語学学習の進み具合は、目の動きに表れる?

A woman reads while sitting in a business class seat on a flight from New York City to Washington D.C. U.S., December 7, 2017. REUTERS/Carlo Allegri
Researchers have found that the eye's movements during reading reveal information about language proficiency.Image: REUTERS/Carlo Allegri
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MITの研究者らによる研究で、英語学習の進み具合を知る新たな方法が明らかになった。目の動きを追跡する方法だ。

その通りだ。読者の目を捉えるカメラから得たデータを用いて、研究チームは、目の動きのパターン、とりわけ特定の単語に目がとどまる時間が、第二言語としての英語の標準テストの成績と強く相関することを見いだした。

「標準テストの基準と照らして測定できるように、(目の動きは)かなりの程度、言語能力を捉えています」と、新たな研究論文の共著者で、MIT脳・認知科学部(BCS)の博士研究員であるイェヴゲニー・ベルザック氏は述べる。さらに、「読書中の目の動きの信号は非常に豊富で、多くの情報を含んでいます」と付け加えた。

実際、研究者らは、この新たな方法がテストの手段として利用できる可能性も示唆している。BCS准教授で、研究のもう一人の共著者であるロジャー・レヴィ氏は、「実用化に向けた可能性は十分にあります」と述べる。

「読書中の眼球運動から言語能力を評価する」と題された論文は、計算言語学会北米支部第16回年次大会「人間言語技術」の論文集に掲載される。著者は、BCSの計算心理言語学グループの博士研究員ベルザック氏、MITコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)の主任研究科学者でInfoLabグループの責任者を務めるボリス・カッツ氏、そしてBCSの計算心理言語学研究室も率いるレヴィ氏である。

連続しているという錯覚

この研究が取り上げるのは、どれほど読書をしていても気づかないかもしれない現象だ。目は文字列に沿って連続的に動くのではなく、特定の単語を200~250ミリ秒ほど見つめる。また、ある単語から別の単語へ飛ぶ動きには、約20分の1秒かかることがある。

「文章を連続して滑らかに読んでいるという主観的な感覚があっても、目はまったくそのようには動いていません」とレヴィ氏は言う。「目はあちこちに跳び、ほとんどは前方へ、ときには後方へ動きます。心が滑らかな体験をつなぎ合わせているのです。……これは、心が錯覚を生み出す能力の証しです」

しかし、新しい言語を学んでいるときは、文章を理解しようとするため、特定の単語に目が長くとどまることがある。そのため、目の動きのパターンから理解度について多くのことが分かる。少なくとも、明確に定義された文脈で分析する場合にはそう言える。

研究にあたり、研究者らはベルザック氏が行った研究から、眼球運動の記録を集めたデータセットを使用した。データセットには、第二言語として英語を学ぶ学生145人が含まれ、母語は中国語、日本語、ポルトガル語、スペイン語の4言語にほぼ均等に分かれていた。また、英語を母語とする話者37人も含まれていた。

読者には156文が提示された。その半数は「固定テスト」の一部で、研究参加者全員が同じ文を読んだ。映像記録により、研究チームは、読者が特定の単語を見つめていた時間の長さを示す一連の継続時間に、詳しく注目することができた。

研究チームは、使用した指標群を「EyeScore」と名付けた。ミシガン英語テスト(MET)および外国語としての英語能力テスト(TOEFL)との相関を評価した結果、論文では、EyeScoreの手法が標準テストに対して「競争力のある結果」を示し、「言語能力を捉える本アプローチの有効性を裏付ける証拠をさらに強めた」と結論づけた。

その結果、著者らは、この新たな方法が「眼球追跡を用いて言語能力を測定するシステムの、初の概念実証である」と記している。

一文ずつ測る

他の研究者らは、この研究は同分野の研究文献に興味深い知見を加えるものだと述べている。

「(この研究で用いられた)手法は非常に革新的で、眼球追跡技術の可能性を最大限に引き出すうえで大きな期待が持てると、私は考えています」と、オーストラリア・シドニーのマッコーリー大学心理学部長で、眼球運動を追跡する実験を数多く行ってきたエリック・ライクル氏は述べる。さらにライクル氏は、この論文は「第二言語学習により直接関わる分野を含め、さまざまな分野に大きな影響を与えるだろう」と考えていると付け加えた。

研究者らの見方では、今回の研究は、言語と認知の相互作用を探る長い道のりの一歩にすぎない。

カッツ氏は、「より大きな問いは、言語が脳にどのような影響を与えるのか、ということです」と述べる。人類が文字を処理し始めたのは、ここ数千年のことにすぎないことから、読解能力は脳の「驚くべき可塑性」を示す例だと同氏は指摘する。そう遠くないうちに、「こうした問いに答え始められる立場に、実際に立てるかもしれません」と付け加えた。

一方、レヴィ氏は、読書に関するこうした眼球検査を、より具体的なものにできる可能性があると考えている。今回の研究のように156文のコーパス全体を通して読者の理解度を評価するのではなく、専門家はさらに短い文章について、より確かな判断を下せるかもしれない。

「たとえば、今後実現したいと考えているものの、まだ行えていないことの一つは、一文ごとに、その文を読んだときの目の動きから、どの程度理解できたかをどこまで判断できるのかを問うことです」とレヴィ氏は言う。「これは、誰も答えを出していない未解決の問いです。将来、それができるようになることを期待しています」

この研究は、米国科学財団の助成金を通じて、MITの脳・心・機械センターから一部支援を受けた。

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