AIにより、医師が敗血症を数時間早く特定し、治療できるようになった仕組み

A new AI system is helping clinicians catch sepsis symptoms hours earlier than traditional methods.
A new AI system is helping clinicians catch sepsis symptoms hours earlier than traditional methods.Image: Unsplash/ Olga Kononenko
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  • 新たなAIシステムが従来の方法より数時間早く症状を捉えるため、敗血症で死亡する可能性が20%低下したことが、新たな研究で示された。

  • このシステムは医療記録や臨床記録を精査し、命に関わる合併症のリスクがある患者を特定して、治療手順を提案する。

  • 敗血症の症例の82%において、このAIの正確性は約40%だった。

  • このシステムは現在、敗血症以外の疾患の転帰改善にも活用されている。

新たなAIシステムが従来の方法より数時間早く症状を捉えるため、敗血症で死亡する可能性が20%低下したことが、新たな研究で示された。

このシステムは医療記録や臨床記録を精査し、命に関わる合併症のリスクがある患者を特定する。世界の病院で死亡原因の上位を占める疾患による患者の死亡を大幅に減らす可能性があるこの研究成果は、Nature MedicineおよびNature Digital Medicineに掲載された。

「AIをベッドサイドで導入し、何千人もの医療従事者が活用して、命が救われているのを目の当たりにするのは初めてです」と、ジョンズ・ホプキンス大学マローン・ヘルスケア工学センターの創設研究ディレクターであり、2年間にわたり50万人以上の患者を評価した研究の筆頭著者でもあるスチ・サリアは語る。

「これは、毎年何千人もの敗血症患者の命を救う画期的な進歩です。そして、このアプローチは現在、敗血症以外の重要な課題領域においても、転帰改善に活用されています。」

敗血症は、感染症が全身に連鎖反応を引き起こすことで発症する。炎症によって血栓や血管からの血液漏出が生じ、最終的には臓器の損傷や機能不全を招くことがある。米国では毎年、成人約170万人が敗血症を発症し、そのうち25万人以上が死亡する。

発熱や混乱などの症状はほかの疾患でもよく見られるため、敗血症は見逃されやすいとサリアは言う。発見が早いほど、患者の生存率は高まる。

「転帰を改善する最も効果的な方法の一つは、早期に発見し、適切な治療を適時に行うことです。しかし、正確な早期特定を可能にするシステムがなかったため、従来は大きな課題でした」と、ジョンズ・ホプキンス大学で機械学習・医療研究所を率いるサリアは語る。

AIによる敗血症の継続的な追跡

この課題に取り組むため、サリアらは「Targeted Real-Time Early Warning System(標的型リアルタイム早期警告システム)」を開発した。患者の病歴と現在の症状、検査結果を組み合わせるこの機械学習システムは、敗血症のリスクがある患者を臨床医に知らせ、抗生物質の投与開始などの治療手順を提案する。

このAIは、患者を追跡し、入院から退院まで、スタッフが交代したり患者が別の診療科に移ったりしても、重要な情報が見落とされないようにする。

研究期間中、5病院の4,000人を超える臨床医が、59万人の患者の治療にこのAIを利用した。また、このシステムは過去の患者症例173,931件も検証した。

敗血症の症例の82%において、このAIの正確性は約40%だった。敗血症検出に電子ツールを使ったこれまでの試みでは、その半分未満の症例しか捉えられず、正確性は2%から5%だった。敗血症の症例はいずれすべて発見されるが、現在の標準的な医療では、発症した人の30%が死亡する。

最も重症の敗血症では、1時間の遅れが生死を分けることもある。AIは従来の方法より平均で約6時間早く敗血症を検出した。

「これは多くの点で画期的です」と、共著者で内科医、ジョンズ・ホプキンス医療サービス・転帰研究センター所長のアルバート・ウーは語る。「これまで、この種のシステムの多くは、正しく判断するよりも誤ることの方がはるかに多かったのです。こうした誤警報は信頼を損ないます。」

適応型AIのアプローチ

従来のアプローチとは異なり、このシステムでは、ツールが特定の推奨を行う理由を医師が確認できる。

この研究は、若くして敗血症で甥を亡くしたサリアにとって、極めて個人的な意味を持つ。

「敗血症は非常に速く進行します。甥の場合もそうでした」と彼女は語る。「医師が発見したときには、すでに敗血症性ショックに陥っていました。」

ジョンズ・ホプキンス大学から分社化した企業、Bayesian Healthが、すべての試験施設における導入を主導し、管理した。またチームは、ほかの病院でもこのツールを導入できるよう、電子カルテシステムを提供する最大手のEpicとCernerとも提携した。

チームはこの技術を応用し、褥瘡として一般に知られる床ずれのリスクがある患者や、出血、急性呼吸不全、心停止による急激な状態悪化のリスクがある患者を特定できるようにした。

「ここで用いたアプローチは、根本的に異なります」とサリアは語る。「患者集団の多様性、施設ごとに医師や看護師がケアを提供する独自の方法、各医療システムの固有の特性を考慮して適応するため、精度が大幅に高まり、医療従事者の信頼と導入につながります。」

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