で成長し、国際旅客輸送は4.5%の成長を遂げました。
航空分野の成長の軌跡
この成長は、航空旅行の民主化と、UDAN(Ude Desh Ka Aam Nagrik:地域航空接続制度)のような政府の取り組みの効果を反映しています。
政府の採算性ギャップ補填制度により、これまで航空の接続がなかった地域や不十分な地域にも航空サービスが広がりましたが、都市の交通は、インドの航空分野にとって次の新たなフロンティアです。
デリーやムンバイなどの都市における急速な都市化は、都市交通の大幅な増加を招き、混雑と、数百万人の市民の通勤時間の増加を引き起こしています。
都市人口が増え続けるなか、従来の交通手段は、効率的で時間通りの移動という需要に応えることに苦慮しています。
ここで先進航空モビリティが重要になります。都市の過密を緩和し、移動時間を短縮し、インドの成長する都市にとって、よりクリーンで、より迅速で、より持続可能な交通手段を提供する、変革的な機会をもたらします。
政府は、この分野におけるイノベーションを推進することに取り組んでおり、先進航空モビリティが都市交通を変革し、数百万人の生活の質を向上させる可能性を認識しています。
民間航空総局を通じて、電動垂直離着陸機(eVTOL)をインドの交通エコシステムに統合するための道筋を開く包括的な指針を発表しました。
先進航空モビリティの登場は、単なる技術的なブレークスルーにとどまらず、モビリティをどのように構想し、実現するかにおける変革的な転換を意味すると私は考えています。
キンジャラプ・ラム・モハン・ナイドゥ、インド民間航空省民間航空大臣
ビジョンを形にする
私たちは、設計、製造、飛行性能を対象とする厳格な安全基準を導入し、バーティポート(垂直離着陸場)の設置に関する詳細なプロトコルも定めました。また、エアタクシーの免許に関する指針も発表し、その登場に向けた基盤を整えています。
これらの措置により、都市の人々が道路交通の混乱を避け、都市のハブに便利に配置されたeVTOL機で数分で通勤できる未来を私たちは思い描いています。
これは遠い夢ではなく、形になりつつあるビジョンです。その好例が、Sarla Aviationがバンガロール国際空港と締結した画期的な覚書であり、eVTOL機を同市の交通網に統合することを目指しています。
この取り組みは、空港への往復の移動時間を大幅に短縮し、数時間かかる通勤を数分にまで縮める可能性があります。さらに、これらの先進的な機体が現実に近づくにつれ、その可能性は都市の通勤を超えて広がります。
大型の空中輸送機器は、インドの広大な国土にある隔たりを埋めることで、物流を変革する可能性があります。
かつては未来的と見なされていた技術が、人々の生活や暮らしを再構築する変革的な可能性を今まさに示しています。たとえばドローンは、包摂的な成長と効率的なサービス提供のための強力なツールとして台頭しています。
モディ首相と民間航空省の取り組みのもと、インド全土で革新的なドローン事業が始動しています。ウッタラーカンド州政府との提携による取り組みの一つは、遠隔地の村々に医薬品を届けるため、AIIMSリシケシュで開始されました。
すべての人への アクセス
ドローンを使って結核の薬を届ける取り組みにより、患者が長く費用のかかる移動をする必要がなくなり、重要な薬を患者の玄関先まで届けることができます。さらに、ドローンはリアルタイムの健康状態の追跡を可能にし、患者の検体をスムーズに回収できるため、効率的なケアを確保します。
ドローンは、南東部の都市ビジャヤワダを襲った壊滅的な洪水のような自然災害の際にも重要な役割を果たしてきました。この洪水の際には、重要な救援活動のためにドローンが投入され、食料や医療物資を届けるとともに、救助活動を支援しました。
さらに、「ドローン・ディディ」のような女性のエンパワーメントに関するモディ首相のビジョンにより、ドローンは女性起業家にも利用しやすくなり、農業から公共サービスまで、多様な用途でこの先進技術を活用できるようになっています。
先進航空モビリティの登場は、単なる技術的なブレークスルーにとどまらず、モビリティをどのように構想し、実現するかにおける変革的な転換を意味すると私は考えています。
連邦民間航空大臣として、イノベーションと利用しやすさを結びつけ、すべての国民が容易に空を移動できるようにすることが私のビジョンです。
先進航空モビリティは、都市交通を再定義し、混雑と環境の持続可能性という差し迫った課題に対処する、比類のない機会を提供します。
今後の道のりには、イノベーション、強固な規制、そして円滑な協力関係の調和のとれた組み合わせが求められます。私は、私たちの共同の取り組みによって、この有望なビジョンが新たな高みに達し、インドにおけるモビリティの未来を再構築すると確信しています。

