消費者が人工知能を受け入れる5つの理由

A girl makes a robot friend at Kuromon Ichiba market, Osaka, Japan
Faster and safer deliveries, fewer out-of-stock items and better customer service – AI is set to revolutionise the supply chain.Image: Andy Kelly/Unsplash
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2017年のクリスマスは、小売業者にとって繁忙期だった。最需要期にAmazonは、記録的な実績を報告し、185か国への配送を取り扱った。一方、UPSは返品荷物の処理でも記録を更新し、12月には1日に100万件を超える荷物を処理した。前年に世界で23%の成長を遂げた電子商取引は引き続き堅調な業績を示しているが、小売業者、物流会社、消費者にとって、ストレスや混乱は日常茶飯事だ。英国の調査によると、クリスマス前の期間に、クリスマス向けの荷物の半数以上が予定どおり届かなかった。英国最大手の小売業者では、人気のクリスマス玩具が売り切れ、親たちは慌てた。

人工知能は、この混乱に秩序をもたらす助けとなる。具体的には次のとおりだ。

AIで配送を予定どおり、またはより迅速に

配送の遅れや品切れは、消費者の不満を招く。企業が誰が何をいつ購入しそうかを把握できたら、理想的ではないだろうか。そうすればサプライチェーンの担当者は、必要な人員、倉庫、輸送能力を確保できる。あるいは、購入される前に商品を配送先の近くに保管するために送ることさえできる(「予測配送」と呼ばれる手法)。Amazonは長年AIを試験的に導入してきた。たとえば、レジのない店舗などがある。他社もすぐ後を追っている。ドイツの電子商取引事業者Ottoは、システムを開発した。販売データ、ウェブサイトでの検索、気象情報など、約30億件の取引と200の変数を分析するシステムだ。90%の精度で、今後30日間の販売動向を予測できる。現在、同社は人手を介さずに月約20万点の商品を仕入れている。余剰在庫は5分の1減り、商品の返品は年間200万点以上減少した。顧客は注文品をより速く効率的に受け取れる一方、返送される荷物が減るため、地球環境にも恩恵がある。

消費者が望む商品を手に入れる

サプライチェーンにおける大きな課題の一つは、次のシーズンに何の商品がヒットするかを予測することだ。小売業者は早い段階で決断し、仕入れた商品が売れないリスクを受け入れなければならない。一方、消費者も、買いたい商品が小売店に在庫されていることを願うしかない。需要と供給の不確実性や不一致は、関係者全員にとってコストがかかり、非効率だ。ブランドの評判が危うくなり、消費者はリスクを補うために高い価格を支払うことになる。AIを活用した手法の一つは、最適化された商品ライン計画と呼ばれ、社内の販売・顧客記録、競合情報、トレンド分析、ソーシャルメディア上の嗜好などのデータを統合して、顧客プロフィールやペルソナを作成する。この顧客セグメンテーションにより、小売業者は各ペルソナに最も響く商品構成を決められる。デザイナーは次のシーズンの商品案を用意し、予想売上高を算出することもできる。これにより、販売目標と消費者のニーズの両方を満たせるという確信が得られる。

商品を安全に届ける

サプライチェーンの担当者が状況を把握していれば、悪条件下でも荷物が届くようにできる。テルアビブの海事データプロバイダー、Windwardは、AIを通じて世界中の海上輸送の安全性を予測できるとしている。同社はイスラエルのスタートアップで、2017年11月にロンドンを拠点とする保険市場Lloyd’sと契約を結んだ。Windwardは、Lloyd’sの会員企業に海上紛争や海難事故を予測するソフトウェアを提供している。Apple、Microsoft、Ford Motorを顧客に持つFlextronics Internationalは、世界中のサプライヤー1万4,000社からなるネットワーク全体で、サプライチェーンの混乱をリアルタイムで知らせるソフトウェアをいち早く開発した。AIを活用したこのシステムは、サプライヤーの遅延、ストライキ、地震、津波など、実際に起きている問題や起こりうる問題の予測を支援する。関係チームは情報に基づいて判断し、在庫の流れを保ち、消費者の満足度を高められる。

盗難に遭う商品が減る

犯罪が原因で注文品が届かないこともある。FBIの推計によると、貨物窃盗による米国企業の損失は、年間300億ドルを超える。顔認識や不審な行動の検知は、こうした犯罪の防止に役立つ。中国のAI研究企業Yitu Technologyでは、23階と25階に向かう従業員や来訪者の通行証が自動的に読み取られる。カードをかざす必要はなく、乗客は指定された階にだけ案内される。カメラは建物に入る人をすべて記録し、入館後も追跡する。「私たちの機械は、少なくとも20億人の中から数秒で簡単にあなたを認識できます」と、Yituの共同創業者兼CEO、Zhu Long氏は述べる。Yituの汎用顔画像プラットフォームにはすでに、全国データベースに登録された人々と最近中国を訪れた人々の写真が18億枚収められている。そのうち3億2,000万枚は中国の国境で撮影されたもので、入国者と出国者全員の写真が撮られている。この最先端技術は、車両、店舗、倉庫から都市全体まで、あらゆる資産の保護に活用できる。ボストンでは、インテリジェントな防犯カメラが犯罪を予測しようとしている。セキュリティシステムは映像をリアルタイムで監視し、異常な行動を検知するとすぐに当局へ知らせる。

より迅速で質の高い顧客サービス

16の主要経済圏で実施されたGenesysの調査によると、顧客サービスの質が低いことによる損失は、年間3,385億ドルと推定される。ドライバーが現れなかったり、商品が売り切れたりして失望した消費者も、適時かつ正確な情報に基づいて行動できれば、満足できる場合がある。AIツールは、顧客サービス担当者に適切な情報を迅速に提供し、担当者に取って代わることなく、顧客と担当者のやり取りを改善できる(チャットボットは、これまでのところ共感力や問題解決能力に欠けることが示されている)。同時に、音声で操作するデジタルアシスタントは、進歩の機会となりうる。たとえば、「DHLに連絡して、注文品がいつ届くか調べて」と頼むと、デジタルアシスタントがチャットボットにつなぎ、情報を探してすぐに伝えてくれる。必要であれば、近いうちにアシスタントがあなたの声を使えるようにもなるだろう。Googleが発表した論文は、2017年12月、Tacotron 2という音声合成システムの詳細を明らかにした。このシステムは、人の話し声をまねる際、人間に近い精度を再現できるとうたっている。

こうした進歩にはリスクも伴う。雇用喪失や、自ら学習する可能性を持つ制御不能な機械への懸念は、日々ニュースで取り上げられている。AIを搭載したロボットが自動運転車、防犯カメラ、デジタルアシスタントとして人間とともに働き始めるなか、一部の専門家は、事故が起きた際に判断の経緯を追跡し、行動の説明を可能にするため、ロボットに「倫理的ブラックボックス」を搭載すべきだと述べている。たとえば、2016年5月に起きたTesla Model Sの自動運転車による死亡事故がある。ロボットの行動は、しばしば謎に包まれている人間の行動と同じように捉えるべきだと考える人もいる。慎重さを求める声が多い一方、前向きな見方もある。UpworkのCEO、Stephane Kasriel氏は、こう予測する。「将来、仕事が不足するのではなく、仕事を担うためのスキルが不足するだろう」。歴史が示すように、新技術への懸念は時とともに解消され、消費者はその恩恵を受けられるようになる。

AIは急速に発展しており、私たちの生活の多くの場面に入り込むことは確実だ。消費者の満足度に与える影響を考えれば、消費者がインテリジェントなサプライチェーンを受け入れるだけでなく、購買プロセスでより多くのAIソリューションを求めても不思議ではない。一方、投資家は近いうちに、何らかの形でAIを取り入れる計画のない企業に資金を提供しなくなるかもしれない。

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