人工知能(AI)は、さまざまな分野の研究を支援するために、ますます活用されるようになっています。
英国企業DeepMindのAIが、古代ギリシャ語文献の修復を支援しています。
第二次世界大戦時の写真に写るユダヤ人を特定するため、顔認識技術が使われています。
オランダの研究者はAIを用いて、死海文書は従来考えられていたように1人ではなく、2人によって書かれたことを発見しました。
人工知能(AI)は、私たちをより速く未来へ導くものと考えられがちですが、過去を解き明かす強力なツールにもなり得ます。
過去を理解し、未来に備えるために、この技術が世界各地で活用されている6つの方法を紹介します。
1. 人工知能で古代文献を修復
IthacaというAIアルゴリズムが、歴史家による古代ギリシャ語碑文の修復を支援しています。
英国の人工知能企業DeepMindの研究者は、紀元前700年から西暦500年の間に書かれた、地中海各地の古代ギリシャ語文献約6万点を使って、このアルゴリズムを訓練しました。
New Scientist誌によると、Ithaca単独での文献修復の正確さは60%を超えました。歴史家と協力すると、成功率は70%を超えました。
2. 長らく身元不明だった人々の顔を特定
ホロコースト(ナチス政権とその協力者による、約600万人のユダヤ人の大量虐殺)の第二次世界大戦時の画像に写る人々を特定するため、顔認識AIが使われています。
このプロジェクト「From Numbers to Names(N2N)」は、ソフトウェアエンジニアのダニエル・パットが余暇を使って作成、開発したもので、The Times of Israelの報道によると、ホロコースト生存者の子孫であるパットは現在Googleに勤務しており、N2Nにはソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、研究者が参加しています。
このサイトは、米国ホロコースト記念博物館が公開し、遺族から提供された写真3万4,000点以上をスキャンします。
3. 過去のデータを使ってAIが気候の未来を予測
日本では、科学者たちが 京都大学と 科学技術振興機構の気候データを用い、将来の傾向を予測しました。
ディープニューラルネットワークと呼ばれる機械学習技術を使い、1901年から2016年までの月平均気温を分析しました。
科学者たちは学術誌Frontiers in Robotics and AIに、モデルは数十年にわたる気温の上昇や低下を「正確に予測」できたと報告しました。
4. 消滅した言語を解読するアルゴリズム
過去に失われた、または話されなくなった死語を、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)のAI研究者たちがよみがえらせました。
MITの コンピューター科学・人工知能研究所が開発したシステムは、失われた言語を自動的に解読することができました。それ以前は解読不可能とされていた言語です。
このアルゴリズムは、歴史言語学の知見と、言語が進化する過程で音が変化する典型的なパターンを用いて訓練されました。
5. 古代遺物に関する新たな発見
オランダでは、フローニンゲン大学の研究者がAIを用いて、死海文書に関する新たな発見をしました。死海文書は紀元前4世紀のもので、ヘブライ語聖書の最古の写本と考えられています。
コンピューター技術とAIを用いて、研究者たちは、従来考えられていたように1人ではなく、2人が巻物を書いたと結論づけました。
6. 3Dで過去の人々と出会う
AIは、過去の人物をよみがえらせるためにも使われています。米国の法律事務所Lutzker & Lutzkerの記事によると、インドのある博物館は、2011年に亡くなった芸術家の「デジタルツイン」を作成しました。米国の法律事務所Lutzker & Lutzkerの記事。
画家M.F.フセインの3Dホログラムは、生涯や作品についての質問に答えることができます。インドのベンガルール(バンガロール)にある美術・写真博物館では、顔認識やその他のディープラーニング技術を用いてアバターを作成しました。
人工知能の利用拡大に伴い、責任ある導入をめぐる議論や取り組みも進んでいます。インド政府の政策シンクタンクNITI Aayogと、世界経済フォーラムの第四次産業革命センターは最近、共同でAIのベストプラクティスに関する倫理的枠組みを策定しました。
Microsoftなどの大手テクノロジー企業も、強力なAIツールへのアクセスを制限しています。その一例が 顔認識技術です。





