ゲームは気候変動の影響を理解する助けになるか?

ゲームは気候変動の影響を理解する助けになるか?
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コンピューター画面には、雪と氷に覆われた白い世界が広がっている。動物の皮で作られた服を着た若いイヌイットの女性ハンターが、容赦なく吹きつける吹雪と闘っている。

突然、彼女と相棒のホッキョクギツネの足元で氷が割れ始め、2人は走り、段差を飛び越え、山を登る。ホッキョクグマに追われながら、精霊たちの助けを受ける。

少女のヌナとキツネは、ビデオゲーム「Kisima Ingitchuna」(英語名「Never Alone」)の登場人物だ。この作品は、気候変動への対処法に取り組む、米国の先住民文化を題材にした初の商業ビデオゲームとされている。

科学者や活動家が、気候変動を説明し、行動を促す新たな方法を探すなか、ゲームが新たな手段となりつつある。新しい層に届くだけでなく、利用者に気候変動のリスクと解決策の一部を身をもって感じさせる。

「ゲームは反射神経と知性を必要とする点で、とても独自性があります。非常に能動的なメディアだからです」と、シアトルのE-Line Mediaでクリエーティブディレクターを務めるショーン・ヴェスケ氏は語った。同社は2014年後半、クック・インレット部族評議会とともに「Kisima Ingitchuna」を発売した。

「ゲームは楽しく、同時に学ぶこともできるうえ、課題をこなしているように感じさせません」

このゲームは、アラスカ先住民の長老、語り部、地域住民およそ40人との協力で制作された。命に関わる吹雪から共同体を救いに向かう少年の冒険を描いた、イヌピアック・イヌイットの人々に伝わる物語が基になっている。

「私たちの目標は、世界の文化や、そこに生きる人々への好奇心を呼び起こすことでした」とヴェスケ氏は語った。

同氏によると、チームは気候変動に焦点を当てるつもりではなかったが、アラスカ訪問中にこの話題が繰り返し持ち上がった。

「彼らの暮らしは土地と深く結びついており、動物の移動パターンや、氷の流れ、厚さの変化など、環境の変化にとても敏感です」と同氏は述べた。

ヴェスケ氏によると、このビデオゲームを通じて、プレイヤーはアラスカ先住民のこの部族について、また気候変動が同部族に及ぼす影響について、双方向かつ実践的な方法で学べる。

赤十字・赤新月気候センターの研究・イノベーション担当副所長パブロ・スアレス氏は、気候変動や防災への備えを改善する方法を人々に教えるゲームを制作している。

「(ゲームは)短期的な決断がもたらす長期的な結果を、楽しく夢中になれる形で体験させてくれます」と同氏は語った。

同氏は世界各地の人々に向けてゲームを制作してきた。例えば、悪化する暴風雨にどう対処するかを沿岸部のセネガル人農家が考えるためのカードゲームがある。

住民はカードの山から行動の選択肢を選び、その選択をきっかけに地域内で話し合いが行われた。その結果、地域のために新たな選択肢カードが300枚作られた。

「人々は、活動を見たり参加したりするなかで経験した感情を鮮明に覚えています」とスアレス氏は語った。「提示された考えも記憶に残り、問題を違った形で捉えられるようになります」

この記事は、 トムソン・ロイター財団 trust.orgとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。

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著者:カイル・プランツは、トムソン・ロイター財団の寄稿ライター。

画像:南半球の冬季に、パタゴニア地方サンタクルス州のエル・カラファテ市近郊で、ペリト・モレノ氷河の側面の一つから氷の塊が剥がれ落ちる。予期せぬ崩落過程の一場面。REUTERS/Andres Forza。

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