時計製造業の新たな中心地はどこか。スイスと答えたなら、考え直してほしい。高級時計の伝統的な本場が、テクノロジー大手Appleという新たな挑戦者に追い抜かれた。
2017年第4四半期、iMacやiPad、そして小さな充電ケーブルを生み出したAppleは、驚異の800万本の時計を販売し、時計産業のシャンパーニュ地方とも言える歴史あるスイスの販売本数680万本を大きく上回った。スイスはまた、タグ・ホイヤー、ロレックス、ブライトリングといった名門メーカーの発祥地でもある。
この急増は9月に発売された第3世代Apple Watchがきっかけで、購入者が長年親しまれてきたクオーツやスチール製の時計よりも、通話やGPS位置の特定、音楽のストリーミング再生ができるスマートウォッチを選び始める転換点になる可能性があると、専門家は指摘する。

ただし、スイス勢は2017年通年で2,400万本を出荷し、Appleのわずか1,800万本を上回った。伝統的なメーカーを早々に見限るのは賢明ではない。「第4四半期には必ず販売が急増するが、それを年間を通して維持することはできない」とIDC欧州モバイル機器部門のリサーチディレクター、フランシスコ・ジェロニモ氏は述べた。「[しかし]他の業界は、この種の脅威をあまりにも長く無視するという過ちを犯した。」
企業が国を上回るとき
奇妙に聞こえるかもしれないが、国をしのぐテクノロジー大手はAppleが初めてではない。実際、世界の主要企業は売上高で各国を常に上回っている。NGOのGlobal Justice Nowによる調査では、世界の経済主体上位100のうち69を民間企業が占め、上位10社の売上高は、世界の大半の国々を合わせた額を超える。

こちらのリンクから分かるように、ウォルマート、ロイヤル・ダッチ・シェル、フォルクスワーゲンなどの企業は、2016年に最も豊かな国々を除く各国を上回った。トヨタはインドを抜き、BPはノルウェーとロシアを大きく引き離した。また、アラブ首長国連邦の石油化学産業がいかに強大でも、米連邦住宅抵当公庫を上回ることはできなかった。
このグラフはGDPではなく売上高に基づいている点を付け加えておきたい。例えば、ロシア政府の2016年の歳入は2,160億ドルで、1兆3,000億ドルを超えるロシアのGDPに比べればごくわずかだ。GDPで比較していれば、ロシアは主要企業すべてを余裕で上回っていただろう。


